生徒会発足 後編
「次は会計ですね。 ⋯⋯会計は榊原結衣さん!」
「は~い、どうも~、みなさん~、こんにちは~」
「「「こんにちは!」」」
「あれれ? ミウミウ? どうしたの~、声が聞こえないぞ~」
「こんにちは!⋯⋯じゃありませんわ! 完璧な人選ミスですわ! 彼女に会計が務まる訳ありませんわ!」
ミウミウが、榊原先輩に詰め寄る。 うん? ーーどうして、ミウミウは先輩達に突っかかるの? 何か理由があるのかな?
「ミウミウ? どうしたの?」
「認められませんわ! ⋯⋯瑞稀! 私の方ができますのよ!」
ーーおっと。 このお嬢様は、自分の役割に不満があるみたいだ。
「私は、ミウミウの実力を侮っている訳じゃあないよ」
「⋯⋯むう。 本当ですの?」
「本当だよ! ⋯⋯侮っていたら、生徒会に入れてないよ」
まだ、不満がありそうなミウミウ。
私は、榊原先輩の凄さを語り始める。
「ミウミウ。 彼女がアイドル⋯⋯え! 知らないの?」
「アイドル? 彼女がですの?」
まず、そこからかーー
「ミウミウ。 この前の大食い大会で、音楽が流れていたでしょ」
「そうですわね。 ⋯⋯は! それがまさか⋯⋯」
やっと榊原先輩に気づいたんだね。 まあ、アイドルがここにいるなんて思わないよね。 でも、驚くのはそれだけじゃないよ。
「榊原先輩は公認会計士ですよ」
「なんですって! 天才なんですの!」
「も〜、てんさい~、なんて~、てれちゃうぞ~」
「⋯⋯本当、コイツは働き過ぎなんだよなぁ」
(あの、柳田健太に言われると照れるわね)
「おいおい。 俺は本当のことを言っただけだぜ」
そんな様子の、榊原会計と柳田健太をスルーして、書記の田中は『挨拶・榊原結衣』と黒板に書いたのだった。
挨拶? 田中先輩は榊原先輩をそう思っているらしいーー
「ちょっと! 田中先輩! 挨拶とはなんですの?」
「クク。 これは邪神エターナルパーフェクト様を呼ぶ、挨拶係のことだ! ⋯⋯やはり呼び声は粋でなくてはな⋯⋯」
「なにを言っているか、さっぱりですわ!」
(サッチーは、いつも私のライブに来てくれるからね)
「我が下僕が、其方と共鳴を要しているからな!」
「訳すと、弟妹がゆいゆいのファンだから付き添いな」
ーーへえ。 あの噂、本当だったんだ! どんな様子かな? いつも中ニ病発言をしているのかな?
「次は総務だね! 柳田健太さん! お願いします!」
「やれやれ⋯⋯やっと俺様の出番か⋯⋯待ちくたびれたぜ!」
「終わりましたわ! この学校⋯⋯こんなチャラオに総務が出来る訳⋯⋯」
「甘いですね、ミウミウ!」
「な、まさか、彼も特殊なんですの!」
「理想学園の裏に柳田家ありと、言われるほどの、この土地の裏番長ですよ。 当然彼もその血を引いて数々の企業を成功に導いたプロ。 ファンは、彼が救った企業の女性たち、ガードマンは男性!」
「とんでもない集団の集まりでしたわ⋯⋯」
(そうだよ! ミウミウちゃんも気づいたかな?)
「はい。 私が無知でしたわ⋯⋯」
「クク。 ミウミウよ、我々はまだ蛹。 これから羽化するのだ! 我々はこれからだぞ!」
「そうだぜ! ミウミウ。 俺たちの戦いはこれからだ!」
「はい! 私、頑張りますわ!」
よしよし、みんなナイス! 上手くミウミウを丸めこむことに成功。
ーーそう、これからが本番。 私のやりたいことを叶えるために。




