首飾りの侍女
紅の英雄の遺体が部屋に横たわっていた。
かつて贅沢と過剰、そして傲慢に包まれていた彼の体は、今や椅子に倒れ込んだ、ただの動かない塊と化していた。頭は力なく垂れ下がり、肌は生気を失い、口はわずかに開いていた。生前の喧騒、権力、そして虐待は、完全な静寂の中で終わりを告げた。
主人公は彼をしばらく見つめた。
彼の目には誇りはなかった。
安堵も。
喜びも。
ただ、任務が完了するという冷徹な確信だけがあった。
数歩離れたところに、セラフィーヌが背筋を伸ばして立っていた。
首飾りはまだ彼女の首を飾っていた。
彼女はそれを外していなかった。
外すつもりもなかった。
暗い金属に刻まれたルーンは、かすかに、しかし一定の光を放っていた。まるで、その遺物が異星人の意志のリズムに合わせて呼吸しているかのようだった。彼の首に巻かれた指輪は、一見すると重そうには見えなかったが、紛れもない存在感を放っていた。それは装飾品でもなければ、未来の脅威でもなかった。
それは、今まさに目の前に迫っている現実だった。
セラフィーヌはそれに触れようとはしなかった。
動かそうともしなかった。
先に口を開こうともしなかった。
彼女は待った。
主人公は彼女の方を向いた。
彼女は一瞬、ネックレスに視線を落とし、それがまだそこにあるか確認するかのように、それから再び巫女の顔に視線を戻した。
「よく見てごらん。」
セラフィーヌはすぐに従った。
彼女の視線はヴァルドの生気のない体に注がれた。ためらいはなかった。目をそらすこともなかった。まるで、今となってはどんな不必要な反応も無意味だと知っているかのように、完璧な規律でそれを抱きしめた。
主人公は静かに言った。
「あれが、お前が仕えていた男だ。」
セラフィーヌは軽く頭を下げた。
「はい。」
答えは明白だった。従順で、無防備だった。
主人公は彼女を数秒間観察した。
「それが何であるかを知っていながら、あなたは彼のそばにいた。」
「はい。」
彼女の声に震えはなかった。
言い訳はなかった。
セラフィーヌは、もはや恥や否定に隠れても無駄だと考える者の、従順で明瞭な口調で話した。彼女の顔には奇妙な静けさが漂っていた。それは平和からではなく、今や彼女の行動を支配する完全な服従から生まれたものだった。
主人公は彼女に一歩近づいた。
「あなたは無実ではなかった。」
「分かっています。」セラフィーヌはためらうことなく答えた。
主人公は手を上げ、二本の指で襟の縁に触れた。
セラフィーヌの体はわずかに硬直した。まるでそのわずかな接触でさえ、彼女が今どこに属しているのかを思い出させるのに十分であるかのように、アーティファクトの反射反応だった。
主人公は低く、毅然とした声で言った。
「脱ぐつもりはないわ。」
セラフィーヌは驚いた様子を見せなかった。
ただ、敬意を込めて一瞬視線を落とした。
「はい、奥様。」
その後に続く沈黙は短く、重く、そして決定的なものだった。
主人公は彼女の呼び方を訂正しなかった。
微笑んで賛同を示すこともなかった。
まるでその夜からそれが当然の成り行きであるかのように、ただ受け入れた。
「私と一緒にいる時はいつでも、それを着ていなさい。」と彼女は言った。
「はい、奥様。」
「私の命令には遅滞なく従いなさい。」
「はい、奥様。」
「嘘をついてはいけない。」
「私に情報を隠してはいけない。」
「私を裏切ってはいけない。」
「そして、私の許可なく、自分の判断で行動してはいけない。」
セラフィーヌは頭を下げたままだった。
「承知いたしました、奥様。」
主人公は彼女を注意深く観察した。
反抗の気配はなかった。
反抗の痕跡はどこにも見当たらなかった。
あからさまな抵抗もなかった。
巫女は、まるでネックレスが彼女の内なる葛藤をすべて吸収し、それを機能的な服従という直線へと変えたかのように、完璧に規律正しい召使いのようにそこに立っていた。
主人公はネックレスから手を離した。
「ここで死ぬのは簡単だっただろう。」
セラフィーヌは、もう少し注意深く聞くために、かろうじて目を上げた。
「だが、お前にはそんな安易な道を選ぶ資格はない。」
「はい、奥様。」
返事は、相変わらず完璧な従順さで返ってきた。
主人公は、死んだ英雄の遺体を後に残し、パーティーの空き瓶やグラスがまだ残っているテーブルへとゆっくりと歩み寄った。屋敷は、犯罪発生から発覚までの短い時間の間、静寂に包まれていた。
「お前は生き続けるのだ」主人公は振り返らずにそう言った。
「私の後ろを歩くのだ。」
「私に仕えるのだ。」
「そして、私を助けなさい。」
セラフィーヌはためらうことなく答えた。
「ご主人様にお仕えできるのは光栄です。」
主人公は言葉を止めた。
その場に喜びはなかった。
甘さも、
温かさも、
ただ、秩序だった闇だけがあった。
主人公はセラフィーヌの方を振り返った。
「臆病さがあったところに名誉など口にするな。」
セラフィーヌはさらに頭を下げた。
「はい、ご主人様。言葉を訂正いたします。」
主人公は近づき、セラフィーヌの前に立った。
「今から、お前は私の奴隷だ。」
「はい、ご主人様。」
「そして、私の助手にもなるのだ。」
「はい、ご主人様。」
「お前の魔法を使う。」
「お前の知識を使う。」
「教会、英雄たち、そして彼らの秘密へのあなたのアクセス権を利用するわ。」
セラフィーヌは毅然とした態度を崩さなかった。
「私の持ち物はすべてあなたのものです、奥様。」
主人公は黙って彼女を見つめた。
そして、より明確な言葉で語り始めた。
「私が命じれば、私の傷を癒すのだ。」
「私が必要とすれば、罠、祝福、呪い、そして障壁を見抜くのだ。」
「私が指示する場所に入るのだ。」
「私が指定した人物と話すのだ。」
「そして、呼び出すのだ。」
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