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霧の大陸・ジャスティス大陸へ出発するオーマ

赤髪魔剣士エミリは魔女にクラスチェンジする為の秘宝・勇魔金玉を持つ半魔女メスパーが霧の大陸・ジャスティスシティーに向かったと言う。俺と魔女は新しい旅立ちに向けて顔を見合わせた。


「そう霧の大陸ジャスティスシティー。その大陸は全土に渡ってミストジャマー覆われていて、中央都市であるジャスティスシティーは特にそのミストジャマーが濃い。そして、そこに入るには国境を越える時と同じく入国審査をしなければならないの。まぁそんなものはメスパーの力なら簡単に通過出来てしまうし、特に霧の国は落ち着いている国とも言われるけど、ハッキリ言ってどんな内乱が起きてるかはわからないわ。秘密主義の仮面の国とも呼ばれるペルソナシティーだからね」


「その大陸は面倒そうだな。ミストジャマーに陰気な体質の国となれば、面倒な魔女が住人はいるようなモノだぜ」


「コラ! コウハイ君! 新聞紙で豊胸させてあげないよ?」


「うるせーな魔女!だからいららねーよ! でもそんな国なら賢者もいそうだな。隠れ人である賢者ならそんな場所にいそうな気がするぜ」


これでワープゲートを知る賢者に会える可能性が出てきたな。

前向きに考えていれば何とかなりそうな気がしてきたぜ!

すると、エミリに依頼しておいた品物が俺の前に出された。白い包帯に包まれ、おびただしい魔力制御札である魔札が貼り付けられている。これは強力な魔力を秘めた物を封印する為に使うものである。


「とりあえずジゴク王から財宝の一つであるサタンの腕と呼ばれる悪魔の腕を貰ってきたわよ。早速つけたら?」


「サタンの腕だと?マジでそこまでの代物があったのか……つーか、それって魔手に似てるんじゃねーだろうな?サタンって悪魔だしヤバイんじゃねーか?」


「サタンって言ってもあくまでそう言われてるだけで意思がある腕じゃないわよ。強い魔力が込められてるだけの義手用の腕。何なら魔女にでも鑑定してもらったら?」


「……そうだな。魔女、チクとこのサタンの腕を鑑定してくれ。問題無さそうなら左腕の義手として一時的に使う」


「わかったわ。ちょいとこの清く正しい偉大なる魔女のセンパイに貸してごらんなさい」


『清く正しい偉大なる魔女のセンパイ?』


と、俺とエミリは唖然とした顔つきでシンクロした言葉を吐いた。が、ここで魔女の機嫌を損ねるのもアレだからすぐにサタンの腕を渡した。アブねぇ所だったぜ……。

そんなこんなで魔女にサタンの腕について怪しい所が無いか魔法鑑定してもらう。シュパアァ……と魔女の生み出した新聞紙が広がり、その中央に真っ白い陶器のような質感をしているサタンの腕が置かれる。そして、黒い魔力粒子が展開しサタンの腕に絡みつくように蠢き出す。魔女の長い黒髪が静電気を帯びたように逆立ち、やがて黒い魔力粒子の消失と共に収まった。ふぅ……と息を吐く魔女は言う。


「……このサタンの腕。長くは使えないわね」


『?』


俺とエミリは疑問に思う。


「何故だ魔女」


「単純にコウハイ君の勇者の力に耐えられないのよ。基本的にどの装備とかもそうだけど、いくら特殊な加工を施した武具も力が強すぎる勇者の力に耐えきれないから長くは使えないわ。このサタンの腕は強力な魔力を秘めてるからそれなりに使えるだろうけど、度重なる激戦が続けば壊れるでしょうね」


「……そうか。ならとっとと魔王の魔手であるマッシュを倒して俺の左腕に戻ってもらわないとな」


やはり勇者や魔王の力は強いから伝説の武具でない限りは使用に耐えきれないんだろう。薄々わかってはいたが、ここまでの代物でも長くは使えないとなると、俺の勇者魔王としてのパワーはかなり安定して増しているつまて事だ。まぁ、俺にはマジックウェポンスキルがあるから伝説の剣も盾も必要無いがな。

