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倉石瑞稀と100のやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)


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27/27

混沌とする終業式

 「動画はこれからだから! そうこれから⋯⋯」

 「瑞稀! この先は問題ないですわよね?」


 近いよミウミウ! 圧が強すぎるよ!


 「諦めよ、ミウミウ。 時は戻らん」

 「そうだな⋯⋯」

 (倉石生徒会長名誉挽回に期待!)


 ふう、なんとかなった。 危なかった。


 「次は俺のシーンか⋯⋯うん?」

 「なんですの⋯⋯この演出!」

 「え? いいでしょう、最高だよね」

 「盛りに盛っておるな」

 (⋯⋯観客から、歓喜の悲鳴が聞こえるよ)


 席を見ると一部の生徒達が、柳田庶務の活躍に感動しているようだ。 しかし、それ以外の生徒が疑問を口にする。

 

 「なんで冬服なの?」

 「会社での活動? 学校関係ないし⋯⋯」


 至極真っ当なご意見ですね。 さあ、それで終わりですか?


 「瑞稀が開き直りましたわ!」

 「木を見て森を見ず? 木を隠すなら森の中?」

 「⋯⋯誤魔化す気満々かよ」

 (⋯⋯次私だよ)


 教室に一人でいる榊原会計。 彼女の美しさに生徒達は目を奪われる。

 

 「あれ? 誰も冬服のことにツッコマないぞ?」

 「アイドルですからね、当然ですよ」

 「危険だ! 我々は奴の呪術にハマっておるぞ!」


 ーー失礼だな、呪術じゃないですよ。 感覚を麻痺らせているだけです。


 (⋯⋯段々狙いがわかって来たかも)

 「榊原先輩! どういうことかしら?」

 「次は我の番か⋯⋯」

 

 画像には、決めポーズを取る田中書記の姿がありました。


 「あれ? サッチーあの後、先生に怒られてたよね」

 「⋯⋯うめちゃん」

 

 田中書記の画像も一部を彼女からコピーして使用しましたがーー 


 おやおや? 彼女のクラスの人達から指摘を受けていますね。 厄介な中ニ病が大人しくなったので、そろそろ最後の締めに行きますか。


 『こんにちは! 新生徒会長のマスコットキャラのミウミウです。 みなさん生徒会をよろしくお願いします!』


 「瑞稀! どういうことですの! なんですのあの見た目は!」

 「ちょっと、デコり過ぎちゃった! てへぺろ」

 

 いやー、編集しているうちに、ドンドン加工したくなって。 生徒達からも声が届く。

 

 「ミウミウちゃん明らかに口パクだよね! ⋯⋯ミウミウなの?」

 「この声⋯⋯瑞稀ちゃんだね。 上手いよアテレコ!」


 そして、終わり。 私は全校生徒を見る。 きっと拍手喝采に違いないと信じて。 しかし、聞こえてきたのは、ブーイングでした。


 ーーやれやれ。 まったくわかってないな~、みんな。


 私は壇上に上がる。

 

 「みなさん! 私たち生徒会役員は、発足して時間はあまり経っていません! ⋯⋯そのため、みなさんに私たちのことを知ってもらおうと、あえてこのPR動画を作成しました。 若輩者の私ですが、二学期から頑張りますから、どうぞよろしくお願いします!」


 理由を説明した生徒会長の発言に、納得した生徒たちは拍手で応えたーー作戦成功! 大丈夫! 二学期には、楽しみの文化祭も開催するし、ちゃんと生徒会長として働くから! それよりも明日からなにして遊ぼうかな?ーー


 生徒会長は見事に、自分の怠惰を隠蔽することに成功するのであった。


 「で、終わる訳ありませんわ! 瑞稀! これから反省会ですわ!」

 「えっ、パス。 これから予約済みのゲームを受け取りに行くから」

 

 さあ! 期待に胸を膨らませて! 私の夏が始まるよ!


 「⋯⋯ハア、俺達はまんまと隠れ蓑にされた訳か⋯⋯」

 「倉石生徒会長⋯⋯貴方はこれから何をするのです?」

 (あ! 瑞稀ちゃん! 私との約束忘れないでね!)


 50、無事に一学期を終える

 

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