吉澤ひとみのお願い
ふう、明里が元気になってよかった! これで安心して、海外に行く準備が出来るね! マネージャーは大変だね。
よし、家に到着! のんびり、ゲームしよっと!
「ただいま!」
「おかえりなさい、瑞稀。 ⋯⋯あら、そちらの子は?」
お母さんが、私の後ろを見る。 私が、後ろを振り向くと、挙動不審や仕草をするーー吉澤ひとみがいた。
「はわわ。 は、始めまして! ひゃー」
「この子は、文化祭で一緒に活動した、吉澤ひとみさん」
「あら、どうも。 瑞稀がお世話になっております」
「いえいえ。 私の方こそ⋯⋯」
「今は、猫を被っているけど、本当はヤンキーなんだよ」
私が本当のことを言う。 二人は、私の発言を流す。
「⋯⋯あわわ。 ちょっと、瑞稀さんと一緒にお話しがしたくて、お邪魔してま
す」
「うん。 私は特にないかな。 じゃあ、また学校でね」
「瑞稀。 お友達に失礼でしょう」
お母さん、違うよ。 こんなガラの悪い子、友達じゃないからーー
「ささ、上がってください。 ⋯⋯瑞稀、友達とは仲良くね」
「お言葉に甘えて、失礼いたします⋯⋯」
ーーこうして、白昼堂々と輩が家に入って来たのである。
「オイ。 いい母親だなぁ、アーン」
「そうだね」
「おいおい、素直に褒めてんだぜ? 喜べよ」
「お褒めに預かり光栄の極みです」
「ははは。 お前おもしれーな」
私は面白くない。 なんだって私の周りには、癖者ばっかり集まるんだろう?
「そんなお前にイイもんやるよー」
「え? いらない⋯⋯」
「なんだよ、しけてんなぁ? ⋯⋯本当は、明里に飲ませてヤロウと思ったけど⋯⋯お前でイイや」
そう言って取り出したのはーー粉?
「へへ。 いいリアクションだなぁ。 今度、ウチに来いよ! アタイの手作り料理を食わせてやるよ」
「えー パス」
「⋯⋯さてと、こちらの粉を水に混ぜてっと⋯⋯ふぅ、これが効くんだよなぁ。 一緒にキメようぜ」
ああ、最悪だ。 私、終わりだよー
「ホラ、出来たぞ。 一発、グイっといけよ!」
「ううう」
「おいおい。 びびってんのか? ⋯⋯しゃあねぇな」
すると、彼女は部屋にあった、ストローを取り出し、私の口に放り込む。 そして、ストローの先をそのコップの液体へーー
「ゴホゴホ。 あれ? 美味しい⋯⋯」
「だろ? アタイ特製の粉さ。 同志たちにも人気なんだぜ 粉だけでもうめえけどさー」
私は、彼女の舎弟たちが、怪しい粉を舐めている場面を想像する。 逮捕案件だ。
「⋯⋯それでさ、頼みがあんだよ」
「この流れで? 恩どころか、危険しか売れてないんだけど⋯⋯」
「神子様と仲良くなりてんだよ! 協力しろよなぁ」
「⋯⋯この前、挨拶してたじゃん」
「テメの目は、節穴かよ。 明らかに、アタイは蔑視されてたじゃんか!」
ーーそれって、悲しくない? ひとみは、ことねを崇拝しているんだよね?
「なあ? 哀れだろ。 ⋯⋯そこでだ。 瑞稀! タノンマー」
「ちょっと、近いって⋯⋯もう、わかったから⋯⋯」
「しゃあー いただきました!」
ハア、また厄介が増えたよーー
「お姉さん。 お母さんがご飯だって⋯⋯」
「じゃあ、アタイは帰るわ」
まずい! 私は用事が終わって、帰ろうとする彼女を止める。
「なんだよ? 瑞稀」
「ご飯を食べてから帰って! お願いだから」
「⋯⋯いいのかよ。 アタイが居たら邪魔だろ⋯⋯」
「むしろ、このまま帰す方がまずいんだから、お願い!」
「お、おう。 ありがたくいただくぜ⋯⋯」
こうして、お母さんが張り切って作った、料理を食べるのでした。
ーー食べ残しは、後でミウミウが食べました。
「うん。 どっちのご飯も美味しいですわね。 次は、家に帰ってご飯ですわ。 瑞稀! また明日ですわ!」




