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第20話 おだ君「屯営、頓狂、鈍磨」
「ある日、高校生のグループがいたのだが、そのうちの一人が頓狂な事を言い出した。
『近所の山に、戦国時代の屯営があった場所があるんだが、そこで幽霊を見た』と。
暇つぶしに、グループは夜にその山に行ったんだよ。
幽霊を見た男を先頭に、山の奥のその場所。兵士の詰め所跡とかいうが何もない、ただの野原なんだが。その場所に辿り着いた。
すると案内していた男が、その野原から一本の刀を拾い上げたんだよ。
それはすり減った切れ味の鈍そうな、鈍磨した刀だった。
男は突然、奇声を上げてグループ内の男達に斬りかかった。
切れ味が無いから、殴りかかったというべきか?
そしてグループは悲鳴を上げてバラバラに逃げた。しかし最初に殴りかかられた一人は死亡した。
後に警察が行くと、刀を持っていた男は自ら刀で自害していた。
実はその刀。幽霊を見たと言う男の実家にあったのを、わざわざ持ち出した物だった。
もっといえば、自殺した男は殺した男に彼女を取られてたんだ。
つまり幽霊は嘘っぱちで、本当は痴情のもつれによる殺人だったのさ。
でもおかしい事に、自害した男は腹を切ってたんだが、なぜか首を切られて介錯されていた。誰がやったかは警察が調査しても、未だに分からないらしい。」




