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核弾頭回収作戦開始と現れる漆黒の半魔女

「そんなこんなで勇者魔王は死にました!」


「ゲ!? まだいたのか盗賊ニート!」


水色の髪のツインテール。ぱっちりオメメにやや厚めな赤い唇。何故か着ているスクール水着の胸は張り裂けそうなほどに豊かなスライム胸がその存在を主張してる。そのスクール水着の巨乳少女は豊かな乳を揺すポテチ大好き盗賊ニートは消えたと思ったらまだいやがったぜ。そのニートはスライムのようなウネウネした腰の動きをしながら言う。


「さっきから気になってたけど、オーマばかり喋って魔女は以外に喋らないのね。魔女は無口なの? パクチーなの?」


『パクチー?』


 相変わらず意味のわからん事ばかり思いつきでいう奴だ。

 ポテチがあれば黙らせられるんだが……。


「魔女は無口でもパクチーでもクラスチェンジーでもない。多くの情報を扱うお前を警戒してるだけだ。魔女の不老不死のを利用しようとすり奴はこの世界にごまんといるからな。だから基本的には知らない相手とは話さないのさ。それが危険な相手なら尚更だ」


「ふーん。でもまさかオーマに相棒が出来るとは思わなかったよ。ワッチはビックリンコさ!」


「そうか。とにかく核を封印した場所から袋ごとメスパーが持ち出したのは間違い無いだろ。袋に入れずにバラバラにして離れた場所に封印すりゃ良かったか?」


 腕組みをして考える俺に魔女は、


「え、コウハイ君袋に核を入れて封印したの? ちなみに封印した場所は?」


「お前の故郷であり、俺が初めに異世界転生したムーンライト村の近くの滝のある近くの森だ。あそこなら人もほぼ来ないしいいと思ったんだがな」


「一度そこに戻る?」


「いや、戻っても核はもうないから無意味だ。それよりもメスパーを追撃した方が早い」


「二人共中々面白い事をいいますのー。ワッチはその袋を目撃したかもねー」


『本当!?』


 と、反応する俺と魔女にニートは答える。


「その袋はまさか、ここに来る前にすれ違った赤髪剣士の人かな? 深く網笠をかぶってたから顔はわからなかったけど、その人が白い袋に凄い魔力反応があるモノを隠して歩いていたね。ワッチのスライム乳は半径三メートル以内なら多少漏れ出る魔力でも見つけるからね。その人物がオーマの核弾頭を掘り起こして、使った真犯人かな?」


「ソイツはAFと書かれた袋を持ってなかったか?」


「確かに持ってたかも。何か変なプレイでもするのかなって、不快だったよ。もしかして、それってまさかアナ……」


「違う! アトミックフレイヤの略だ! 変な事を言うと散らすぞ!」


「わ! わかった! 魔女とすでにアナ――」


「してねぇ! 童貞が先にそんな穴に入れるわきゃねーだろ! いい加減にしろ!」


「すんませんでした! 勇者魔王は死にました!」


「死んでねぇ……テメーを殺すぞニート」


 と、ニートの口にハンドガンを突っ込み、脅して黙らせる。やはりすでに残る二つの核弾頭を持ち去られていたか……。

 だが、ニートがすれ違ったならまだ敵はそう遠くには行ってはいない。

 ならば――。


「追撃戦だ。ギガバーニアンモードで強襲をかけて核弾頭を回収する。お前は後から来い魔女。この大陸の国境を越える前に核弾頭を回収して赤髪野郎も始末する。隣の大陸に入られたらこっちも土地勘が無くて終わりだからな」


 他の大陸へ渡る為の国境を越えるには手形発行する必要がいる。それは大人だけじゃなく赤子さえも必要だ。その手形作成の時に、全身の内在魔力チェックと称しての身体検査時に魔法犯罪者ではないかなどの犯罪歴などの個人データと照合し、危険人物かそうでないかを判断するんだ。

 たとえ危険人物と、判断されなくても怪しい人物は自由に泳がせ、悪しき尻尾を出した途端に殺される。だからこそ、まず国境の人間を脅す為に核弾頭を使う可能性がある。使われれば、その国の王都が消えるだけだろう。チンタラしてるわけにはいかん……。


「核弾頭回収作戦を回収するぞ。これからは時間との勝負だ。先に行ってるぞ!」


「ちょ! センパイをおいてく気!? これじゃ迷子になるパターンだよ?」


「ここはもう通信魔法を遮断するミストジャマーも薄い。俺の戦闘状況で膨れ上がる魔力を感知出来るのは容易いだろ。頼んだぞセンパイ!」


「オッケー! 任せときんしゃい!」


「各マジックウェポンステムチェック。通信マジックウェポン。システムオンライン。火器管制マジックウェポン。システムオンライン。マジックマップシステムオンライン。脈拍、血圧、心拍数共に異常。マジックウェポンシステムオールレッド……よし、全てのパワーが三倍のような赤さ具合だぜ。第一オーマスーツ・ギガバーニアン起動!」


 シュパ! と白い魔力粒子が展開しこのギガバーニアンモードは肩に大型の魔力推進装置を展開させ、その出力で超スピード飛行出来る優れ物だ。飛行中はほぼ直線的な動きしか出来ない欠点があるから、使用場所は限られるオーマスーツだが、今回のような作戦には役に立つぜ。さぁ、核弾頭回収作戦の開始だ!