そして、俺は魔女に魔法でサタンの腕を失った左腕に魔力接続してもらう。黒い光が散り、俺の魔手が存在した左腕には真っ白い陶器のような質感であるサタンの腕が取り付けられた。


「……うん。多少の違和感はあるが、自分の思い通りに動くな。これなら日常生活と戦闘にも耐えられる。助かったぜエミリ」


「ちょっとちょっとー!センパイも……でしよ?」


「おう。ありがとよセンパイ」


ったく面倒な奴だぜ魔女は。

まぁ俺の左腕に関してはこれで当分は問題無い。後はこらからの行動でどうにもなるだろ。今は休まなきゃならんがな。

そしてエミリは言う。


「まぁ、今は義手を付けて慣れるまでの休みだと思えばいいさ。必要なら私も寝泊まり……してやるぞ? 身体ぐらいは洗ってやる。洗わないと……汚いからな」


「あぁ悪いな。もう俺もチンコが無いからな。裸を見られても恥ずかしくは無い。


「そうか! オーマは今は妊娠させる兵器が無いのか!」


「おい……心の言葉が口から出てるぞ? お前、まさか俺を看病しつつ妊娠を企んで……」


「いるわけないだろ? この赤髪魔剣士エミリがそんなハレンチな事をすると思うのか!」


「お……おう。そうだな。わかったからその腰のブラッディーソードに手をかけるのはやめような?危ないからな?……な?」


と、危険な思考をしていたエミリの危険な行動を何とか制して助かった。


(にしてもコイツも魔の女だ。油断してるとマジで妊娠狙って襲われる可能性があるな……。流石に襲われるのは怖いから襲う方がいいな。まぁ、俺は勇者魔王だからいつ、どんな女を襲っても許されるんだがな! フハハハッ!)


「何、口開けてんの? リンゴ食べたいの?」


「ブラッディーソードの先端にリンゴ突き刺して食わせるのは……やめろ」


「あらそう? なら魔女お願い」


「ほいほーい」


「リンゴを新聞紙に包まないでくれるか? つーか、新聞紙って食べられないから!」


「新聞紙は非常食にもなるんだよ? 不味いから基本的には食べないけどね」


「いや、魔女は平気でも俺は新聞紙とか食えないから! ホント頼むよお前等! 俺は魔手とチンコを失ってかーなーり! ナーバスなの! それをわかってな!?」


『はーい』


「……ぐっ」


スゲー面倒な感じで返事しやがるぜ!

だから魔のつく女はは嫌いだ!

見た目がいいだけでホント最悪だぜコイツ等は!


「元気になったら貴様等などケツを百回叩いてから妊娠行為をしてヒィヒィ言わせてやる!」


瞬間、二つの殺気が俺を襲う!


『心の声が口に出てるよ……』


「え? あ……アハハッ!二人共元気?俺は元気!」


『元気なら……もっと楽しい事をしましょう……』


「ちょ……待て!この勇者魔王に逆らうのか?今は勇者だけど、勇者に逆らうのは許されないぞ? ……聞いてる? 聞いてない? あー……ヤベェ!俺……死んだ!」


簡易病院の個室が壊れるほどの大きな騒ぎがあり、勇者オーマは二人の魔の女に倒されたようだ……って、俺だ! コイツ等といると身体のダメージが無駄に増えて行きやがるぜ……。そしてエミリは言う。


