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ドクマッシュダンジョン最深部・マッシュルーム

ついに勇魔金玉を回収した!

そして俺はティンフィッシュとしてモンスター化していた自分のチンコを元の姿に戻してまたあるべき場所に装着する事にした。元の姿と言っても、何故かネジがあって木材みたいになってるがな……まぁ、装着すれば元の生ゴミ……じゃなくて生々しい感じになるだろう。


「よし、早速装着するか……」


「ちょっと待って下さい」


「? 何を待つんだ? 早くはめないと後がつかえるだけだ。これからマッシュを倒さないとならないし」


「私がはめないといけません。何故なら私が外してしまったのですから。不肖、この私漆黒のメスパーにお任せあれ」


「……任せられねーから自分ではめないといけないんだがな」


「? 何か問題でも? 第一に、そのネジが刺さる場所はおそらく貴方にはわからないでしょう。なので教えてあげますよ。とりあえずズボンを下ろしてパンツを脱いで下さい」


「え? 上手く取り付けてくれよ。パンツ脱いだら装着して木材の感じがしなくなったら恥ずかしいじゃん? 俺も男の子だしな……」


「そのような覚悟の人間が世界の覇王になれますか? 覚悟を決めなさい」


「え? あ……うん。まー……わかった……脱げばいいんだろ? 脱げば? じゃあ薄暗い場所で頼むぜ。俺はまだ童貞だし」


「大丈夫です。私も処女ニャーン」


そんなこんなでメスパーにチンコを装着してもらう事になった! 今は木材のようになってるチンコを取り外したメスパーにまた装着してもらうのも不思議なもんだぜ……でもこれで身体の平衡感覚は戻る。そうしたら勇者のパワーだけでも魔王の魔手マッシュに勝てるはずだ。とっととこのドクマッシュダンジョンから出て、賢者ショウセツをもう一度探しにいかんとならんしな。と、ダンジョンの隅っこの薄闇の中で下半身を出す俺はメスパーのネコダンスの儀式が早く終わらないかとイライラしていた。


「ネコダンスとか外す時にはしてなかっただろ? 早くしてくれ……こんな状態でマッシュが攻めてきたらどーすんだ? 下半身スースーじゃ戦えんぞ?」


「黙るニャーン。このネコダンスは神聖な儀式……私も命懸けなのです……そろそろ行きますよ……」


凄まじい汗を額から流すメスパーに俺は動揺した。その猫が踊ってるような無意味なネコダンスはそんなにヤバい儀式なのか? 相変わらず意味不明過ぎてこの魔のつく女の事はわからん……ので、全てを任せる事にした。


「ニャーン? ニャーン! ニャニャニャー……我は半魔女漆黒のメスパー。我の願いは因果律さえ変えるモノ……故に合体せよ……勇者魔王オーマの粗末なりし悪意のボール……勇魔金玉!」


「ぐ……ぐおおおおっ!?」


グッ! とメスパーに勇魔金玉である木材チンコを下半身に装着された! シュパアァ! というまばゆい光が空間を照らし、カチッという機械的な音がしてから俺の全身に衝撃が走る――!


「合体……完了だ!」


全ての平衡感覚が改善され、俺の神経細胞が活性化されたように研ぎ澄まされる……いい気分だぜ。チンコがあるってのはよ。


「なぁ? メスパー……?」


「……ニャニャニャー。サイズが縮んでるニャーン? これは勇魔金玉に宿る魔力を使い果たしたから?」


「サイズが縮んでるだと!? てーか、そんな近くて人のモノを観察してんじゃねー!」


とりあえずパンツとズボンをはいてメスパーの視線攻撃から脱した!

チンコを再装着? した事により、俺は心の安定を得て心身のバランスを取り戻す事に成功した。


「お前さっき粗末なりし悪意のボールって言ってたよな?」


「言ってません。私の粗末なりしモノを見ますか?」


「あ……別にお前のは粗末じゃねーよ。いいモンを持ってるさ。色々あったがお前だっていい女だぜ?」


「魔女よりもですか?」


その言葉に俺は答えられなかった。


『……』


答えを出せない俺に失望したのかメスパーは俺に背中を向け、


「まぁ、いいでしょう。貴方は女好きではあるけども一途な面もある。私の入る隙もこれからあるでしょう」


「……」


メスパーを女として意識してしまう。

コイツと過ごしている間に女として意識してしまっていたんだな。まぁコイツとも長い付き合いだ。こういう事もあんだろ。

先に進む。


「マッシュもボスエリアで自分の今のダメージを回復させてるだろ。こっちも少し休んだ方がいい。地上で暴走メスパーが襲撃して来てからこの地下に来るまで戦いずめだからな。ここはしっかり休んで、ボスであるマッシュに備えておくのが懸命だ」


