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66 過去と未来と

それにしても昨夜のサニアの誘い方は自然でスマートでよかったよなぁ。と僕は思い出す。

最初にサニアとペアになってあれをやってくれていたら、僕はそれを真似して今までの、ペアになった女の子とそういう雰囲気に持っていくにはどうしたらいいか?なんて苦労はなかったかも。

まあ基本的にはほとんどの女の子は1000万コイン狙いだったから言うほど苦労はしていないけど。

ああでもそしたらアウラの最初のペアはほかの誰かで、それであの妊娠騒ぎが起きていたらどうなってたんだろう?

とは言うものの、その相手が多少強引にでも最初からアウラとそういうことをしていたら、子供はそのペアの子供だとみんな信じて、それで結局流産したとしたら、僕じゃなくてそいつが女の子にモテモテになっただけで、今とそんなに変わらないのか。

はあ、過去のことは考えてもしょうがないな。それよりこれからのことだ。


夜、僕はコテージでサニアに、故郷の惑星に帰ったら専門学校に行きたいと思っているという話をした。

エリナのことは、エリナと話してからじゃないとどうしようもないと思ったので黙っていたけど。


それを聞いたサニアは意外なことを言い出した。

受験勉強はしてる?

一応専門学校に行くには入学試験と言う物があるのは知っていたけど。

「えっと、そんなに難しいの?」

ジェイミィは普通の中流階級の人が行く高校に行ってたのよね?

「うん」

そこでどれぐらいの成績だった?

「えーっと、真ん中よりちょっと上」

そっかー。

サニアがため息のようにそう言うから僕は不安になった。

専門学校にも競争率が高いところとそうじゃないところがあるから。医療系とかは人気があるしね。

「じゃあ歴史か生物の先生になるための学校は難しい方なの?」と聞いてみた。

そうねぇ、教師は女性に人気があるわね。子供を1人か2人生むためには3年半から最長7年の休職期間が必要だし、教師はそういう休職期間があっても不利益が少ないとされているから。


でね、中学や高校でのテストは教科書に載っている事をどれだけ理解して覚えているかを見るためのものだから問題が素直なの。でも入試はある意味落とすためのテストだから問題がひねくれていることが多くて、技術者階級や上流階級の人が行く高校ではそういう問題の対処方法も教えてくれるけど。


なんてこった。

技術者階級や上流階級は大変だとは聞いていたけど、それは責任の重さの問題だと思っていた。学校に行くところから大変だったんだ。


「その受験勉強をすれば僕でも大丈夫かな?」

まあそういう問題にはパターンがあるからその対処を覚えれば大丈夫なんじゃない?

そう言いながらサニアはTVのリモコンにもなっているタブレット端末を手にとってライブラリに接続すると僕に差し出した。

過去の入試問題とかは公開されているからここで勉強すればいいわ。


「うん。わからなかったら教えてくれる?」

もちろんよ。


というわけで、僕は受験勉強をすることになった。

最後のペアがサニアでよかった。

まあ、甘い語らいの時間とかはなくなってしまったけど。

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