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第0話 プロローグ

テンションが上がって書いた。後悔はしてる。


見渡す限り白い空間。

その中央には中性的な顔立ちの子供が1人。


「君が雨雲 蓮くんだね? 」


その子が俺の名前を呼ぶ。


「突然でびっくりした? ごめんごめん、でも仕方ないんだよ~ こっちはこっちで事情があるんだよ。あっ! ごめんね突然話し出しちゃって。自己紹介が先だったか~」


その子はコホンとわざとらしく咳をすると、

特徴的な赤と緑のオッドアイを俺に向ける。


「僕の名前はリン。リン・レピオス。一応、神様なんだよ~!」


神様…… 神様か。うん、なるほど、よく分からん。そもそも俺は就活帰りに油そばを食べてたはずでは?? …………いや、考えるだけ無駄か。目の前の子供が本当に神様なら瞬間的に転移させるなんて芸当も可能だろう。


「あ、この場所には勝手に転移させて貰ったよ!ごめんね、突然……」


やっぱりこの子が犯人でした。ですよね、ですよね、神様なんですもんね。それぐらい出来て当然ですよね。むしろ転移で良かった~ 交通事故とかで死んだわけじゃないわけだし。


「じゃ、はい! 次は君の番!」

「え?」

「いや、『え?』じゃないよ。自己紹介だよ自己紹介! 僕がしたんだから次は君の番でしょ~?」

「え、でも神様相手にならする必要なくない……ですかね? 俺のことなんてこう、能力使ったら全部分かるみたいなイメージがあるんですが……」


神様はやれやれといった風に頭を左右に振る。


「そりゃあ見る気になれば見れるけどさ、こーいうのはマナー的なもんだよ? 分かるかな~?

あ、あと敬語じゃなくていいよ~ 」


子供にマナーを指摘されるとは何とも恥ずかしい。言い分は間違いなく神様の言うことの方が当たってる分余計恥ずかしい。


「……失礼しました、雨雲 蓮です。〇〇大学で3年生を……」

「堅い堅い堅い! 敬語じゃなくていいって言ったじゃん! はい、やり直し~! 」

「……分かった。雨雲 蓮、21歳大学生だ。」

「ふむふむ…… 特技や趣味は?」


面接かよ。


「一人暮らしだから一応料理が少しできる。あとはラノベやアニメ見るのが趣味かな……?」

「おお、なら話は早い! 蓮くん、君は今の状況何となく分かるかな……?」

「多分、異世界転移的な?」

「だいっせいかーい!!」


俺が答えると白い部屋は暖色系に光り、神様は懐から出したクラッカーを鳴らした。


「いや~ 話が早いのはいいね! ちゃんと説明するとね、これから蓮くんには異世界へと行ってもらいます。といっても、その体のまんま転移するんじゃなくて、現地にいる子供の精神に融合させる感じね。最近はそっちのが流行ってるみたいだし、言葉やあっちの世界での社会常識覚えさせる手間もないから楽なんだよね」

「融合……」

「あ、大丈夫大丈夫、その子の精神を乗っ取るとかじゃないからさ。不運にも死ぬ予定だった子供に入れ替わりで入る感じ」


あーあるある、そういうラノベあるよね。

うん、ラノベ(ぜんれい)がある分うまく適応できそう。


「君はあっちの世界ではレン・アルベルトって名前になるから、覚えてね」

「あ、うん、それはいいんだが…… 神様はなんで俺を転移させるんだ? 普通こういうのって、神様の手違いで不幸にも死んだ償い……とか、魔王を倒すため……みたいな展開かと思うんだが」

「あ、そっか、それ説明してなかったね。ごめんごめん。……あ、あと僕のことはリンって呼んで?」


神様……じゃない、リンがそう言った後に空中で何かを操作すると、俺の目の前にはモニターのようなものから映像が流れ出した。


「蓮くんがこれから行く世界はモンスターもいれば魔法もある世界。君にはその世界で、生き残って(・・・・・)ほしいんだ」

「……生き残る?」

「そう。生き残って欲しい。正確に言うなら、生き残って、かつ、子孫繁栄してほしいんだ。

実はね、その世界での人間の立場ってかなり低くてさ。イリオモテヤマネコ的な感じなの」

「絶滅危惧種じゃん!?」

「そうなんだよ~ これには訳が……」


リンによると、今から転送される世界では一部の人外(バケモノ)を除き、普通の人間たちではとてもじゃないが住めない環境らしい。


どれだけ厳しい環境なのかを聞いたところ、

真っ当に戦って勝てるのは最底辺のモンスターである子ゴブリンだけとのこと。さらに、子ゴブリンとはいえ、集団で襲いかかられたら負けるらしい。


そんな世界で生き残るだなんて、はっきりいって無理ゲーである。無理無理。


「あ、あとこれはかなり重要だから覚えておいて。今から

行く世界には、目をつけられてはならないやつらもいるんだ。そいつらは《禁忌序列(タブーコード)》って呼ばれててね。彼らはその気になれば星ごとぶっ壊せるほどの化け物ばかりさ。目をつけられたらどうなるかなんて想像するの難くないだろ?」

