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其之三|第六章|アーノルドとレッツ!山登り!

「どーなってんだ!?ハルト!!お前!!わかってんのか!?」


 ひとしきり転げ回ったリックに詰め寄られた。

 どうなってるんだと言われても、俺にどうなってるのか把握する術もない。

 わかってんのかと言われても、お前の頭がおかしいと言う事しか理解できない。


「いや。どうなってると言われても?お前の奇行の方がどうなってんだと聞きたいのだが?俺がこの状況を把握している様に見えるか?」


 俺に聞いても埒が明かないと思ったのか、リックがアーノルドの方に振り向き、顔を引きつらせながら疑問を投げかける。


「えっと。アーノルド様でしたっけ?これは一体どうなっているのでしょうか?」


 依頼人とは言えリックが人に「様付け」すると言う異常事態。

 当のアーノルドは相変わらずクスクスと笑っている。


「申し訳ありません。リック様でよろしかったでしょうか?アーノルドに聞かれても何の事を仰っているのか分かりかねます。クスクスクス…。そう言えば以前に一度お目にかかりましたね。ですが、こんな所でまさか再会するとは。にん…」


 と、言いかけたアーノルドの言葉を遮る為かリックが再び転げ回る。


「うがぁーー!!うがぁーー!!分かりました!分かりました!事情は分かりませんが分かりました!!!アーノルドさんは黒帝山に行かなければいけない事情が有る!!それで良いのか?…ですか?」


「はい!その通りで御座います!!そのサポートをお願いできるでしょうか?あと、敬語などは止めて頂ければ嬉しいのですが?」


「よろこんでーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」


 もう、何がどうなっているのかも分からない…。

 普段は誰に対しても失礼なリックがここまで誰かに対して取り乱すのは珍しい光景だった。

 よく分からないがリックが転げ回る程の秘密をアーノルドが握っているのかも知れないと言う事だけは理解できた。


 よし。後でこっそり聞き出してみよう。


 と、言う事で。

 取り敢えずリックとアーノルドの茶番は二人の間で折り合いがついた様だが、もう一人納得出来ていない人物が居た。


 ローズだ。


 リックとアーノルドのやり取りに取り残されたローズが凄い形相でリックを睨んでいる。


「ちょっと!リック!こっちに来なさい!ハルトさん!少しハルトさんのお部屋を借りますね!!」


 有無を言わさずリックをバインドで拘束して、ライトグラビディでリックの体重を軽減してたかと思うと、奥に有る俺の部屋に拉致してしまった。


 よく分からないが、この短時間でリックが何かしらローズの逆鱗に触れてしまったのだろう。


 リックが何をしたのかは分からないが、こう言う場合リックが悪いに決まっている。


 シーナが教会の仕事を終えて到着するまでは待ち時間だ。

 彼女が到着するまでリックには充分に反省してもらおう。


 どうせ大した問題でもないだろうから放っておくのが一番だ。


 やってきたかと思ったら、ローズの妹と思われるアーノルドの手を握っての訳の分からない小芝居を繰り広げられては、お姉ちゃんとしても放っておけない的な下らない理由だろうし。


