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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
夏休み編

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瑞稀の秘書活動

 ーー頑張ろう! そう思っていた時もありました。


 「⋯⋯えっと、榊原さん? 私はなにをすれば?」

 「アンタはそこで、起立。 私の背中を見てなさい!」


 そう言うと、彼女はキーボードを奏でるように叩いた。


 ここは、とある大手の会社の中ーーここで彼女は公認会計士として仕事をしているようだがーー


 「アンタ、震えてるじゃない? どうしたの? お手洗いに行きたいの?」

 「ブルブル」

 

 ヤバいヤバい、ただの生徒会長が知ったらいけない秘密事項だらけだよ!


 ーーこの前、柳田健太の時の比じゃないよーー


 「⋯⋯大丈夫よ、アンタは生徒会長なんだから。 この土地の生徒会長の身分を舐めたら駄目よ。 ⋯⋯例えば、アンタの父親の仕事をなくすことなんて簡単に出来るわ。 さすがに黒幕みたいな大物はきびしいけどね⋯⋯」


 今、その名前を出さないで! ここに到着する前に会ったから! 


 「お前は⋯⋯柳田健太と一緒にいた⋯⋯」

 「⋯⋯えっと、他人の空似です」


 ーーってことがあったばかりなのに!


 「それにしても、さっきの黒幕の反応、面白かったわ。 アンタの身分を知って驚いていたわね。 例えるなら⋯⋯ただの蚊だと思っていたら、蜂だったみたいな」


 ケラケラ笑う榊原さん。 ぜんぜん面白くないよ!


 「さて。 ⋯⋯あれ? ぜんぜん緊張がほぐれてないじゃん! どうしたの? 私のトーク、面白くなかった?」

 「榊原さんのトークがブラック過ぎるんですよ⋯⋯」

 「あっそう。 事実を言ってるだけなんだけど⋯⋯ 世の中灰色ばっかりだよ。 そうじゃなきゃ、生きていけないの。 ねえ、アンタもコッチ側に足を踏み入れてしまったわね。 いらっしゃい、これで私たち一連托生だわ」


 ーーヤバイ、この人怖い。 サッチー、ミウミウ助けて!



 「⋯⋯えっと、榊原さん?」

 「⋯⋯どうしたの瑞稀?」

 「もう終わりませんか? 深夜ですよ! 明日も朝からコンサートの練習がありますから⋯⋯」

 「ふふ。 そうね。 やっと秘書の仕事をする気になった? アンタが職務放棄したんじゃないか心配だったんだけど⋯⋯杞憂のようね」


 そう言うと、榊原さんはまるで、スイッチを切ったかのように机に突っ伏した。 私は、慌てて彼女を介抱する。 


 榊原さんの体は軽かったーー


 「もしもしお母さん」

 「瑞稀! こんな遅くまで連絡もしないで⋯⋯」

 「⋯⋯ごめんなさい。 それから、今日は帰れないの⋯⋯」

 「そう、わかったわ。 ⋯⋯気をつけてね」


 これで、家の連絡はよし。 ふと、顔を上げると榊原さんと目が合う。


 「あら、悪かったわね。 いいの? 家に帰らなくて?」

 「ええ。 それよりも⋯⋯」

 「⋯⋯ああ、私? 私は心配してくれる人はいないから⋯⋯」


 どうやら、聴いてはいけないことを聴いてしまったようだ。


 気まずくなった私は、近くにあった寝具を用意する。


 しかし、一人分しかなかった。 


 榊原さんは転がるように、潜り込んだ。 そして、私を見る。


 「えっと。 私のことは気にしないでください」

 「意気地なし」


 それだけ言うと、彼女は夢の中へ向かったようだ。


 さて、これからどうしようかな?


 『瑞稀。 貴方も寝るべきです』

 「エタナ。 私だってそうしたいけど⋯⋯」

 『貴方も疲れています。 誰も見てなくても、私は見ていました。 貴方の頑張りを。 だから休んでください。 寝具がない? 問題ありません。 私は理想の神。 貴方が願えば、私はそれを叶えます』



 「⋯⋯ふう。 あれ? 体に疲労感がない。 それになんだかポカポカする?」

 『おはようございます、瑞稀。 よく眠れましたか?』

 「うん。 おかげ様で」

 「⋯⋯アンタ、独り言を呟いているの? ⋯⋯てか、眩しいわね? もう昼?」


 ーーどうやら、榊原さんもエタナのことを感知したらしい。


 「⋯⋯まだ夜明け前ですよ。 そろそろ帰りますか、着替えのスーツ持ってきますから⋯⋯」

 

 私がそう言うと、榊原さんは呆れてながら、私に言う。


 「アンタは、スーツ禁止! 見ているだけで暑くるしい」

 

 え! 私のアイデンティティがーー


 


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