あの日のままの君と
(第2部隊 離れ)
「護。お前大きくなったな。」
龍崎が聞き覚えのある声。
その方向に目をやると、そこには柊の姿があった。
縁側で、襖に寄りかかるように片ひざを立て座っている・・・。
顔は、あの時と一ミリも変わっていない・・・。
「弁慶・・・」
「久しぶり。何、泣いてんだよ、お前。」
柊はそういうと、龍崎の前に座り、煙草に火をつけ始めた・・・。
龍崎は、驚きのあまりその場に固まってしまった。
「お前、俺が死んだとき砂羽に言ってよな?俺の変わりに砂羽を守るってさ。だから死神になったんだろ?」
龍崎は柊のその問いに首を縦に振って答えた。
「なら、ここにいる時間はないはずだ。ま、俺もだけど。お前の仲間は、一部を除いて全員あいつ等の所に向かったぞ。その一部の奴もここに迎えに来る。選択肢はないはずだ。一つしか。」
「わかってる。っていうか弁慶も・・・」
「俺も行くに決まってんだろ・・・俺たちは家族だ。俺も砂羽を迎えに行く。」
その言葉と同時に、龍崎の視界は白く霧のようにぼやけ始めた。
「弁慶!どこ行くんだよ!弁慶!」
次に見えてきた景色は、へこんだ床と血まみれの右手だった・・・。
「夢・・・だったのか・・・?」
起き上がろうと左手を動かした時に少し思い違和感を感じた。
龍崎は左手に目を向けると、薬指と小指にアームリングが付けられていた。
柊、神崎が付けていた龍のアームリング。
「夢じゃなかったみたいだな・・・」
いつも見慣れていた龍の模様が、なぜかこの日だけは強い何かを感じるように見えた・・・。
「家族・・・か・・・。」