「好きな世界、行きたい時代や時間に行ける次元を超えるゲート。それは賢者に会う事ね。世界の全てを知る賢者ならばそれも知ってるかもしれない」


「賢者か……。メスパーとマッシュの追跡の途中で出会えればいいんだがな。果たしてどこにいるやら」


「賢者はどこにでもいて、どこにでもいないという話よ」


「どこにでもいてどこにでもいない……まるで神のような奴だな。でも、そんな奴しか次元を渡るゲートを持った存在というのはいないんだろうな」


次は霧の大陸であるジャスティス大陸。

ミストジャマーに満ちるその国には、数多の異世界の謎があるという。

そこに賢者が隠れ住む可能性は大いにある。


「メスパーと賢者。どっちも捕まえてやるさ。俺は勇者魔王だからな」


「確実な事なんて一つも無いわよ。メスパーも賢者も実際はいるかは不明。確定してる事なんて一つも無いの。それでも行くの?」


エミリに答える。


「男は目に見えないモノを求めるのさ」


「女が目に見えるモノを求めるから?」


「そうさ。だから俺は行く。世界の果てまでもな」


「私の処女を奪った責任は取ってもらうわよ。今はいいけど、必ず結婚はしてもらうから」


(……誰がいつ、この状況でお前の処女を奪うんだ? ……ダメだコイツ。どうにもならん)


あえて俺は黙っていた。

ここで押し問答しても疲れるだけだからな。

魔のつく女が二人がかりじゃ分が悪いぜ。


「ちょっと聞いてるのオーマ? 私も今はこの新しい国を生むキッカケを作った罪人として復興に尽力するから貴方もチンコ取り戻してしっかりしなさいよ」


「あぁ、わかった。また会おうエミリ。あばよ」


「えぇまたね。結婚するなら披露宴会場をまず作らないとね。まずは……」


「もう好きにしてくれ。俺は行くぞ。魔女、出発だ。早くしろ。俺の意識が正常である内に出発だ……」


少し頭痛がしつつも俺と魔女は旅立つ。

途中でポテチ大好き爆乳ツインテールのニートが合流した。この天地消滅作戦の中でこのニートは俺とエミリの間を行き来してたからな。コイツも今回は大いに邪魔をしてくれたから次はゴミ袋のように利用してやるぜ。ついでに乳を揉んでやる!


「霧の大陸までは案内してあげるよ。勇者魔王は死んでるからね!」


「……頼むぞニート。今はお前だけが頼りだ」


「ちょ! そこはバンドガンで撃ってくれなきゃ困るよ! 何か本当に勇者魔王が死にました!じゃない? コッチのテンションも下がるよ……」


ショボくれるニートを先頭に俺と魔女は歩き出す。ショボくれたいのはコッチだぜ。チンコが無いのはこんなにも男の気持ちを萎えさせるとはな……。メスパーの野郎は絶対に許さんぞ!

と叫びたいが叫ぶ気力も惜しい。


こんな場面では普通の少女のように涙ぐむエミリは気合を入れろ! と背中を叩いて来る。


(……痛いぜ)


まぁ、コイツにもいずれゴミ袋のように役に立ってもらわないとならんからな。


「俺はいいが、他の入院患者には優しくしろよ」


「乳輪患者!? 妊娠するわ! このド変態!」


「バカ! 俺はまだ骨折が完全にはーー!? ……」


俺の全治が一週間伸びたのは言うまでも無い。魔のつく女はとことん恐ろしいぜ。だがエミリとてゴミ袋のように使い倒してやるさ。

魔手が無いから魔眼も使えないが、ジャスティス大陸のミストジャマーなんて気にせず突き進んでやる! 身体が完治したらな!


……けど、一ついいか?

チンコが無いのにションベンはどうすればいいのか?

そんな事を気付かぬまま身体が完治し、内股の俺は魔女に少し笑われながらメガネ魔法少女メスパーの向かったジャスティス大陸へ歩みを進める。

つーか、あれからションベンしてねーぞ?

尿意すらないから忘れてたぜ……汗で出たのか?

あはは……。

ま、何にせよ次の目的地は霧の大陸・ジャスティス大陸だ。必ず失ったチンコである勇魔金玉を取り戻す!

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