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ノエルの家 騎士団おじゃまします

夜の住宅街には「似合わない紋章」の軍団が通りを歩く

王都騎士団分隊――通称【影】と言われる特殊部隊だ


「目標物件確認 住人不在の模様」

先行していた騎士が報告する

「玄関扉には木の板で封がされ郵便箱も空です」

しかし、この家に【闇ギルドの証拠】が残されているはずだ

「突入開始」

王国権限鍵マスターキーの魔術作用により、木の板が音も無く剥がれる


一斉に騎士が部屋に踏み込んだ

内部はすでに誰の気配も無い わずかに残された生活の痕跡が、直前まで人が暮らしていた雰囲気を残している

「魔力反応あり……床下に痕跡、何かを封じている」

床板を外すと1冊の帳簿『楽しい家計簿』中を開くと真っ白だ

「消去済み ページに微細な魔力の揺らぎ、復元は可能かと」

「疑わしい物は全て証拠として持ち帰る」

騎士たちは黙々と作業を続けた


誰かが密告した事で調査が入っている

しかし、その誰かは騎士団達でさえ知らない


――


ロゼッタが遠視を止めてマスターと向き直る

「動きましたね国の犬たち」

マスターは机で腕を組んで考え込んでいた

「情報が漏れていたのは確かだ」

「でも【誰か】まではスパイ筋でも分かりません」

沈黙が流れる


「それでノエルちゃんには?」

「知らせるつもりはない 知って何になる」

マスターの答えは予想通りだった

「あの子はまだ正しさを信じてる それを壊すのは今じゃない」


後ろに立っていたシルが静かに口を開いた

「ノエルさんが狙われてたって話、マスターはずいぶん前から把握してたようですが?」

「お前じゃないのか?」

マスターの声は、冗談にしては冷たすぎた

シルの顔から表情が消える

「それ冗談で済ませていい話じゃないです」

マスターは目を逸らさず言った

「お前の背後にあるものはお前だけでは無い 命を拾った意味も良く考えるんだな」


ロゼッタが立ち上がり話しを終わらそうとする

「内輪揉めしてる場合じゃない シルがどれだけ想ってるか一目で分かるでしょ」

マスターは何も言わず視線をそむけ会話は終わった

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