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第19話 えだ君「天真、田紳、天成」
「ある田舎の村に二人の男がいた。
一人は紳士ぶっているが垢抜けない田紳な男。
彼は自然風景を嫌い、都会に憧れていた。
もう一人は飾らない自然体、天真な男だった。
彼は自然を好み、自然に出来上がる天成の物を好んだ。
二人は真逆の性格だったが友人だった。
いや、普通の友人と言えるような関係では無かったが。
なにせ互いの失敗を心待ちにしていたからだ。
偽紳士は田舎者が失敗する事を、自然体の男は都会に憧れていたが故の滑稽な失敗を見たくて仕方なかった。
しかし長い間、互いに失敗しない日が続いた。
そうすると我慢できなくなって、互いに行動に出た。
偽紳士は金を溜めて買った車が、誰かの悪戯で故障していて事故を起こして、死んだ。
自然体の男は毎日散歩していた山道が、誰かに手を入れられたせいで道が崩れて、落下して死んだ。
同じ日に死んだのさ。
こう聞くとお互いが相手の邪魔をして死なせたように聞こえるだろう?
しかし実情は違う。だって二人は友人だったから殺したいわけじゃなかった。
じゃあ何で死んだ?
二人の無様を見て楽しんでいた人がいたんだよ。そして同じ日に無様に死ぬのが見たくて仕方ない人が他にいたんだよ。
誰かって? 他の村人全員だよ。」