 流れる流星のような超スピードで俺は空を駆け、核弾頭を持つ赤髪野郎を追撃する!

 視認と魔力レーダーの索敵で敵を見つけようとするがまだキャッチは出来ていない。あの盗賊ニートの話しからするにそろそろ敵の存在が見えてもいいはずだ。それにさっきから地上を歩くモンスターの群れが俺に気づいてるが攻撃はして来ない。荒野の赤い大地に生息する気性の荒いモンスターでも飛行できなきゃただのゴミ袋だな。


「だがゴミ袋は利用価値がある」


 俺はギガバーニアンのブースターを吹かすのを止め、地上に降りた。

 すると、地上のゴブリンやリザードンなどのモンスターの群れが一斉に俺に向けて駆けて来る。いいねぇ……その気構えを絶望を知っても無くすなよ?


(……ニートと出会ったはずの赤髪野郎の姿が見えないとなると、俺の存在に気づいてどこかに隠れたとしか思えん。ならば、あぶり出してやるだけさ。変な魔力反応がしたのを俺が見逃すとでも思ったのか? 赤髪野郎……)


 そう思案しつつ、サブマシンガンの連射で一気にモンスターの群れを射殺する。

 この爽快感……ゲーセンでエイリアンを倒すゲームに似てるな!

 と、久しぶりのモンスターとの戦闘で俺は現代の事を思い出していた。

 そして、ゴブリンだけ一匹生かす事にした。

 仲間の屍骸を見たそのゴブリンは一目散に逃げ出し、俺は手を振って見送る。


「あのゴブリンが勇者魔王が来たと仲間に知らせれば、ムダな敵と戦わずに済む。そして、この周囲で動きを止めて俺の存在を回避しようとしてる人間こそが真の敵だ。ゴブリンに紛れて逃げるのは無理だからな。ゴブリンはそこまで遠くには逃げられない。奴等にも地域ごとの縄張りがあるからな。だからこそ、奴さんを炙り出せるのさ」


 俺は一分の休憩の後、座っていた岩から立ち上がる。


「さて、あのゴブリンに着けた探知機を調べてみるか」


 ギガバーニアンの両肩の大型ブースターポッドを吹かし、一気にゴブリンの探知機の信号が出るポイントまで急行する!

 ズダダダダダッ! と野生のバッファローのような勢いで逃げるゴブリンの団体の前に俺は現れる。ギャアアアア! とゴブリン達が叫ぶ大混乱の状況をじっ……と見極める。


(赤髪野郎め。俺の情報を持ってるゴブリンの近くにいるのは明白だぜ。こんな時は敵に紛れて逃げるのが吉と考える奴は多い。戦う気があるならゴブリンを囮にして一人で少し逃げてから奇襲をかけるだろうが、核を保有してる以上戦闘は避けたい。お前の心理なんさお見通しだ赤髪野郎)


 俺から逃げ去るゴブリンの群れをズン! ズン! ズン! と大股で歩いて追いかける。

 蜘蛛の子を散らすように逃げるゴブリンの中の違和感を見つけた。


「あえてゴブリンの群れに隠れて逃げる。ゴブリンの動くスピードがお前に脅されていて遅くなってるのに気づかなかったのか? 俺の封印した核を盗んだ赤髪野郎」


 瞬間――ズバアアアアッ! という疾風魔法がゴブリンの群れを肉のコマギレに変化させた。おびただしい血と腐臭が荒野の大地に立ち込め、俺は赤髪野郎の声を聞く。


「それは和装の赤髪魔剣士の事でしょう? 私はメスパー。メガネ魔法少女漆黒のメスパーですニャーン」


「……!? お前は赤髪野郎じゃなくてメスパー……だと?」


 黒髪ショートボブの純黒セーラー服を着た黒縁メガネの似合う、クラスの委員長みたいな魔法少女・漆黒のメスパーが現れた。ほぼ無表情のままメスパーは薄い胸をアピールするようにネコ招きポーズをとっておじぎをした。