「星ごとって…… 待って、待ってくれ。そんな化け物ばかりのところに行って、お前は俺が生き残れると本当に思ってんのか? 言っとくが、俺は平々凡々な男だぞ?」

「まぁそうだね~ 正直、厳しいかな…… 実はさ、異世界転移(こーいうの)、蓮くんが初めてじゃないんだよ……」


リン曰く、今までも何十人も挑戦しているらしいのだが、悉く失敗したらしい。中には使い方によってはチートになりえるスキルを与えたものもいたのだが、真価を発揮する前に消されたり、相手のスキルの方がチートだったりして成果が振るわなかったとのこと。


「1人だけ、今も生き残ってるセナっていう女の子がいるんだ。あっちの世界じゃ、数少ない人間の生き残り達から、【最後の希望】【勇者】だなんて言われてるよ!……あっ! その子と子孫繁栄したらいいんじゃない? 容姿も性格も僕が保証するよ?」

「あの、リン? 何をいきなり口走ってんだよ。そもそもまずは俺が生き残れるかどうかだろ?」

「むう、それもそうか…… でも安心して! 今回は自信作だよ!」


そういうと、リンは両手を俺の方に突き出し、力を込め始めた。リンの手元には次第に金と銀の光の粒子が集まり、拳ほどの大きさの光球を3つ形成する。


「僕からあげれるスキルは最大3つだからこれくらいしかあげれないけど…… 必ず役に立つから!」


リンの手元の光球の1つが俺の方へと直進すると、俺の胸の中へと入る。


「1つ目が【敵意感知】だよ。最初は近くの敵だけしか感知できないけど、そのうち遠くの敵も感知できるようになるよ」


まぁ、感知できたとして逃げれるかは怪しいんだけどね……とリンがボヤいたのは聞かなかったことにしよう。


「さて次は……」


リンの手元の光球の1つがまた俺の胸の中へと入る。


「2つ目は【隠蔽】だよ。本当は小物とかの認識を阻害するスキルなんだけど、一定時間なら自分自身も隠すことができるんだよ! 」

「おお! ちなみに一定時間ってどれくらい?」

「初めのうちは1分が限度かな…… あ、あと一定以上の強さのヤツらは隠蔽を看破してくるかも……」


その世界、どんだけきついんだよ。スキル貰えても生き残れる自信が無い。


俺の微妙そうにしてる視線に気づいたのか、リンは慌てて残る最後のひとつのスキルを俺に押し付ける。


「ま、まぁまぁまぁ! 最後のひとつ、【不死鳥】は凄いよ! なんたって、死んでも生き返る事ができるんだ!」

「えっ、それは凄い! ほんとか?」

「うんホントだよ! 僕の力を結集した結果、なんと4回までなら生き返れるんだ! 凄いでしょ! 褒めて褒めて!」


純粋に生き返れるのは強いと思う。目的が生存なら尚更だ。


「……あ、でも《禁忌序列(タブーコード)》にだけは遭遇しちゃダメだよ? 彼らの中には、スキル無効してくるようなやつもいるから」


うん、絶対戦わない。死にたくない。

異世界転移なんだ、チーレム作ってやるまで

俺は死ねん。


「てか、なんで攻撃系のスキルじゃなくて、隠密系?のスキルばっかりなんだ?」

「いや~ 攻撃系のスキルなんか上げても、結局死んでった者達をみてるからね…… 戦わないで逃げた方勝ちなのさ」

「……そっか、ありがとう」


その後、新しい世界についての常識や、スキルの使用方法などの説明を一通りしてもらった。


「そんな訳で、そろそろ転移させてもいいかな? この空間維持するのも結構疲れるんだ~」

「お、おう。分かった。やるだけやってみる」

「……僕が言うのもあれだけど、やけに落ち着いてるね? 今まで転移させてきた人達は大抵恐れ戦いて、僕のことを悪魔を見るような目で睨む人達ばかりだったよ?」

「それは言い過ぎじゃない?」

「いやいや、僕がやってることって、客観的見るといきなり拉致った後に死地に強制的に赴かせてる訳だからね。結構な悪人だと思うけど」


むむむ、そう言われると確かにそうだけど……

なんだろ、地球での暮らしにさほど未練があった訳じゃないしなぁ……


「うーん、地球に未練がほぼないからってのが大きいかな? 生きてたけど、死んでるようなもんだったし。自慢じゃないが、死にたいと思った時もあったぞ」

「なるほど…… そっか。こんなこと言うのもあれだけど、あっちの世界では充実した生活をしてくれる事を、心から願うよ」


リンはニコッと笑うと、淡い光が俺をつつみ出す。


「さぁ! これから先のことは君に託そう! 絶滅に瀕した人類を救うため、雨雲 連……いや、レン・アルベルトよ!第13の女神 リン・レピオスの恵みを糧とし、生き残って見せよ!

―――それでは、良い旅を」


途中で飽きたらごめんね

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