テンゴクフェスティバル前夜祭の夜2
武道大会予選決勝・勇者魔王オーマVS金髪幼女パンテの戦いが始まった。
すでに女が参加してはいけないルールの武道大会予選だが、もう参加して決勝まで来てしまってるから武器の使用も許可された。とりあえず、盛り上がればいいという運営の方針らしい。適当だな全く。
先手はこのパンテこと、テンパに譲ってやるさ……。
この前の空中での戦い同様にパンテは遠距離の黄金魔法ゴールドアローに近距離の爪・ゴールドファング。そして千本もの金毛の針・ゴールドサウザンド。紙一重で全ての攻撃を回避しつつ、ハンドガンでカウンターを狙い射撃する。この予選で一番派手でスピーディな試合に観客も興奮してやがる。まぁ、その一人の魔女は冷静に俺があまり派手な攻撃をしないように視線で牽制してくるがな。
(こっちもここでコイツを消すほどのデカイ攻撃はしないさ。それにテンパの攻撃は基本的に単調だ。けど、一撃の威力は凄まじくかすっただけでも大ダメージになる……そこそこいなしてから、一気に攻勢に出るか!)
スッ……スッ……と回避行動に専念してた俺は、バックステップで背後に逃れた瞬間、一足飛びでテンパに蹴りを入れた。胸にダメージを受けるテンパは巻き髪を乱しつつ、
「ここで体術? 面白い事をするじゃないオーマちゃん。ここまでの戦いでパワーアップしてるなら、スペルガンの弾丸に大魔法を詰める事も可能じゃないの?」
「スペルガンに魔力を注入するのにはコツがいる。魔力のコントロールが神がかりに出来ないと不可能だ。それは勇者魔王の俺とて容易じゃない」
「ならそろそろ本気を出したら? あまり受身でいると痛い目に合うわよ?」
「知ってる。だからもう消えてもらうぜ」
スッ……とハンドガンを魔力変化させこのテンパからこの異世界に来てから貰った、真紅の魔法銃スペルガンにして構える。そしてその何かの大魔法が弾丸を薬莢に込めた。金色の目を細めるテンパは言う。
「まさか、この予選優勝対価の商品で得るはずのスペルガンの弾丸?」
「これはジゴク王宮の宝物庫からくすねたモノだ。予選で出すならまだ隠し持ってる可能性があって調べてみたのさ。だから予選大会の商品には手を出してないぜ?」
「パッパッパッ! でも泥棒に変わりは無いわよオーマちゃん♪」
「黙れ金血鬼。お前は何か不吉な感じがする。だから大魔法の中でも禁忌とされる重力湾曲弾・グラビティボウルで次元の狭間に消す――」
これは重力の渦である小型のブラックホールでどこかへ飛ばす弾丸だ。
大抵はどこかに飛ぶ前に重力の渦に呑まれた瞬間死ぬがな。
シュパー! と静かに放たれたグラビティーボールはシュウゥゥゥ……と歪んで飛ぶ。周囲に重力影響を与えて身動きに支障が出たテンパの動きが止まる。その小さな黒玉がテンパの胸に当たって消えた。スペルガンの弾丸としては、全く派手さは無いな。大魔法を使うスペルガンの弾丸を撃つ時は激しい衝撃やエネルギーが発生するはずなんだが……。
「すごい重力弾かと思いきや小さな黒玉が出ただけ? ……つまりは不発弾ね。スペルガンの弾丸にも不発弾はあるのよ。残念でしたオーマちゃん。死んでね!」
「くっ!」
テンパは黄金魔法ゴールドファングで俺を切り裂きたいようだ。この決して広く無い武舞台じゃ確かに白兵戦が有利になる。だがそこからゴールドファング? 届く距離じゃねーな。まだ距離があるぜテンパ! 瞬時にマジックウェポンで生成したサブマシンガンを構え射撃態勢に入る。そしてニタリと笑う金血鬼の幼女の言葉を聞いた――。
「ゴールドファング……アロー!」
「な!? ゴールドファングが飛んだ!?」
俺はゴールドファングがアロータイプとして飛んだ事に驚きはしたが、そんな慌てるほどの事ではない。ファングとアローが合体した程度なら対処出来る。
「フン、逆にカウンターで飛ばしてやるぜ」
「バカなオーマちゃん。これで終わりじゃないわよん♪ ゴールドサウザンド!」
「なっ! ――チィ!」
飛ばしたゴールドファングアローに千の針のゴールドサウザンドが直撃し、花火に着火爆発するように金の大爪が金針と共に無数の死の欠片となり空間に散る!
