赤の組織
「なんだあれ...」
街から離れてすぐのところに全体的に赤く塗装してある建物が見えてきた。そこが目的地だったのがヘリはゆっくりその屋上へと降り立つ体制に入った。
剣持は十分な高さになってから屋上に降り立った。
「・・・」
先に地面に降り立ったところでヘリの中には被害者の人も乗ってるから直接攻撃できることはまずできない、しかし敵も大胆に「空中でヘリから降りるぜ!」みたいなワイルドなタイプでもなかったのであまりにもきまずい時間が流れた。
しっかりヘリが着地するのを黙って見守りながら中から降りてくるのを待っていると...
「こいつホントにうるさーーい!!」
そう叫びながら逃げるようにバタバタ出てきた三人の女たちと一人の縄で体を縛られた被害者がブツブツ呟きながら降りてきた。
「やっぱりあなた達、わたしをこんなところに連れてきて絶対あんな事してそんな事するんでしょ?それからそれから...」
一生独り言が止まらないのを見かねた三人の女たちは大きくため息つきながらその子の口にガムテープを張り付けた。そして何かを思い出したかのように急にお互いに耳打ちし合うと剣持の前にバッと飛び出してきた。
「どうも初めまして!ボクこそが天才使い魔の魔使マオである」
「そして私が大怪盗のルイス・キャミ―!」
「最後にこのボク、魔王のえま★おうがすとであーる」
「「「三人揃って赤の組織でーす」」」
言い終わったと同時に決めポーズを決めたと思ったらそのままワイワイ騒ぎ始めた三人。
あまりにもコメディな光景に目が点になる剣持だったが脳内の伏見に頭を叩かれ正気に戻った。
「いやいやいや、そんなことはどうでもいいから一旦その子を離してくれます?」
全く犯罪を行っている雰囲気ではない三人組に剣持がさっさと事を済まそうと直球な話題を振るも、
「ダメでーす!これは私たちが任された任務なので絶対渡しませーん」
魔使がベーと舌を突き出して言い放った。
――任された任務、裏に何かがいるのか?まさか...
剣持は魔使の言葉からそんなことを考えていると足元にトランプが突き刺さった。
驚いた剣持は後ろに大きくジャンプしながら背負っていた竹刀を取り出した。
「残念だけど私たちの邪魔をするなら消えてもらうよ!」
「やっぱりそのルイスの怪盗キ〇ドもどき銃いつ見てもかっこいいね~」
「それ言うな!」
またわちゃわちゃ騒ぎだした三人を剣持は少し離れた場所から観察する。
――ルイスってやつは武器を持っているっぽいけど他の二人は持っていない…どう考えても何かしらの能力を持ってるな。
よし、と剣持は竹刀を握り直して三人の方を向き直すとそのまま突進した。
わちゃわちゃしていた三人も剣持の突進に気づくとそれぞれ迎撃態勢を取り始めた。
「させないよ!」
そう言うと構えていた魔使が口から何かを地面に吐き出した。
剣持は足を止めてその液体をよけて通ろうとした瞬間――。
「ルイス、今!」
「分かってる!」
その掛け声とともにルイスがその液体に向かってトランプ銃を撃つとみるみる内にその液体が燃え上がった。
――油か?じゃああの魔使とかいうやつの能力っぽいが…まじでなんでもありだな能力ってやつは。
剣持が燃える地面に気を取られていると、
「よーし、今のうちだー!」
そう言って三人は縄で縛られた被害者を抱えながら建物に入っていった。
「待て!」
剣持も燃えている地面を飛び越えて三人の後を追って建物に入っていった。




