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暗号
本にはいろいろなことが書かれていた。
だが、中には暗号で書かれたところもあって、解読する必要がありそうだ。
「数字や英小文字ばかり書かれているな。それに、これを取って来いというところのようだ」
本の1ページ目に、3つの宝の話が書かれていた。
それをとってきて、寮に帰ってくるようにということらしい。
「暗号だったら、私得意だよ」
川西が俺から本を受け取ると、すぐに何か考えだした。
川西が考えている間に、俺たちはどうすればいいのかを考えていた。
「あの本にすべてが詰まっているんだろうね」
騨雀が、川西の方を向いて話した。
「そうじゃないと、ご飯もないから、飢えちゃうわよ」
井崎が俺たちに言った。
確かに、足首と手首にGPSをつけている以外には、あの本ぐらいしか頼るものがない。
「助けを求めるとしても、どうやってすればいいかわからないものね」
井崎が続ける。
「とりあえずは、先に3つの宝なるものを探すのが先だろうな。そうじゃないと、寮に帰れない」
俺が言った時、ちょうど川西が笑顔になって言い放った。
「解けたよ」
その言葉で、俺たちは川西の周りに集まった。




