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僕は世の中にとって不要な人間だ。
ついそんなふうに考えてしまう。
大勢の人がいる中で、自分ばかりがポツンと寂しく孤立している状態であれば、なおのことそういった思いは強くなる。
もともと人間なんてちっぽけなものではある。
それでも、自分の存在をしっかりと主張できて輝いている人を見ると、うらやましく、そして妬ましい気持ちが溢れてくる。
みんな、いなくなってしまえばいいのに。
この世のすべてが、消えてなくなってしまえばいいのに。
負の感情に囚われると、暗黒の思念が容赦なく頭の中で渦を巻く。
そしてその思念は、世界全体から自分自身へと、ターゲットを変える。
逆だ。
この世のすべてが消えてなくなるんじゃなくて、僕自身が消えてなくなればいい。
僕自身が消えてなくなる。
イコール。
自殺。
…………。
自ら命を絶つ。
そんな度胸が、僕にあるはずもない。
もしあるのなら、ひとりでうじうじ悩んだりせず、状況を打開する方向へと、問題なく進んでいけるだろう。
そうでないからこそ、こうなっている。
そうでないからこそ、諦めている。
諦めきった僕は今日もまた、つまらない日常へと足を踏み入れる。
結局、なにも変わりはしないのだ。