「パッパッパッ! 今のなら勇者の光の防御盾・ライトシールドも出す時間も無かったはず。生きていても大ダメージよ。ねぇみんな?」
『おおーっ!金髪幼女パンテちゃーん!』
と予選大会観客は盛り上がってやがるぜ。
ったく、ソイツは死の商人金髪巻き髪クソ女のテンパだっつーの! このロリコン観客共が……。
と、その俺はテンパの予想通り光の防御盾・ライトシールドで耐える。え? テンパの予想通りじゃないって? ま、細かい事は気にすんな。
「どうしたテンパ? お前の予想は当たりか? 外れか? どっちなんだよ?」
「どうしてライトシールドを……あのタイミングじゃ勇者烙印を解放する時間も無かったはずよ? そのタネ明かしをしてもらおうかしら? かしら御存知かしらぁ?」
「相変わらずの口癖だな。まーいぃさ。教えてやる。この左手の魔王の魔手がダメージを受けると右手の勇者烙印のパワーが魔手を支配しようとパワーが上がるんだ。その力で一気にライトシールドを早く出現させられた。逆に勇者烙印のある右手がダメージを受けると左手の魔手が勇者の力を支配しようと動く。結構二つの能力はワガママな美少女のようでしんどいんだぜこれが?」
「ワガママな美少女なんていい表現ね。嫉妬しちゃうわん♪」
と、観客の応援に答えつつも目が笑ってないテンパ。ここの観客は愛玩動物を応援してるだけで楽なモンだなと思う俺は、
「無駄話はここまで。予選大会決勝も次でエンディングだ。準備はいいな?」
「えぇ、準備はいいわ。この話が自分の首を絞める事になったわねオーマちゃん。パッパッパッ!」
「何……?」
「そう、私だけを見るのよ。敵は私だからねぇ……」
「お前だけを見つめたら周りが見えなくなるぜ。そんな恋はしたくない」
瞬間、勇者の超直感が俺の脳髄を駆け巡り、何かの危険を知らせて来る! 随分わかりやすい危険探知だな。おかげでテンパの言葉の意味がわかったぜ!
「上空から悪魔が降ってきてやがったか。悪魔の残骸がな。アレ……売れるかな?いや、ただのガラクタだな。散れ」
スーッと上空から落ちてきていたゴールドファングの大きな破片を俺はマジックウェポンで生成したバズーカで吹き飛ばす! 大きな爆破と共に、あんぐり……とテンパは口を開けて驚いてやがるぜ。ロリはロリで魅力的だなテンパの野郎。金血鬼ってのは金食い虫で嫌だが見た目だけはいい幼女だぜ。
「わ、私の作戦を! 今のが決まれば勝ててたのに……! この腐れ童貞勇者魔王っ! ふざけるんじやないわよぉ! クソカスがぁ!」
「おいおい、あんまり汚い言葉を言うと弱く見える三下だぜ? それにロリキャラじゃないのもバレる。さて、エンディングだテンパ」
俺は地面に落ちていたテンパのコインを広い、その手のコインを親指で上空に弾く。クルクルッ……と回転しながら上空に舞い上がり、そして落下軌道に入る。まるで今回のテンパの試合の流れだな。そして人生の流れでもある。
「勇者の超直感がお前の次の行動を読んだ。お前は自分に自信があり過ぎるから他人の感覚に響きやすいんだよ」
「それはこの私がカリスマだからよん♪」
「なら散れ」
ハンドガンをテンパの眉間に向けて撃った。
テンパは微動だにしない。
観客も呆然と言葉無く立ち尽くしている。
そしてバタリ……と金髪巻き髪幼女は倒れた。フン、と観客席の魔女は鼻で笑っていたようだ。
「テンゴクフェスティバル武道大会予選優勝は勇者魔王オーマ選手に決まりましたー!」
『おおーっ!』