「確かにもう残る敵はマッシュだけならばそれがいいですニャーン……」


「寝るなよメスパー? 寝たらメガネ壊すからな」


「ニャ!?」


と、メスパーはメガネを壊されるのだけは嫌なのか、初めて驚いた顔をした! これまで幾度となく戦闘をしてきたがこんな顔をするメスパーは初めてだ……これからはメガネネタで攻めれば言う事を聞くな。これでこの漆黒のメスパーもゴミ袋のようにズタボロになるまで使い倒してやるぜ。


「で、お前はもう魔女になる事は諦めたのか?」


「半魔女となったこの身体なら魔女にはなれなくても魔法少女と魔女が組み合わさった新しい存在として何かが出来るかも知れません。なので魔女にはならずに今の自分を高める事に集中します。なので、私は勇者魔王オーマなどを実験台としつつ新しい存在として自分を高めて行くニャーン」


「俺を実験台として自分を高める……か。いい答えだ。それでこそ魔のつく女だ。惚れそうだぜメスパー」


そして、俺とメスパーはドクマッシュダンジョンの最深部・マッシュエリアへと到達した。





ドクマッシュダンジョン最深部・マッシュルーム。

その急造で作った感丸出しのボスの部屋とは思えない岩盤むき出しの空間に魔王の魔手マッシュはいた。今は体調不良だった魔女とダメージを受けて倒れていたジャスティス騎士団団長も合流しているぜ。その俺達の登場に興奮しているのか、小刻みに緑色のマッシュルームヘアを揺らしながら話し出した。


「やーやーようこそオーマどんに、その連れの女達。この魔王の魔手であるマッシュちゃんのいるこのマッシュルームまでたどり着けるなんて思いもよらないマッシュ! マッシュ!」


まるで歓迎してるような口振りだな。

コイツには緊張感というものが無いのか?


「おいマッシュ。もうこの辺で降参しとけ。地上に帰ってもジャスティス騎士団も国王もお前を信用しないぞ? それとも心を操ってでも国を支配するのか?」


「さぁねぇ。でもここまで来たら戦うしかなでしょ? まずはお互いの言いたい事を言ってからだよ。戦闘中はそんな余裕無いだろうし」


魔女は言う。


「この魔女である私も許さないよ。体調が良くないから、普段よりシリアスに倒しちゃうよ?」


「魔女の調子の悪さの原因は……まぁいいか。魔女でも半魔女でも、このドクマッシュダンジョンの餌食になるのは確実なんだから」



メスパーは言う。


「私はとっととこの陰気臭いカビた胞子が飛んでるダンジョンから帰りたいのです。オーマの左腕に戻るか、死んでくれると嬉しいのですニャーン」


団長は言う。


「マッシュはジャスティスシティーの悪として語り継いでやる。もし、また同じ事が起これば悪しき前例として、永遠に語り継いでやるぞ。敗者としてな」


「意気込みはいいけど、一番の足手まといがここにいる事を恥じた方がいいわよ。すでに勝利が確定してる戦闘に参加してくれてたから地上で始末する手間がはぶけたけど。貴女は反抗的すぎて国の乗っ取りがしずらくて困ったわよ」


そして最後に俺がしめる。


「そんなこんなで、三人のお嬢さん方はお前にご立腹だ。ここはダンジョンの最深部。逃げ場は無い。ムダな抵抗は止めて、大人しく俺の左腕の魔手として戻れ。これが最後の問いかけだ」


マッシュ! マッシュ! と俺達を嘲笑うように笑うマッシュは言う。


「このドクマッシュダンジョンが無くなるのはキツイわよ。何か月もかかってようやくここまで完成させたんだもの。でも思い出として記憶しておくしかないかな。ここまで侵入されたらダンジョンとしてはダメだし」


「やけに他人事だな。この新しいダンジョンはお前がジャスティスシティーを占領する上で重要じゃなかったのか? この地下から攻められれば、普段霧に囲まれ他国からの侵略が無いジャスティスシティーなんてイチコロじゃねーか?」


「……最後に勝つのは私だからいいのです!」


……何か余裕しゃくしゃくの笑顔だな。

ここまで追い詰められていて、この余裕はまだ何か切り札があるという事か?

まぁそんな事はいいか。

先手必勝で仕掛けて始末してやる。

今の緩い会話の流れから、必殺してやるぜ……。

と、思っていたがどうにもマッシュの言葉から発生した俺の脳裏に浮かんだ言葉が気がかりになった。


(切り札……切り札……だと?何故俺の脳裏に切り札という言葉が浮かぶ……?―― まさか!?)


