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倉石瑞稀と100のやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
夏休み編

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ミウミウと『ことね』と姫様1 ーー櫻井美羽視点

 「私、ことね様を別荘に誘いますわ!」

 「⋯⋯美羽。 そうか、頑張れよ」


 私は、湊にことね様を別荘に誘うことを伝えました。 彼はそれを聴いて安心したように、私を激励してくれましたわ。


 湊の話しによると、今日はことね様は帰って来ないそう。 私は緊張したまま、朝を迎えることになりましたわ。


 「ただいま! 湊!」

 「おかえり⋯⋯どうだった?」

 『監視体制は整っているから、後は時が来るのを待つだけだね⋯⋯』

 「やっぱり避けられないのか⋯⋯」

 『そう。 だから、今は待つだけだよ』

 「そうか⋯⋯ところで、いつまで抱きついているつもりなんだ?」

 

 ことね様が湊に抱きつきながら会話をしています。 私にはわからない二人だけの会話。 私は戸惑いながらも、瑞稀との言葉を思い出し、ことね様に話し掛けます。


 「ことね様、お願いがございます」

 『どうしたの、美羽ちゃん? そんな真面目な顔をして』

 「一緒に、実家に来てくださいまし」

 「うん、わかったよ。 ⋯⋯どこに行けばいいの?」

 「夏は家族全員が別荘にいますので、そちらへ⋯⋯」


 私がそう伝えると、ことね様がどこか嬉しいそうな表情で私を見つめます。 その表情は見たことがなくて、私は問いかけようとしましたがーー


 「⋯⋯じゃあ、俺は留守番かな」

 『ええ! 行かないの! 私、湊と愛を深める手段を考えていたのに⋯⋯』

 「家の管理とか、連絡が必要だろ」

 『⋯⋯そんな! 毎日、連絡するから、絶対に返してね』

 「はいはい、俺がことねからの連絡を、見落す訳ないだろ⋯⋯だからいい加減、俺を開放してくれ!」


 湊と話すことね様は、普段と同じ表情に戻ったので、聴くタイミングを逃しましたわ。 でも、私はことね様と別荘へ行くと言う喜びで、心がいっぱいになりましたの。



 『湊。 私、負けないから! 行ってきます!』

 「どうした? ことね。 ⋯⋯そんな真剣な顔して」

 『絶対に私が、湊の本妻だって、美羽の親にわからせるから!』


 当日の朝、出掛けてる前に二人で話すのを見る私。


 「ことね⋯⋯。 お前絶対に誤解してるよな! 俺と美羽には何もないって⋯⋯ ただ、たまにあっていただけで」

 『頑張るね。 私⋯⋯このぬいぐるみを湊だと思って大事にするから!』

 「それを持って行くのか? 明らかに邪魔だろ」

 『湊⋯⋯私がいないからって、彩乃ちゃんたちと愛を深めすぎないでね!』

 「まったく、聞いてないな⋯⋯ 」

 

 そう言うと、ことね様は渋々というように、湊から離れて歩き始めました。 私が、湊の方を向くと、湊が私に向かってエールを送っていましたわ。 私も湊に手を振るのでした。


 「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

 「え! ことね様?」


 私がことね様に視線を戻すとーーそこにはいつもの『ことね様』ではない顔の、ことね様が私を見てました。


 「湊に手を振っていたわね」

 「え。 ⋯⋯はいそうですが⋯⋯」

 「なに? やっぱり仲がいいの? 湊のこと好きなの?」


 ことね様が私に問いかけてきますが、私は話しの内容よりも彼女の態度が気になりましたわ。 


 ーー私が今話しているのは、ことね様? なのですか?


 「⋯⋯えっと湊とは、仲の良い親戚の幼馴染ぐらいの印象しかないですわ」

 「あ、そう」


 私がそれだけ言うと、ことね様はソッポを向いてしまいましたわ。


 ーーこの状況を他人が見れば、最悪な雰囲気だと思われるかも知れませんが、私はそうは感じませんでした。


 それどころか、私がことね様の立場を知る前の、初対面の頃に戻った錯覚を覚えましたの。 不思議ですわね。


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