瑞稀の秘書生活開始
『⋯⋯瑞稀。 起きるのです。 貴方は今日から、榊原結衣さんの事務所へ行く予定でしょう。 このままだと、遅刻してしまいます⋯⋯』
私は、眩しい光を放つ物体に起こされた。
ーーたしか、名前は、エターナル? なんだったけ?
「⋯⋯眩しいよ。 なんで私に憑いてくるのさ⋯⋯」
『瑞稀! 行きましょう。 今日はいい天気です』
おかげで、目が覚めた私は、気合いを入れる。
ゲームは、まだ禁止されたままだーー でも、今回のミッションをクリアしたら、宿題は終わりなので、もう少しの辛抱だよ。
「よし! じゃ着替えますか」
『疑問です? すでに外出には問題ない服装のようですが⋯⋯』
瑞稀は自分の格好を見る。 いつも服装だ。 まったくわかってないなこの神様はーー 私は神様を馬鹿にした。
『心外ですね⋯⋯瑞稀』
「やれやれ、えっと⋯⋯エタナさん? 私が今日からなにをするか知っていますか?」
『ええ。 起こす時に言いましたが⋯⋯』
「ふ。 でしたらわかるでしょう? ⋯⋯着替えるんですよ正装に」
54、スリーガールズの秘書をする
「おはようございます」
「おは⋯⋯えっと、倉石ちゃん。 その格好は?」
楽屋のドアを開けたら、そこにいたのは新田さんだった。 ふふ、私の正装に驚いていますね。
「倉石ちゃん。 夏だし、暑いでしょう? そんな格好しているの見たら、私まで、暑いんだけど」
「これは、私なりのポーズですので、お気遣いなく」
私は、クールに応える。 決まった! これが秘書スタイル。
そう、今の私は黒のスーツ姿で決めていた。 家を出る時、弟や母が、口をあんぐりしたり、洗濯物を取り込んでいたりしていたーー 解せんな。
「倉石。 おはよう」
「黒田さん、おはようございます。 榊原さん、おはようございます」
「榊原様は『おはよう』と言っている。 まあ、せいぜい榊原様の足手纏いにならないように努めよ」
黒田さんは、そう言うと榊原さんの顔を見た。 そして、ウンウンと頷いている? アイコンタクトをとっているのかな? しばらくして、黒田さんはこちらを見て発言する。
「榊原様が『瑞稀ちゃん。 その格好、暑くない? なんで、いつもの服装じゃないの』と言っておられる。 まったく、 倉石、榊原様に迷惑をかけるな!」
『瑞稀。 明らかに服装選びを間違えましたね』
頭の中にエタナの声がする。 間違い? ふふ、私は微笑みを浮かべた。
「⋯⋯なんだ倉石。 不気味に微笑んで⋯⋯」
「貴方達は、わかっていませんね! 私の意気込みや決意を。 私は今日、遂行な意志を持ってここにいるんです! 舐めないでください」
決まった! 私はドヤ顔で仁王立をする。
回答を聞いた三人は集まり、円陣を組んで会話を始めた。
「ねえ。 倉石ちゃん、頭でも打った?」
「えっと、瑞稀ちゃんはいつもこうだよ」
「結衣。 どうしますか、雑用ぐらいしか用意していませんが⋯⋯」
「大丈夫。 瑞稀ちゃんはちょろいから」
「ゆいっち、酷すぎ! ウケる!」
うん? 会話が終わった? 三人が真面目な顔で私を見つめてくる
「お前の覚悟は伝わった! これから榊原様からの指示を伝える。 ⋯⋯こちらの紙を見ろ」
黒田さんから紙を貰った。 紙に書かれている文章を確認した。
「お前の採用期間は今週末、理想学園の体育館で開催するライブが終わるまで! それまで、この任務を遂行しろ!」
ーーかくして、私の秘書生活が始まるのであった。




