仲違いする生徒会 ーー田中幸子視点
「⋯⋯だから、その考えが気に入らないって言ってるだろ!」
「ふん、青二歳なんだから。 だからアンタはいつまで経っても、黒幕会長の掌なのよ」
「なんだと? どう言うことだ!」
「そのままの意味だけど?」
放課後の生徒会室に二人の罵声が響く。 声の主たちは、今にもお互いに掴み掛かりそうだった。
私は二人の間に割り込み、仲裁をする。
「どうどう、落ちつけ二人とも。 そんなに熱くなるな」
「黙ってなさい。 アンタは、私たちの作業のことを、無駄扱いしたのよ! その頭には知能が詰まっているのかしら?」
「お前たちこそ、おかしいだろ! そんなやり方、認める訳にはいかない」
「⋯⋯はあ。 アンタね、まだ社会に夢を見ているの? 世の中はね、白黒だけじゃ成り立たないの。 法律なんて気にしていたら、なにも出来ないわよ」
喧嘩している一方の女性、榊原結衣がそう言う。 すると、もう一方の相手である柳田健太は、私たちを睨む。
「⋯⋯これは認められない。 俺たちはまだ学生だ⋯⋯夢を見たっていいじゃないか! そうだろ」
以前として、睨み合う二人。 私はどうにか、折衷案を出そうと試みる。
「⋯⋯えっと。 健太は、疚しいことのない文化祭にしたいと言うことで合っていますか?」
「その通りだ。 俺たちは、誇れる成果を残し、来年以降の開催実行に移らなければならないんだ。 ⋯⋯それなのにお前たちは、一時の損得で禁忌を犯そうとしている」
「だから、バレなきゃいいじゃん。 アンタさえ黙認していれば、誰にもバレないんだからさ。 みんなもハッピー、私たちもハッピー。 ⋯⋯まさにウインウインって訳、わかる?」
もう、ゆいゆいは煽らないで。 健太の目が血走ってるから。
「健太。⋯⋯例えば、なんの方策が問題ですかね?」
「そんなの言わなくてもわかるだろ! 文化祭の運営を外部に丸投げするなんて行為なんてな」
「私たちは今忙しいの。 文化祭の些事なんて、勝手にやらせればいいじゃない」
「ふざけるな! これは、理想学園の文化祭だぞ。黒幕の部下たちの催しじゃねーんだよ」
「でたでた、アンチ発言。 アンタはただ、アイツのことが嫌いなだけでしょう。 やめてよね、そんな見栄っ張りのために、私たちに迷惑をかけるの」
やめて、二人とも落ちついて! 誰か助けてーー
「ただいま!」
「ただいまですわ」
「救世主だ!」
私はやって来た、救世主に駆け寄った。
「サッチー? どうしたんですか?」
「助けて⋯⋯」
私は、喧嘩中の二人の方を指す。 すると、彼女はニッコリした顔で二人に近づいた。
「二人とも。 聴いてくださいよ、ミウミウったら面白くて⋯⋯」
「み、瑞稀! やめるのだわ~」
「えー。 どうしようかな?」
戯れ合う救世主たちは、睨まれていることに気づかない。
「⋯⋯アンタたち、面白そうね⋯⋯」
「お前。 ちょうどいい、正義について語ろうぜ」
嗚呼ーー
その時、私は気づいた、私自身がなんとかしないと駄目だと言うことに。




