第12話 魔女グラマ登場
皆さんは、勇者が世界を救う物語に飽き飽きしていませんか?
あるいは、伝説の武器を求めて旅をすることに、どこか虚しさを感じてはいませんか?
今回の物語の主人公は、勇者でも聖女でもありません。
ましてや人間ですらありません。
一頭の牛(緑)と、その食欲旺盛な家畜仲間たちです。
王様に献上したのは金銀財宝ではなく、精一杯の「肥し」。
魔女に突きつけられたのは世界の命運ではなく、おいしい「野菜の種」。
そして、仲間のピンチに立ち上がるのは、剣も魔法も持たない「焼肉予備軍」パーティーです。
当人たちは必死。
そんな**「家畜系ファンタジー」**の幕開けです。
どうぞ、肩の力を抜いて(できれば何か食べながら)お楽しみください。
「……よし、行くぞ野郎ども! 姫さんの命運、この最高の食材にかかってるからな!」
シャープの威勢のいい声に、俺は思わず「モゥ〜(無理言うなよ)」と鼻息を漏らした。
さっき王様に渡した『黄金の樽』——中身は俺が丹精込めて(?)捻り出した最高級の熟成堆肥だ。王様、あんなに嬉しそうに抱えてたけど、蓋を開けた瞬間の顔は見たくない。
一行は城の東の山奥に広がる「邪眼の森」へと足を踏み入れた。
そこは、植物が毒々しい紫色に発光し、無数の腐敗した死体が、置き去りにされていた。
湿った霧の先、森の最奥、巨大な鍋の形をした家から、一人の禍々しいロープ姿の女が姿を現した。
彼女こそが、この一帯を恐怖に陥れる魔女・グラマ。
グラマ:「……、きたわねぇ。美味しそう。
ウフフ、依頼のモノは持ってきたんだろうねぇ?
私の研究に必要なの?早くしないと、その牛も豚も鶏も、まとめて、たべちゃおうかなぁ~?」
俺に指差しながら、狙いを定めた。
キャスティ「ダメよ!これは、私の大切なギルド…非常に大事!」
緑(いやいや、どっちが、魔女だかわかんねぇ?)
オゥク:
「フゴッ!?(具材は勘弁だ!)」
ヤフー:
「コケッ、コケケ!(こいつ、目がマジだぞ!)」
条件は三つ。
ファイヤポテト
エレキテル・キャロット
デビルエッグ
「まぁ、それは、冗談!この2種の野菜と卵を
定期的に、納品して頂戴。それが条件。この腐った。ブローラル大陸の大地では、植物は育たず、モンスター化してしまう!そこで、貴方達が、栄養豊かな農場を作ったと聞いたので、頼んだのよ?」
緑(な〜るほど、犬がペラペラ喋るから……。)
シャープ「しかし、肝心の野菜の元になる、種がないのでは、作りようが無いのでは?」
「そこで、野菜も種も取ってこなきゃ駄目なのよ?」
ミドリ:
「モウ〜(……マジか?面倒、最悪だ!)」
オゥク :
「ブルゥ(……いっぱい食えるのか?)」
ヤフー :
「ヤフー(……種食べたい。)」
各種
ファイヤポテトの芋は、ネテロ山の火山。
エレキテル・キャロットは、サンダーの村の井戸
デビルエッグは、さざなみの森の骸骨鶏。
「貴方達出来る?出来なきゃ、み~んな焼肉にして、たべちゃうから!」
キャスティ「チームのレベルアップも出来るし……
分かった。やってやる!」
「ちょっと、待ちなさい!?犬くんと嬢王様はここに残りなさい!」
シャープ「グラマ様?何故?」
グラマ「だって、つまらないじゃない、普通に物、取ってくるイベント、依頼変更、人質よ!?」
緑(……マジかよ!?いや、普通でいいだろ!?)
ログが表示された。
クエスト変更、難易度 星★★★
人質イベント・・・魔女に引き裂かれた仲間を救出せよ!
緑(…あ〜あ、家畜パーティーだぁ…ホント魔女。)
グラマ
「そう言う事で、家畜パーティーだけで取ってきて頂戴!家畜パーティーの方が、危険そのスパイスが、私の研究にいい刺激を呼び起こすわ!」
そう言うと、グラマは、魔法の棒を持ちシャープとキャスティをカエルに変えてしまいました。
キャスティぽいカエル「ゲコ、ゲーコーー!」
シャープぽいカエル「ワン、ワオーン!」
ミドリ:「モウ〜(なんで、カエルが犬の遠吠えしてるだ!このゲーム故障か?)」
「これで、君たちの逃げ道は無い!さあ、お行きなさい家畜ども!」
こうして、不安なミドリ、オゥク、ヤフー、アニーの4匹は、旅立ったのであった。
場所は、ここから、西側に点在していた。
魔女に貰った、地図によると、さざなみの森、その後サンダーの村の井戸、その奥に聳える、ネテロ山の順で行くことになった。
果たして、ミドリはこの試練を乗り越えらるか?
続く。
第12話をお読みいただき、ありがとうございます!
書き終えてみて一番に思ったのは、**「このパーティー、あまりにも美味しそうすぎる」**ということです。
牛のミドリ、豚のオゥク、鶏のヤフー……。彼らがピンチになればなるほど、読者の皆さんの脳裏にはジュージューと焼ける鉄板の音が鳴り響くことでしょう。
魔女グラマの「焼肉にして食べちゃうから!」という脅しは、ある意味でこの物語において最も恐ろしいタイムリミットかもしれません。
また、今回は「カエルになったのに犬の遠吠えをする」という、プログラムのバグのようなシュールな現象が発生してしまいました。ミドリの言う通り、この世界のシステムはどこか故障しているのかもしれません。




