グリム(3)
「この景色まるで眠れる森の美女だな。」
「なんだそれ?」
「ほら千葉のテーマパークのアニメであったろ?」
賢人の質問におれが答える。
「ああ。おれあんまり詳しくないんだよね。」
「賢人はアニメとかあんまり観なさそうだもんな。」
「眠れる森の美女ってなぁにぃ?」
シキが話の間に入ってきた。
「ああ。お姫様が魔女の呪いで眠むちゃって、真実の愛のキス....まぁ王子様のキスで目覚めるって話だ。」
「ふーん。ロマンチックなんだね。」
「どの口でロマンチックって言ってんだよ。ついさっき生まれたクセに。」
と笑いながらシキの頬をひぱった。
「それって、グリム童話のいばら姫の話によく似ているな。」
賢人が言った。
おれと賢人は携帯で調べた。どうやらおれが子供の時に観た眠れる森の美女はいばら姫という作品をモチーフにしていたようだった。
「そうか。だから本に入る時いばら姫って本に書いてあるのが見えたのか。」
とおれが言った。
「そうなのか!じゃあ他の本にも作品タイトルが書いてあったのか。」
「クラスのやつらが出てきた本にはヘンゼルとグレーテルって書いてあったぜ。」
「人魚姫もあったよー。」
賢人の質問におれとシキが答えた
「あったな。シキもよく見てんな。」
と言いながらシキの頭を撫でてやった。シキは頭撫でられるのが好きらしく嬉しそうにしてた。
「待て!人魚姫....」
「どうしたんだ賢人。」
「いや。確か人魚姫はグリム童話じゃなかったはずなんだ。」
と賢人が言った瞬間だ茨の中から大きな爆発音が聞こえた。
「なんだ。」
「モンスター同士の戦いじゃないのか?」
「賢人、行ってみよう!どんなモンスターか気になる。」
と言い、おれたちは爆発音のしたところまで走っていった。