審判が俺の勝ちを宣言し、俺は武道大会予選で優勝した。観客達の拍手が起こる中、俺は敵でった倒れている金血鬼の幼女の前に立つ。パッパッパッ! と言わんばかりの笑みでこの金血鬼は俺を見上げている。
「……最後の一発はダメージを受けて無いのに負けを認めたのか金血鬼?」
「えぇ、貴方が親指で弾いていたコインを撃って弾丸は私に当たらなかったけど負けは認めるわ。やはり殺し合いじゃないと張り合いが無いからねぇ?」
「そうだな。お前はそういう女だテンパ。俺は予選大会の商品を頂いて帰る。せめて今日ぐらいは何もせずにいろよ。テンゴクフェスティバルは明日開催なんだからな」
俺は当初の目的通りテンゴクフェスティバル武道大会予選で優勝した。だが、目の前の金髪巻き髪幼女は予選大会は負けを認めただけだ。つまり、こっからが殺し合いだ。やれやれだぜ。
「やっぱり戦う気かテンパ。祭りは明日からなんだからやめとけって」
「でも観客は望んでるわん。それに審判も試合が終われば干渉しない。だから前夜祭はこれからよん♪」
「観客にはもうすぐでグロいシーンを見せる事になっちまうな。まぁ、仕方ないか。金髪ロリが歪んで消えるのは見ものだろうよ」
「何を言ってるの?消えるのはオーマちゃんよ」
「そりゃゴメンだね。お前の使った魔力秘宝・宝玉の力の影響でメスパーも生きていた。おそらく、ビッグテンパの毛に宿ってた宝玉の残りカスで再生したようだな。お前はロリで復活したようだが」
「このロリ姿はオッサン受けがよくてね。無駄に金が手に入って楽勝だわぁ」
「だが、お前にとってはそんな金ははした金。お前の欲の深さは戦った俺が一番よく知っているさ」
「そうよん♪ 私はこの世の全ての金を集める金血鬼だからね♪」
「そうか。それでこそテンパだ。お前はジギタリスのファナティッバズーカで遥か彼方へ消えるメスパーを受け止めたが、お前には助けは入らないぞ。未知の場所へ消えろ外道」
「貴方も外道でしょうに……」
金髪の幼女はニタァ……と嗤う。
それに呼応するように俺もニタァ……と笑う。
この女と俺の笑みは自分が勝利するという確信がある感情を表したモノ。
それを理解しない観客達はただ盛り上がり、魔女は死の匂いを嗅ぎつけ興奮していた。
「パッパッパ! その笑みは何? まさかこの私を誘ってるの? 童貞のクセに?」
「そうさ。誘ってる。愛の渦へな」
「愛の渦? パッパッパッ! その渦に吞み込まれるのは貴方よオーマちゃん」
「いや、もうお前の胸に俺の気持ちは突き刺さってるさ。これがお前への愛だテンパ」
「? わ、私の胸元に、小さい黒玉がある? まさかこれが――」
そう、この重力湾曲弾・グラビティボウルいきなりは発動しない。
着弾してから相手の身体から重力の渦が展開し、次元の狭間に吞み込まれるまでのタイムラグがある。すぐに死ねず、じわじわと死を感じるのがこのグラビティボウルの恐ろしい所だな。その重力の渦に巻き込まれ出した金髪幼女は焦りと恐怖で叫び出す。
「こ、これが大魔法グラビティボウル!? 着弾して時間差で発動するなんて私も見た事がない弾丸ね! ちょっとーーーっ! こんなんで私は死ねないのよーーーーっ!」
「俺も過去に一度しか撃った事が無い。まぁ、暗闇に消えるだけだから安心しろ」
「パパパ? パッパッパーーーーッ!」
グオオオオオオッ……という重力による次元の歪みの中へ金髪幼女テンパは消えた。
これで永遠に消えてくれると嬉しいぜ。
