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リリアル・ガーデン  作者: 沙φ亜竜
プロローグ
1/26

-☆-

 僕は世の中にとって不要な人間だ。

 ついそんなふうに考えてしまう。


 大勢の人がいる中で、自分ばかりがポツンと寂しく孤立している状態であれば、なおのことそういった思いは強くなる。

 もともと人間なんてちっぽけなものではある。

 それでも、自分の存在をしっかりと主張できて輝いている人を見ると、うらやましく、そして妬ましい気持ちが溢れてくる。


 みんな、いなくなってしまえばいいのに。

 この世のすべてが、消えてなくなってしまえばいいのに。


 負の感情に囚われると、暗黒の思念が容赦なく頭の中で渦を巻く。

 そしてその思念は、世界全体から自分自身へと、ターゲットを変える。


 逆だ。

 この世のすべてが消えてなくなるんじゃなくて、僕自身が消えてなくなればいい。


 僕自身が消えてなくなる。

 イコール。

 自殺。


 …………。


 自ら命を絶つ。

 そんな度胸が、僕にあるはずもない。


 もしあるのなら、ひとりでうじうじ悩んだりせず、状況を打開する方向へと、問題なく進んでいけるだろう。

 そうでないからこそ、こうなっている。

 そうでないからこそ、諦めている。


 諦めきった僕は今日もまた、つまらない日常へと足を踏み入れる。

 結局、なにも変わりはしないのだ。


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