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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
最終章

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ひとみの極秘任務 その10

 「泳がせる」と決まった以上、アタイの任務は続行だ。


 次にやるべきことは決まってる。 ーー瑞稀の過去の調査だ。


 あの学校。 いや、あの写真のターゲットの三人組と瑞稀の間に何があったのか。 

 それがわからねぇ限り、この計画の本当の意味はわからねぇぞ?


 そこでアタイは、ファンクラブの部下たちを調査に出した。


 「テメーらに極秘任務だ。 いいか、これは神子様のための調査だ。 他言無用、失敗も無用。 できるな?」

「「「アネゴ! お任せください!」」」


 調査対象は倉石瑞稀。 『生徒会長の身辺調査』ってことにしてある。 


 一週間後。 その間に、アタイは瑞稀に『はわわさん』などと言う、意味不明な呼び名をもらってしまったが。 ーーそれは置いておく。


 集まった報告に、アタイは唸ることになった。


 「代表。 まず出身中学ですが、隣接校でした。 あの中高一貫校の、中等部です。 ……なんで中高一貫なのに、わざわざこの学園へ来たのか……」


 ーービンゴだ。


 瑞稀は、あの学校の出身だった。 中等部から高等部へ、エスカレーターで上がるのが普通のあの学校で、瑞稀だけは外に出て、うちの理想学園に入学した。 わざわざ隣の学校にな。


 「進学実績を調べましたが、あの中等部から外部受験する生徒は毎年ほんの数人です。 しかも理想学園は目と鼻の先。 ……普通、逃げるならもっと遠くに行きますぜ」


 逃げたんじゃねぇ。 ーー見える場所に、残ったんだ。


 瑞稀はあの連中の視界に入る位置で、生徒会長にまで成り上がった訳だ。 


 凱旋計画の下準備は、進学先を決めた時から始まってたのかもしれねぇ。


 ーーいや? 考えすぎか? だとしたら、美羽が来ることも知っていたことになるからなぁ? ここに来た理由は、ただの逃げだったみたいだなぁ。


 「それと代表、卒業アルバムを入手しました」

 「……どうやって、入手したんだよ」

 「知り合いのツテですぜ!」


 アタイはアルバムをめくった。 三年生のクラスページ。 


 ーーいない? 倉石瑞稀。 どういうことだ?


 一方、例の三人組は、堂々と真ん中に鎮座してやがった。 なんだか、クラスの連中の表情が悪いぜ。


 「……ここからが本題ですぜ、アネゴ」


 部下の一人が、声を落とした。


 「当時を知る卒業生に接触しました。 ……倉石瑞稀は三年の一年間、クラスでいじめを受けていたそうです。 主導していたのが、その三人組で」


 ーーやっぱり、か。 


 「持ち物を隠される、無視される、っていう定番から、とても口には言えない苛烈なことまで……まるで、倉石瑞稀という『おもちゃ』を暇つぶしに使っていたようです。 ただし、表沙汰には一度もなってません。 三人組の親がとんでもない権力を持っていまして……担任の教師を始め、学校側が気づいてて黙殺してた、って証言もありました」


 学校側が、黙殺。 なるほどな。 これで全部繋がったぜ。


 瑞稀の計画のターゲットは三人組だけじゃねぇ。 「学校壊滅工作」ーー潰す相手は、いじめを見て見ぬフリした学校そのものーーいや。 親も含んでやがるな。


 協議の音声をマスコミに流すのも、三人組への復讐だけなら要らねぇ手順だろ。 


 あれは、学校ごと道連れにするための仕上げだ。 それから、その先もーー


 「ご苦労だったぜ、テメーら」


 ーーこれは、思ったよりも根深い問題だなぁ?

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