そんなこんなで変な形のツボをげゲットして中の核の起動キーを手に入れた。これで、エミリとメスパーはアトミックフレイヤを使うのにはタイムラグ無しでは出来なくなる。アレをまともに使うには俺の魔力が多少流れ込んでるメスパーの魔力を大量に消費しなきゃいけなくなるからな。そして俺は予選優勝の商品であるスペルガンの弾丸をもらい、誰もいない選手控え室で荷物をまとめていた。イスに座りながら目の前の壁一面の鏡で乱れた髪形を直す。
「さて、このヘンテコ壺の中の核のキーも手に入れたし、これは後で割ってから取り出すか。そしてこのスペルガンの弾丸が何の弾丸かを後で魔力サーチで確認しないとな。まさか、まさかの魔力注入失敗した不発弾だったらジゴク王の眉間に穴を空けてやるぜ」
そんな事をつぶやきつつ、タオルで顔を拭いスペルガンの弾丸が入るケースを手に取る。
同時に俺の左の目の端に何やらおかしな物体が映る。
(何か気配がするぞ……誰だ? エミリ? それともメスパー? いや、単純に魔女が迎えに来たのか……?)
ふと、感じる気配に俺は警戒心を解かずにあくまで帰り支度をしているフリをしつついた。
(このズズズ……という動きの音はスライムだな。だが何故ここにスライムが? スライムを囮にして奇襲でもかけるつもりか敵は?)
スライムの物音がした以上、これは敵だと判断する。
この無人の控え室に、試合後の隙をつくとは狡猾な奴だぜ……。
そのスライムは俺の背後に移動し、並べられるイスの下からゆっくりと迫っているようだ。
勇者の超直感にビリビリと反応してるぜ?
「さて、帰るかな」
と、わざと隙を生み出す手を上げて伸びをした瞬間――そのスライムは弾かれた弾丸のように飛んで来た! 振り返りもせず、背後から迫るスライムをハンドガンの背面撃ちで仕留め、周囲を策敵する。突如、目の前に現れた水色のツインテールの少女を見た。
スクール水着が破れるような圧倒的な乳の弾力に張り――これはまさしくスライム乳! まさか背後の女は――!
何と! 盗賊ニートが現れた!
驚きのあまり、目の前の壁の鏡の反射で背後にいる事を一瞬忘れていた。
俺はスペルガンの弾丸が入るケースは確保したが、ヘンテコ壺は奪われてしまった。
核の起動キーが入るヘンテコ壷を――。
「盗賊ニート!? お前、まさか核のキーを狙ってたのか?」
「そうさ、そうさそーさーだよ! わざわざ君にバレないように変装したのに、いきなり攻撃したさっきの不意の一撃は許さないよオーマ! ワッチから予選出場させないで勝手に戦ってくれた罪は重いよ!」
「ん? 何か痩せてるクセにブヨブヨしてる身体だと思ったらあの男はスライムレディの盗賊ニートだったのか! 男のフリなんてしてんじゃねーぞスライム乳まで潰して参加しやがって」
「スライム乳は肩がこるから大変なのよ。武器としては有能だけどね」
「そうだな。スライム乳は神の乳だ。それより赤髪魔剣士エミリから依頼を受けたのか? その核起動キーを回収しろってのは?」
「そうだよ。だからオーマを観察してればいつか核のキーに辿り着くと思ったの。残念ながら残念ながら、赤髪剣士エミリは核のキーを回収してくればこのジゴク王国とテンゴクシティーの財宝の全てをくれると言ったの。だから勇者魔王よりも早くアトミックキーを手に入れないとならないのよ。夢のポテチニート生活の為にね!」
「そんな都合良く二つの国から財宝が貰えると思うのか? ダマされてるぞニート。冷静になれ」
「ダマされてはいないわよ。だって証拠も見せてもらったしね」
「何だ? 証拠とは?」
「ま、今は言えないわ。聞きたきゃエミリを倒せばいいんじゃない? どうせ見つけられないだろうけどね」
