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神話伝承テオフィルごっこ、再び

元凶の女子2人を調べるため、キャンパスライフ♪

https://hatuyuki-ku.com/?p=707

 無視されるどころか、キャメロットまでVIP待遇。


 そのまま案内されたのは、闘技場だった。


 大勢の話し声が、一気にクリアに……。


 暗い通路から明るくなったことで立ち止まれば、高いバルコニーに立っている老婆と目が合う。


 彼女は、上質なトーク帽と首元の真珠のネックレス、見るからに気品あるスーツドレスを着ている。


 微笑みと、会釈。


(あ、どうも……)


 反射的に、頭を下げる。


 室矢カレナと親交がある女王陛下だろう……。


 その隣に立つ同年代の老爺(ろうや)は、最高級のスリーピース・スーツの胸元にピンバッジが輝く。


 たぶん、王配。


 その息子についても、王配より地味だが、若者らしい乗馬系ツィードのジャケットスタイル。


 2人とも、値踏みをするような視線をこちらへ向けた。


 カクテルドレスに飾り帽子の若い女は、ニヤニヤしたまま。


 どう見ても、ロイヤルファミリーだ!


 キャメロットが非公開だからか、普段着に近いものの……。



 視線を戻せば、昔の闘技場のような地面と、外周を丸く囲んでいる塀が目に入った。


 高い塀の上には階段状の観戦席があって、今は円卓の騎士たちが座っている。


 従騎士であろう女子たちが、後ろめたそうな、期待しているような表情で俺を見つめては、目をそらす。


(差別している感じではない……。それに――)


「マスタァアアアッ!」


 女が集まっている観客席の最前列に、ローズマリーがいる。


 それはいいのだが……。


(なぜ、白い猫耳2つと尻尾が!?)


 まるで本物のネコのように動き、周りにいる女子もジーッと見つめる。


『ニャアアアッ!』

『ウゥウ゛ウ゛ッ!』

『ナア゛ア゛ア゛ァアッ!』


 本物のネコが数匹、ローズマリーの傍で鳴いている。


 仲間だと思っている?


 いや、声の高さがネコの鳴き声と同じで、反応しているだけか!


 ペンギンは、人間を見て、でかい仲間だな? と感じるらしいが……。


 なぜ、こんな事態に――


『私が、ローズマリーに与えた! そうしたら、尻尾を穴に突っ込んでいると誤解されてな? マスターであるお主が、変態と思われた! 女子はどいつも連日エロい妄想に励んだことで、エロゲのイベントシーンを見ているような気分じゃ! ついでに、ジェニファーはお主とあらゆるプレイを体験したという結論になったぞ? その噂を聞いた第一王女は面白がって家族を誘い、現在に至る』


 …………


 …………


 カレナァアアアアアアッ!


 なぜ、猫耳と尻尾をつけた!?


 ふざけるなあああああああっ!!


 室矢カレナは、超空間であっさりと答える。


『安心しろ! あの尻尾は、挿しているわけではない』


 そっちの意味で怒ったわけじゃねええええええ!


 …………


 ところで、白い騎士(ホワイトナイト)の装備は問題ないか?


『……急に落ち着くな! ああ、大丈夫だ』


 『神話伝承テオフィル』に登場した、剣と盾を持った騎士たち。


 ホワイトナイトの装備を借りている。


 でないと、俺は殴るか蹴るだけ。


 アニメでは、やられ役だったが――


『お主のような守護者(ガーディアン)と比べるな! 彼らは彼らで、精鋭だった……』


 それにしても、本当に凝っている。


 伊達に、女神カレストゥーナを自称しているわけではない。


『ああ、うん……。そうだな? シュヴァルツで殴るのは大人げないし、あやつらが殺しても奪いたがるだけ』


 カレナは不満のようで、フーッと、息を吐いた。


 気を取り直して、説明。


『ホワイトナイトの装備だが……。ギアの出来損ない、廃品が相手なら、十分すぎるだろう! 使い潰して構わんから、伸び伸びと戦え』


 辛辣である。


 ところで、お前はどこにいるの?


『プリシラのところだ……。さっき、お主も見ただろう?』


 まさかとは思うけど、女王陛下と一緒?


『そうだぞ? さっき、「兄と仲が良いのですか?」と聞かれたから、「ここでは、とても言えん」と答えつつ、恥じらったまま、微笑んでおいた』


 それ、お前にも手を出しているって返事だぞ?


 さっきの噂と合わせたら、俺の評判、もう終わったじゃん。


『事実だろ? 日本でも、女子200人切りを達成したし』


 いや、そうだが……。


『第一王女は、たいそう面白がってな? ある事ない事を言っておいた』


 言うなよ?


『第二王女のアドラステアが、お主を「自分の騎士にする」と宣言してな? その関係で、円卓(ラウンズ)のやつらも殺気立っておる』


 そういえば、アドが言っていた――


 対戦相手が出てきたから、先手を打たれないよう、ホワイトナイトの装備を呼び出す。


 各パーツごとに、要所だけ覆うアーマーが装着されていく。


(まさに白色で……。ロングソードは、西洋風か! ちょうどいい)


 軽く動いてみれば、主人公が身に纏うシュヴァルツより体を覆う面積が小さく、デザイン性がないものの、悪くない。


 徒歩の騎士といった感じ。


『私の瞬く星々(トゥインクル・スターズ)を参考にしたものの、簡素だから、男が使っても違和感はないぞ?』


 ハイハイ。


 女神カレストゥーナの専用装備である、瞬く星々(トゥインクル・スターズ)か……。


 耐久性は?


『ギアより脆い! 同じ感覚で使うと、死ぬぞ? ある程度は受けられるが……』


 2周目とはいえ、こんなところで死にたくない。


 せいぜい、気をつけるさ!


 ブーツと一体化した足を動かして、ステップ。


 手にしたソードを振り回し、感覚を確かめた。


 …………


 いいね!


 悪くない。


 騎士の剣術は知らないが、やりながら慣れるだけ。

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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