ふと、このドクマッシュダンジョンの異様な静けさに寒気を感じた。このダンジョンにはマッシュの隠しアジトで、俺達はここに自分達の意思で来た。それがもしや、マッシュからの誘いだとしたら……。という仮説をたてると、もしやもうマッシュはこのドクマッシュダンジョンにはいないという事を感じてしまう……。周囲の魔女やメスパーはその点には気づいているのかどうかはわからない。


(まさかもうこのドクマッシュダンジョンにはいないのか?確認するにはカマをかけるしかないか……)


俺のふとした直感は、最悪の形で現れた――。


キャキャキャ! とマッシュは緑色のマッシュルームカットの頭を獅子舞のように振り乱し、最後の魔力を振りぼった。スゥ……とマッシュの背後の地面が赤い魔力粒子を展開させ、鮮やかな五芒星が浮かび上がりワープフィールドが生まれた。俺達全員の顔に?という疑問が浮かぶ。


「……ワープフィールド? まさか逃げる気か? どこに!?」


「ここではないどこかへよ……もうここには用は無いからね。それに、貴方達にもね!」


『……!?』


ここに来て逃げようとするマッシュは明らかに負けて逃げる感じではない。ここから逃げられても次元を超えるワープゲートじゃなくワープフィールドならそう遠い距離までは転移出来ないから、どう考えても真上のジャスティスシティー辺りが限界。しかもジャスティスシティーはマッシュをすでに敵と見定めてる。そこに逃げても死ぬのが遅れるだけだぞ……?


「何を企んでるマッシュ? この状況下でお前に逃げ場は無い。潔く、俺の左腕に戻らなければここで散らす。いつまでも駄々をこねるな!」


「駄々をこねて何が悪い! 私が言いたいのは勇者オーマ、魔女、半魔女メスパー、そしてジャスティス騎士団団長。世界からこの四人が消えれば他の大陸を支配する上での邪魔者はいなくなるわ。ジャスティスシティーそのものを支配下におくのも楽になるし、ここで貴方達には消えてもらうわよ。計画通りにね」


「計画通り……だと?」


「これからこのドクマッシュダンジョン大爆発するの!」


『!』


どうやらこのドクマッシュダンジョンに誘い込まれた事自体がこの魔王の魔手であるマッシュの計画だったようだぜ……。このジャスティスシティー地下にあるダンジョンに誘い込み、俺達を始末すれば自分が世界支配する上で楽になる。本当ならば手に入れたかった俺の身体さえも、消えてもいい覚悟のようだな。


「……もう俺の身体には興味もないか。ここで勝つ事を優先して、世界の支配者になり魔王として君臨するのがお前の目的か。魔手であるお前が宿主無しに自らが魔王になる。ふざけた話だぜ」


「マッシュ! マッシュ! ふざけてないわよ。運良く貴方の死体が見つかれば使わせてもらうわ。この地下に潰されて使えなければそれだけの事。それに、ふざけてるのは君もだよ勇者オーマ。貴方は魔女によって勇者と魔王の力を得ていた。この相反する力がこのマッシュちゃんにどれだけ迷惑をかけてたかわかる? わからないよねー。わかるわけがない!」


「お前……ここからジャスティスシティーに転移してもお前は敵として見なされている以上、そこで死ぬ。ジャスティス騎士団も弱くは無い。数でかかればここまで体力が落ちたマッシュに勝ち目はないだろう」


「このドクマッシュダンジョンに来た精鋭四人が死んだとなると、ジャスティス騎士団も何もかもが私には逆らえない。負けるはずの無い人間が死んだとなれば人間の脆い心なんて容易く折れてしまうものなのよ。だから貴方達がここで死ねばもう私には敵はいないの」


スッ……と俺の前に立つショートカットのジャスティス騎士団団長は憎々しげな顔で言う。


「ジャスティス騎士団が逆らえないだと? 私の鍛え上げているジャスティス騎士団がそんな貧弱だと思うのかぁ!? 勇者オーマの言う通り、そのワープフィールドで逃げても貴様の命は無い! せめてこの私のジャスティスソードで散れ!」


「ドクマッシュダンジョンに到着する前にリタイアしたザコがよく言うわね。ザコ団長」


「くっ……貴様っ!」


「落ち着け団長。奴の挑発に乗るな」


と、俺はすでに返してあるジャスティスソードを持って切りかかろうとする団長を止める。すでに勝利目前という状況下でメスパーは飽きているのか目を開けたまま眠り出していた。そして未だ体調が悪いような魔女は言う。


