第一話 「お前はもう必要ない」? ああ、そうかよ!
「リディア! お前をこのパーティから追放する!」
冒険者ギルドに、男の怒声が響き渡った。
声の主は、冒険者パーティ『紅蓮の牙』のリーダー、ガルド。
その前に立つのは、銀髪を後ろで束ね、腰に長剣を差した女剣士、リディア・エヴァンスだった。
リディアは腕を組み、面倒くさそうにガルドを見た。
「……で? 理由は?」
「お前は剣士のくせに、魔術だの回復術だの、余計なことばかりしている! 剣一本で勝負できない奴なんて、俺たちには必要ないんだよ!」
隣にいた魔術師も、ニヤニヤと笑った。
「そうそう。お前がいると、俺たちの活躍が目立たないんだよな」
「へえ」
リディアは片眉を上げた。
「つまり、お前らは自分の手柄が減るのが気に入らねえってわけか?」
「なっ……! 何を言っている!」
「別に。今までお前らが魔物に囲まれたとき、誰が助けてやったと思ってんだ? 誰が傷を治して、誰が魔術で援護してた?」
「そ、それは……」
「まあ、いいや」
リディアは肩をすくめた。
「追放したいなら好きにしろよ。世話になったな」
あまりにあっさりした返事に、ガルドは拍子抜けした顔をした。
「お、おい! 後悔しても知らんぞ!」
「ははっ! そりゃこっちの台詞だろ」
リディアは背中の荷物を担ぎ直し、ギルドの扉へ向かった。
「じゃあな。せいぜい頑張れよ。……自分たちの力でな」
扉が閉まる。
その瞬間、リディアは大きく伸びをした。
「っはー! やっと自由になったぜ!」
もう、誰かの手柄のために戦う必要はない。
これからは自分の好きなように冒険できる。
「さて、と。どこへ行くかねえ」
彼女はニッと笑った。
「ま、なんとかなるだろ!」
このとき、彼女を追い出した者たちは知らなかった。
自分たちがどれほど大切な存在を手放したのかを。
男勝りな女剣士の物語を書いてみたくて書いたのです。
強くてカッコイイ女性に憧れます(個人的感想)




