未来への期待 ーー櫻井美羽視点
「ただいまですわ」
「おかえり美羽。 あれ、ことねは? 一緒じゃなかったのか?」
家に帰って来た私は、湊に今日あったことを伝えましたの。 すると、湊は慌てて出て行きましたわ。 どうしたのでしょう?
ああ、誰も居ませんわね。 私は、その場にへたり込みましてよ。 別に誰かが見ている訳ではないので許してくださいまし。 ーー怖かった。 未だに思い出しても、震えが止まりませんの。
ーーでも、いつまでも震えてばかりじゃいられませんの! 私はこれから、頑張らないといけませんので。
私は、瑞稀からプレゼントされた、髪留めを見つめますわ。 ーー私の人生の光。 瑞稀、貴方は私に全てを与えてくれますのね。
ーー結局、衣装を買えませんでしたわね。 瑞稀と舞香が、服を選んでくれましたのに。 実際に試着して、どっちがいいか決める予定だったそうですわ。 でも、私のことを心配して、取り止めになりましたの。
二学期が間もなく終わりますわね。 その後、すぐに海外旅行ですわ! 衣装はこの際、学校の制服で構いませんわ。 それよりも、美味しいご飯を食べて、元気になりますわよ!
はあ、そんなことを考えていると、お腹が空いてしまいましたわよ。 ご飯にしますわ。
「ただいま」
「⋯⋯⋯⋯」
「まあ! 二人ともやっと帰って来たのですわ!」
私は、ことねと湊に駆け寄りましたわ。 ですが、ことね様が私と目を合わせてくれません。
「ことね? どうかしたのかしら?」
「美羽。 ことねはな、お前に侮辱行為を行った奴らを制裁したんだ」
「⋯⋯制裁だけじゃ生温いわよ。 奴らには死よりも、恐ろしく辛い目に⋯⋯」
「ことね! 駄目だ! 俺は、そんなこと認めない」
「うるさいわね! 私の邪魔をして、満足? 万が一、美羽がまた辛い目に遭うかもしれないのに⋯⋯」
「俺は『ことね』に誓ったんだ。 お前には絶対、そんなことさせない」
はわわ。 私のために、二人が喧嘩するなんて、間違っていますわよ!
「二人とも! おやめくださいまし! ⋯⋯ことね、私はもう大丈夫ですわ」
「美羽。 ごめんなさい⋯⋯」
「私が馬鹿にされたのは、きっと知名度が低いからですわ! 今度の世界大食い大会、そこで優勝すれば⋯⋯知名度は、うなぎ登りでしてよ!」
ーーそう、有名になればいい。 それが、私の対抗手段でしてよ。
「私は、絶対に優勝しますわ! ⋯⋯そして、私を馬鹿にした者たちに、自慢してやりますのよ」
「⋯⋯美羽。 ⋯⋯そうね。 それが一番だね」
「ふう、落ち着いた。 一時はどうなるのかって思ったけどな」
「⋯⋯湊、ごめんなさい。 私が早計だったわ⋯⋯」
「おう。 本当は俺もことねの気持ちがわかるんだ⋯⋯当然、奴は絶対に許さない」
「湊! かっこいい! 大好き!」
「俺もだことね!」
あらら、また始まりましたわね。 ムウ、狡いですわ! 私も瑞稀とーー
そう言えば、瑞稀は今回の件で、考え込んでましたわね。 ことねの様子に対して、危機感を持ったようですわ。
理想学園の今度は、どうなるのかしら? ーー大波乱ですわね