「みんな気をつけた方がいいわ。このマッシュはまだ何かを企んでる……よく意識をこのドクマッシュダンジョン全体に向けてみて。目の前のワープフィールドじゃなくて、違う場所で強力な魔力反応があるわよ……」


「反応がいいわね魔女。流石だわ。何故か顔色が悪いのは相変わらずの食べ過ぎ?」


「バーカ。ただのイメチェンよ」


「イメチェンねぇ……その顔色は確かにイメチェンに相応しい顔だわ。不老不死の魔女が死に近い雰囲気を出すなんてあり得ないからね」


確かに魔女はこのドクマッシュダンジョンに到着する前から冷や汗を流し体調は悪そうだ。しかし、死の雰囲気というほどではなかったはず。何を言ってやがるんだマッシュの奴は?


(魔女が死に近い雰囲気だと……? 魔王の魔手にそんな事がわかるのか? 心臓がリンクしている俺が死に近い状態でもないのに魔女が死に近い雰囲気を出しているのか……?)


「何か疑念を持った顔で魔女を見てるわね勇者オーマ。これは女にしかわからない事よ。男の貴方にはこの微かな死の香りは検知出来ないの」


「へっ、俺の魔力サーチを超えるサーチがあんのか女にはよ?たかだが毒キノコ頭の魔手が調子に乗ってんじゃねーぞ! ド派手に散らす!」


「毒キノコ頭ですってーーっ!? 許さんマッシュ! マッシュ! マッシュ!」


と、俺とマッシュが同時に動こうとした瞬間――カッ! とまるで千年の眠りから目覚めたかのように目を見開き、ボブヘアの毛先をヒビ! と逆立たせるメスパーはお得意の猫招きポーズで言う。


「残念なお知らせニャーン。このドクマッシュダンジョンはおそらく自爆システムが組み込まれてマッシュ?」


『!?』


そのメスパーの言葉と、マッシュの口真似に同時に俺達は驚いた!そしてマッシュはマッシュルームヘアをグイングイン揺らしながらほくそ笑む。


「そのメスパーの言う通り、このドクマッシュダンジョンには自爆装置があるわ。もう、後三分以内にこのダンジョンそのものが崩壊するよう魔力プログラムされているの。私の予想通り、このダンジョンにある毒霧を消そうとしてこのダンジョンの管理人であるキノコパオーンを倒してからスイッチが入る時限式自爆魔法。この地下最下層から三分では逃げられない。私、マッシュはこのワープフィールドでジャスティスシティーへ生還し、貴方達勇者パーティーはこのドクマッシュダンジョンの残骸となり消える。わざわざ三カ月もかけてこのドクマッシュダンジョンを完成させた労力が報われたわ……サヨナラ勇者パーティー。貴方達の顔はすぐに忘れるわ」


と、言うなりマッシュは背後のワープフィールドに飛んだ――と同時に俺のハンドガンの弾丸がマッシュを襲う。


「……やるわね勇者オーマ。その早撃にどれだけの魔術師が殺されたのかしら?」


「そうだな。覚えてもいないさ。お前を殺せなかった後悔が強くてな」


「でしょう? 今まで貴方の右腕の魔手として生きてたんだから貴方のクセはわかるわ。だからこうしてワープフィールドの前にバリアを張っていたの」


「……用意周到だな。もうワープ寸前のお前に攻撃しても無駄なようだ。だが一つ言わせてもらおう。人間を舐めるなよ?」


「人間なんて短所の塊じゃない。だから剣の腕や魔法の強さを求めて自滅して行く。自分達の種族を簡単に殺せるのは人間だけよ。長所なんてものは無い血と快楽しか求めない殺人鬼。だからこそ、魔王の魔手は人間族の左腕に収まってたんだけどね」


「馬鹿野郎。覚えとけ、人間には長所しかねぇーんだよ」


マッシュ! マッシュ! と緑のマッシュルームヘアをグイングインと揺らしながらマッシュはワープフィールドの赤い光の中へ消えた。そしてワープフィールドも消滅する。残る俺達は残り二分半ぐらいの時間で自爆するこのドクマッシュダンジョンから生還しなければならなくなった!

次第にゴゴゴ……! とドクマッシュダンジョン全体が揺れ始め、赤い魔力粒子があちこちで浮かび上がり、崩壊への序曲を奏で始めた。そして、その序曲はすぐさま終局へ向かい、まばゆい閃光を最後のメロディーとして奏でるようにドクマッシュダンジョンは大爆発を起こした!


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