「改めて挨拶しましょう。呼ばれましたのでニャニャニャニャーン。どうも漆黒のメスパーです。よろしくお願いします。ぺこり」


 ゴブリンの群れに隠れて逃走してた人物は幾度も俺と戦っているメガネ魔法少女漆黒のメスパーだった。

 そこで敵の正体を正確に二人知る事になった。

 一人はこの漆黒のメスパー。

 もう一人は和装の侍。それが赤髪野郎の正体のようだぜ。


「……メスパー。ストーカーとか執念という言葉を超えてるぜ? お前は一体何なんだ?」


「これから知りますニャーン」


「そうか。散れ」


 それにしてもメスパーの執念は凄まじい。

 スウゥ……と超能力魔法で無理矢理空を飛び回る。


(空を飛んでるんじゃない。超能力で空中の一部を歪めて空気を圧縮して個体のように固定するようにして、そこを蹴って移動してやがる……コイツ化け物か? 今は先の事は考えず、まずはこのメスパーを倒す)


 だがコイツ……本当に魔法少女漆黒のメスパーか? 誰かのフェイクで俺を暗殺しようとする奴かも知れん。念の為、すぐにクイックドローを仕掛けられるようにショットライフルのトリガーに意識を集中させておく。


「お前……何故生きてる? 俺のブラックアンボビウムのギガビームキャノンの一撃はお前の全身を確実に消滅させた。核も残らない以上生きてるわけがない。魔女以外はな」


 そう、魔女という不老不死の存在しか全身を消されても再生する事は無い。魔女の下位互換の魔法少女など生き残れるわけも無い。だからこそ、この漆黒のメスパーの姿の敵は今回の新しい敵が化けてる可能性もある。この異世界は日本の幕末のように生きてる奴が死んでいて、死んでる奴が生きていたなんて事は当たり前のようにあるからな。だが、さっき言った通り今回は俺がトドメを刺した以上、メスパーは死んだはずだ。


「お前をゴールドキャッスルで倒したあの時はテンパの使ってた宝玉の力が影響してたから生きていても当然という答えは無いぞ。宝玉の力はテンパのみにあり、あの瞬間はお前はテンパから離れていた。生きていられるわけがない……お前、本当にメスパーか? メスパーたる証拠を見せろ。でなければどこの誰か知らんまま散るだけだ」


「だって私はもう魔法少女じゃないもの。魔法少女からクラスチェンジしつつある存在。魔女に近い半魔女ニャーン」


 ニャーン……じゃねーだろ。

 半魔女だと?

 コイツ……どうやらマジのようだな。


「半魔女か……どんどんヤバい奴になるな」


 と、俺の額に新たなる強敵の出現で冷や汗が流れるのを猫招きポーズで見据えるメスパーは超能力魔法で空中に浮遊し出す。

 どうやら空中戦をするようだ。

 この勇者魔王と空中戦をしようなど自殺行為だぜ。俺は第一オーマスーツ・ギガバーニアン生命線である両肩のブースターポッドを吹かし白い魔力粒子を散らせる。そして俺も浮遊し出す。魔女との夜により魔力が三倍に上がった事により、腕、腰、足に姿勢制御のスラスターを搭載している。この一方通行仕様でしかないギガバーニアンの機動力を生かす装備だが、この戦闘で使いこなしてみせるさ。


「新装備のギガバーニアンの機動力と運動性を舐めるなよ」


「いやいや、そんな鉄の機械を舐めたりしませんよ。そんな趣味はあーりませんの。ニャーン」


「そうゆー意味じゃねーし! ニャーンじゃねーし! ホント、魔がつく女はロクなヤツがいねー!」


 相変わらず話が通じない半魔女になる魔法少女メスパーに俺は苛立つ。魔女といい、魔法少女といい魔がつく女はロクなヤツがいない! なので散らす!


『はあああああああーーーーーーーーっ!』


 バシュ! バシュ! バシュ!とこの空域に螺旋を描くように激突しつつ二人は空を駆ける!


(中々の空中戦だ。やりやがるなメスパー。……?)


 激突の最中、突如メスパーの純黒セーラー服の袖が消えた。

 これは何かの罠か?

 と思ってるとそのメスパーは黒縁メガネをくいっと小指で持ち上げ言う。


「魔法少女制服をノースリーブにしました。半魔女になると、体温が上がって困りますね。ニャーン」


「冷めたツラして身体は熱いか。確かに魔女もフードマントの下は全裸だったな。そうなら俺の熱でお前の全てを炭化させてやるぜ。魔女は一人で十分なんだよ」


「愛されてますね魔女は。意外に貴方は女に甘い。女に変な願望を抱く少年。所詮は童貞ですね」


「黙れ。散れ」

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