文化祭方針会議
放課後、文化祭の関係者たちは会議室に集まっていた。
初めての文化祭会議である。
前の席に座っているのは、私たち生徒会委員と、文化祭実行委員長と副委員長である。
私はみんなが揃ったのを確認した後、席を立つ。 全員の視線が私に集中していた。
「みなさん。 ただいまから、文化祭方針会議を行います」
「方針? 既に決まっていたはずでは?」
とある女子生徒の声が響く、そのことに一番驚いたのは、声を出した彼女だろうか? 私は彼女を睨みつけた。
「はわわ⋯⋯私はただ事実を言っただけです。 方針は生徒会で決めたって言ってたから⋯⋯」
「⋯⋯そうですか。 私が余暇をとっている間にそのような事態に⋯⋯」
私は生徒会員の四人を睨みつけます。
「わーなんのことですわー。 し、知らないですわよー」
ちょっとミウミウ。 演技下手くそすぎ!
「え、ゴホン。 今回は私たちの判断できかねる事態が、発生したため、みなさんに共有と判断をいただきたく⋯⋯」
「そうだったんですね、お疲れ様です。 ⋯⋯それでは川端ことね様を讃える文化祭にどのような問題があるか⋯⋯お聞かせください」
この文化委員の人ーー ことね姫様の信者が入り込んでいるよ。
「では、説明を行います。 ⋯⋯お二人方、よろしくお願いします」
私がそう言うと、柳田庶務と榊原会計が前に出た。 前に出るなり、二人はお互いに睨み合っている。
「なあ、文化祭ってのは学生⋯⋯つまり俺たちの祭だよな? 当然、管理も俺たちがするべきだ。 ⋯⋯そうだろう?」
先制を切ったのは柳田庶務。 彼は、みんなに感情で訴える。
「⋯⋯それなのに、コイツは庶務と手を組んで⋯⋯あろうことか、文化祭を外部の委託にしよってんだ! おかしいだろ?」
これは既に勝負が決まったかも? そう思っていると、榊原会計が口を開こうとしたーー
私は本能的に彼女の側に行く。 あ、はいはい。
「⋯⋯倉石。 なにやってんだ?」
「榊原様からのお言葉です。 なぜ管理を私たちがしないといけないって決めつけるのか、わからない。 私たちはその時間を使って、文化祭でやりたいことをする。 ⋯⋯素晴らしい考えですね」
「ああ?」
「ひぃ⋯⋯と言うことで、みなさんにはどちらがいいですか?」
私は、集まった関係者の顔色を伺う。 そんな中、彩乃が手を挙げる。
「⋯⋯委託って、私たちにどんなメリットがあるの?」
「その回答は、私が答えよう!」
全員が声のした方を向くと、ドヤ顔の田中書記が、プリント用紙の束を持って佇んでいた。
彼女はプリントを配っていく。 そこには真面目な文章が並んでいた。
「皆の者、その用紙をしかとご覧あれ」
私もその用紙を確認する。 そこには、文化祭を委託するか、しないかのメリットとデメリットが書かれていた。 田中書記はどうやら、中立的な立場のようだ。
榊原会計が苛立ちの表情を浮かべている。 味方に裏切られた気分のようである。 通訳としては、リアクションに困ってしまう。
「えっえっと。 この文化祭の体育館で行われる予定の、川端ことねフェアと言うのは?」
「お目が高いですね、この地の神子である姫様の歴史を展示するんですよ。 なんと既に川端雫様から、承認いただいておりまして⋯⋯」
「ああ、なんて素晴らしいんでしょう⋯⋯」
一人落ちたねこれ。 続けて彩乃が手を挙げる。
「この、ファンタジー舞台劇と言うのは、どんなものなの?」
「榊原様曰く、理想学園オリジナルの舞台劇⋯⋯だそうです」
「へえ、面白そうじゃない」
続けて、文化祭委員長の立川竜也が手を挙げる。
「この、芸術コンテストって言うのは⋯⋯」
「はい、こちらは毎年開催されているコンテストの主張版ですね。 既に、遠方の参加者には声掛け済みです」
「よし! 俺も頑張るぞ!」
他のみんなも完全に、催し物を楽しむ雰囲気が出来ていたーー
「おい! お前らふざけんじゃねえ!」
ーー極一部を除いては。