「待てニート!」
身体をスライム化して狭いスキマを抜けてニートは俺の前から逃げた。
明日はテンゴクフェスティバルだってのに、面倒な事をしてくれやがるぜ全く……。
だが、俺は簡単にニートの居場所を発見し核のキーを取り返す。
街はずれの公園のような場所で、のり塩ポテチを食いながら猫に囲まれるニートを発見したんだ。
「観念しろニート。お前が猫の集まる場所があればそこで宝を観察するのは知ってる。つまり、公園のような場所にお前が来るのも予想済みだぜ」
ニートからヘンテコ壷を奪う。そして壷を割って核の起動キーを取り出した。
「さて、これで核の起動キーの役割も終わりだ。お前もいつまでもエミリの手伝いをしてると俺が散らすぞ?」
「そうだね。勇者魔王は死にました!」
「今更何を言ってやが――!? 核のキーが!」
シュン! という赤い閃光に持っていた核起動キーを奪われた。
長く赤い髪に侍装束のような衣装。そして腰の魔剣ブラッディソード。
この美しい肢体を和装で隠す美少女は奴しかいない……。
「いい加減にしろよエミリ。祭りの本番前にあまりはしゃぐな」
「別にいいじゃない。今回は貴方に触れてないから妊娠の危険性は無いわ。さて、ずらかろうかしら」
「それはどうかな? 今の今まで俺が触れていた代物だぜ? そしてソレは俺がマジックウェポンで生み出したモノだ。つまり、俺の生体反応バリバリ出てるモノを生で触ってるって事さ。わかるな?」
「そんな方法で人を妊娠させるとは……ひ、卑怯なマネを! ハ、ハンカチを使えばいいのよ! それなら生じゃないわ!」
「ハンカチがコンドームかよ」
俺は盗賊ニートに核の起動キーを奪われたが、すぐに奪い返した。しかし、このジゴクシティーを復讐で消し炭にした赤髪魔剣士エミリもそれを狙っていたようでまた奪われた。動く俺に対し、魔を宿した貫通力のあるヤコタナイフを数本投げられ、それをライトシールドでガードした。
「さて、避妊完了よ。起動キーは頂いたわよ! 明日を楽しみにしてなさいな」
「おうやるよ。壊れたキーをな」
「壊れたキー……? まさかさっき手に取った時に!」
「そ。お前が現れる事を考えて壊しておいたのさ。この武道大会予選からニートは俺を尾行し、そのニートをエミリが尾行していたんだろ? この二重尾行なら俺の不意をつけるからな。手の込んだ事をしてくれるぜ全く」
「おのれ勇者魔王オーマ……この借りは明日、必ず晴らしてやるわ。このジゴクシティーの消滅のように……必ずね」
そしてエミリとニートは消えた。俺を見つけて合流した直後の魔女は、それを追おうと駆け出すが――。
「もう、追わなくていいさ。どうせ明日のテンゴクフェスティバルにならないと、上空のテンゴクシティーは下降して来ない。そこが勝負だ……」
「確かに……そうだね」
「それに核の起動キーはここにあるのだ」
「ほえ? まさかさっきは本物を手に入れてから偽物とすり替えてたの?」
「そうだ。壊したと思わせとけば奴等も諦めるだろうしな。……それに、今日の夜空の星はキレイだ。せめて今夜はムダな争いは無く終わりたい」
明日は決戦だからな……。
公園のベンチに座って俺と魔女は夜空を見上げた。
空はテンゴクシティーの城を隠すミストクラウドで真上は白い雲しか見えないが、周囲の空は満天の星々だぜ。
『……』
そっ……と柔らかい魔女の肩を抱いて、俺達は無限に広がる星空を見上げた。
明日は、決戦のテンゴクフェスティバルだぜ!




