過去との遭遇 ーー櫻井美羽視点
朝ですの。 今日はみんなでショッピングモールで遊びますわよ。
「ミウミウ、今日も元気いっぱいだね。 そんなに楽しみなんだ?」
「瑞稀。 当然ですわよ。 友達と周る娯楽施設⋯⋯最高ですわ!」
「ミウミウ、一緒に楽しもうね!」
「当然ですわよマイマイ」
「ミウミウ! 貴方、お姉ちゃんに私のことチクったでしょ? お陰で、注意されたじゃない!」
「むう。 それは凛が悪いんですの。 悪口はぷくぷくですわよ」
私は頬を膨らませて怒る仕草するのよ。 すると凛が落ち込んでしまったわ。
「悪口を言ってごめなさい⋯⋯だから、嫌いにならないで⋯⋯」
「まあ、そんなことだけでは嫌いになりませんの。 謝ってくれたから、チャラですわ」
私がそう言うと、凛が抱きついてきましたわ。 ーーまったく、甘えん坊ですのね。 さあ、みんなでレッツゴーですわ!
「ミウミウ! この衣装が似合ってるよ」
「ええ? みずちゃん。 ミウミウにはこっちがいいよ」
「世界大会で着る衣装? ⋯⋯べつに制服でいいじゃない?」
『良くない!』
瑞稀とマイマイが、私の大食い大会で着る衣装を、考えていますわ。
「ミウミウ、ちょっと先に行ってて。 サプライズで服を選ぶから」
「ふふ。 ミウミウの衣装楽しみだなぁ」
二人に促される様に、先に飲食店の方へ向かう私。
「サプライズってなにかしら? 楽しみですわ」
「⋯⋯サプライズって言ってる時点で違うと思うけど?」
「たしかに、そうですわね?」
『ふふふ⋯⋯』
そうやって、凛と何気ない会話をしていた時ーー
「おいあそこにいるの。 ⋯⋯最悪。 金髪女いるじゃん」
「人見知りお嬢様がこんな所に来んなよな~」
「うわ。 なに、ニコニコしているんだよ、キモい」
ーー彼女たちは、私の前に通った学校の生徒の三人組。 瑞稀や凛のような、冗談や軽いネタではないーー 私に向けられた明らかな侮辱行為。 私は、転校前の数日間を思い出して動けない。
「どうしたの⋯⋯ミウミウ? 大丈夫?」
「⋯⋯⋯⋯」
凛が、私のことを気遣って、優しく話しかけてくれる。 そんな凛に三人がニタニタしながら話しかけてた。
「ミウミウだって! 変なあだ名~」
「おいおい。 小学生のチビに心配されてやんの。 ウケる!」
「お嬢ちゃん、コイツと離れた方がいいよ。 暗い子だし」
「そうそう。 この金髪頭、見ているだけでムカつくし」
浴びせられた、罵倒に私は俯く。 凛が私を介抱してくれた。
凛、ごめんなさい。 貴方を巻き込んでしまってーー
「⋯⋯ミウミウ、立てる? あっちのベンチで休も⋯⋯」
「おいガキ! 無視かよ!」
「まったく。 私たちがせっかく、忠告してやってるのに」
「て、ゆうか⋯⋯この女も、同類じゃね?」
「あ、たしかにそうかも。 同類同士仲良しでちゅね~」
そんな! 私ばかりか、凛にまでーー
私は、震えながらも声を上げましたの。
「⋯⋯ほっといてください」
「はあ? なに言ってんの?」
「私たちのことは、ほっといてください!」
「やだね。 だってお前がニコニコしているのムカついたし」
「本当な、無能なお嬢様如きがな~」
「マジ、ムカつくんだけど。 ずっと俯きながら、引きこもっていたらいいのに」
「そうそう、私たちに怯えてな~」
私を蔑視してくる、彼女たち。 凛も、私の後ろで怖がっていますわ。
ーー正直、怖い。 でも、引く訳には行きませんの!
「⋯⋯別に私のことなら、とても悔しいですが⋯⋯好きに言っても構わないですわ! でも、友達を侮辱するのは絶対に許しませんわ!」
「はあ? なにコイツ」
「おい、コイツらわからせてやろうぜ」
「⋯⋯ここは人が多いからな、密室でも連れ込むか⋯⋯」
三人組が笑いながら、私たちに手を伸ばそうとした時ーー
「よく言った! 櫻井美羽」
誰ですの? 私と凛は声がした方を向きます。
「いい、面じゃねぇかミウミウ。 ⋯⋯そして、この最高に神子様へ恩を売れそうな機会に出くわしたアタイ。 最高じゃねぇか!」
「ひとみん⋯⋯」
「え? このヤンキーは、ミウミウの知り合いなの?」
「ふふふ。 アタイ、ついてるぜ!」
ひとみんがニコニコしながら、私たちに近づいてきますわ。 ーーすごく悪人顔ですわね。
「あれ? ミウミウここにいたの? ⋯⋯てっきりバイキングに行ったと思ってたのに」
「ミウミウ! サプライズプレゼント買ったよ!」
「ッチ。 なんだよ、もう瑞稀が来たのか。 これじゃ、恩売れないじゃん」
「ひとみ。 ⋯⋯どうしたの? 悪役面して」
「みずちゃん! あっち見て!」
「⋯⋯⋯! えっと、この状況はなに?」
瑞稀とマイマイも、合流ですわ。 あれ? 後ろにいるのはーー
「吉澤ひとみね。 ⋯⋯まあ、今回の行為は称賛にあたいするわね」
「はわわ。 神子様! ご機嫌麗しく⋯⋯」
「ひとみ。 さっきまでの態度でバレバレよ。 私たちはこの様子に気づいて、慌ててやって来たのよ」
「ンだよ、彩乃。 ネコ被りがバレバレじゃねぇか⋯⋯」
ことねに、彩乃まで! もう大集合ですわね。
「なんだよ、コイツら⋯⋯」
「おい、この女。 神子だ!」
「チッ。 目をつけられたら厄介だ。 逃げるぞ」
彼女たちは、そそくさと逃げて行きましたわーー
「アァ? もう終わりかよー つまらないヤツらだなぁ」
「⋯⋯本当ね。 二度と、美羽の前に現れないようにしないと⋯⋯」
「神子様! ヤツらの始末は、アタイにお任せください!」
「へえ。 ⋯⋯生温い対応はいらないわ。 やるなら、撤退的にやりなさい」
「ガッテンだぜ。 ⋯⋯オイお前ら、行くぞ!」
『承知しました姉貴』
ひとみんが舎弟たちと、駆けていきましたわ。 ーー絶対、オーバーキルですわよ。
私は、逆に彼女たちが心配になるのでしたーー




