介入を決意した者
警告は遅れて届いた。
しかし、それは問題ではなかった。
帝国の辺境にある要塞で、容赦なく風が城壁を打ちつける中、一人の男が地平線を見つめていた。
誓いの英雄。
彼は過剰な行動で知られていたわけではない。
残虐さで恐れられていたわけでもない。
派手な振る舞いで崇拝されていたわけでもない。
彼が知られていたのはただ一つ、
約束を守ることだけだった。
彼の手には…
帝国の警告書が握られていた。
「二人の死者…」彼は呟いた。
彼は微笑まなかった。
彼は驚かなかった。
ただ…考えていた。
「クリムゾン…」
沈黙。
「そして、ガレス・ソルレンも。」
彼の目はわずかに険しくなった。
「彼らは無実ではなかった。」
沈黙。
「だが、あいつらも完全なクズというわけではなかった。」
風がさらに強く吹いた。
「これは正義ではない。」
彼は書類を折りたたんだ。
「これは選別だ。」
傍らにいた騎士が口を開いた。
「組織だと思いますか?」
英雄は首を横に振った。
「いや。」
沈黙。
「誰が生き、誰が死ぬかを決めるのは、誰かだ。」
沈黙。
「そんなことは許されない。」
騎士はためらった。
「では…彼女を探すのか?」
英雄は顔を上げた。
毅然とした態度で。
「ああ。」
沈黙。
「彼女が罪のない人を殺す前に。」
彼の声には憎しみはなかった。
それが彼をより危険な存在にした。
「逃げない。」
沈黙。
「待つか。」一歩前進。
「彼女を見つける。」
騎士は視線を落とした。
「もし彼女がもっと強かったら?」
勇者はためらわなかった。
「ならば確かめてやる。」
彼は振り返った。
「馬を用意しろ。」
そして、何も言わずに…
彼らは行進を始めた。
一方…
刹那は歩いていた。
いつものように。
しかし今回は…
空気が違っていた。
ミラはそれを感じ取った。
「奴らが私たちを追っている。」
刹那は立ち止まらなかった。
「いいえ。」
沈黙。
「奴らは私たちを探している。」
レナは唾を飲み込んだ。
「誰が?」
刹那は冷静に答えた。
「自分が正しいと信じている者だ。」
ミラは声を潜めた。
「それはもっと悪い。」
「ええ。」
静寂。
セツナは目を細めた。
――奴らは逃げない。
風が吹いた。
そして今度こそ…
狩りは静かには終わらないだろう。
その名
帝国の記録にはこう記されている。
「誓いの英雄」
しかし道中では…
彼は別の名で呼ばれていた。
アルヴェン・ハルクロス。
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