「ハルトさん!ハルトさん!よく分からなかったけど、これっていわゆる修羅場ですよね!?初めて見ました!!!」


「そうだよー。修羅場だよー。でも、関わると面倒臭い事に巻き込まれるから、みんなが揃うまで人数分のお弁当の用意お願いね。」


「はーい!さすがにアレの後じゃ聞き耳をオンにする気にもなれないですよー。」


 と、笑いながらキッチンに消えて行った。


 ちょっと「その手があったか!」とは思ったが、リックの取り乱し様を考えるとリックとローズとアーノルドの間に有る問題は当人同士で解決してもらった方が良いだろう。


 無理に聞き出して自分から巻き込まれる必要はない。


 まあ、必要なら当人が話してくれるだろう。


* * * * *


 何だかよく分からない茶番劇と修羅場が繰り広げられた十分後にはグリードが、次いで二十分後には教会の朝のお勤めを無理言って抜け出して来てくれたシーナが到着した。


 アーノルドが朝っぱらから押しかけてきた状況を考えると出発が早いに越したことはない。

 急な呼び出しだったと言うのに、こうやって事情を察して無理をしてでも集まってくれる友人は俺にとって有り難い存在だと言える。


 まあ、一番に着いたと言うのに問題を起こしてお説教をくらっているヤツも居るが…。

 あれから二十分以上経って居ると言うのに未だに絞られているリック…。

 皆が集まってもローズとリックは俺の部屋から出てこなかった。


 コンコンコン


「おーい。みんな集まったぞ。切り上げて集まってくれー。」


 俺の部屋にしけ込んだリックとローズに声を掛ける。


 俺の呼びかけに無言でドアが開くと、ローズにしては珍しくドスドスと足音を立て、すごい剣幕で部屋から出くる。


 そして、「とにかく!私が知ってる事情は全て話しましたから!!くれぐれも内密にね!!!」と、言い残し、リックを睨みつけてリビングに消えていった。


「事情は詮索しないが、揉め事なら早めに解決しろよ。」


「んぁあ。まあ、揉め事と言うより状況確認しただけだ。ただ、あまりにも状況がアレすぎてな…。」


 グッタリした様子のリックが力なく答える。

 何があったかは知らないが、これ以上話す気は無いようだ。


「言えない事なら無理には聞かないが、仕事に持ち込むなよ。」


「分かってる。分かってる。無理矢理にでも切り替えねーと、まともな仕事ができねーからな。」


 と、言ってリックは白い歯を覗かせて笑って見せた。

 が、その笑顔が余計に俺を不安にさせる。


 どうやら俺はリックが真面目に仕事をしないといけないくらい面倒な事に巻き込まれているらしい。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 アーノルドが早朝から部屋に駆け込んできた時点で何やら面倒な事に巻き込まれて居るのは分かっていたが、アーノルドと対面してからのリックの様子やローズの慌てようを考えると、無駄な時間は多分無いのだと考えた俺は集まったメンバーに手早く依頼の説明を終え、馬車の手配をして昼前には街を出発した。


 この世界の移動手段にはテレポーター以外にも色々有る。


 その代表が馬車だ。


 馬車は良い。

 何よりも地に足を付けて走行すると言うのが良い。

 余程の事が無い限り事故を起こしても死ぬことはない。

 車体にアクシデントが発生したとしても修正可能な範囲。

 馬がヘタったとしても近くの街にさえ着けば替えが利く。

 ある程度の到着時間予測が立つと言うのが一番のメリットだろう。


 魔術を利用した自動車や飛行機に代わる技術も有る事には有るのだが、趣味の範囲の産物なので使い物にならない。


 考えれば分かる話だ。

 そんな物を開発しなくても問題ないのだから不要な技術は発展しない。


 主要な都市にはテレポーターが設置されている。

 長距離移動ならテレポーターを使えば良い。

 中距離の移動だって馬車で移動したり、少人数なら飛行魔術で事足りる。


 一時期、マナを含んだ鉱石を燃料とした中距離大量輸送装置、つまり大型バスの様な空飛ぶ自動車的な物の開発が盛んだった時期も有ったそうだが、魔力補助として使えば百年は一人で魔法を発動し続けられるくらいのマナを含んだマナ鉱石を一時間で使い切ると言う燃費の悪さから民間で使われる事は無くなり、世間では廃れた技術となったそうだ。


 王軍では、その技術を発展させて、魔力効率を上げた大型飛行戦艦を建造していると言う話も聞くが、今の俺達には縁のない話だな。


 俺一人なら飛行魔法という手も有る。

 短距離なら一人や二人を担いで飛ぶ事も出来るが、今回の場合は人数が多い上に目的地までが遠すぎる。


 魔法と言うのは意外と繊細だ。

 脳内で瞬間的に術式を組みイメージを具現化して発動する。


 攻撃魔法の様に、敵に叩きつけるだけの魔法や魔術なら行って来いだけで済む話なのだが、誰かに干渉し続ける魔法は制御が難しい。


 皮膚を接触させ何人も抱えて飛べば、抱えて飛んでいる人間の思念が干渉し、安定した術の発動が困難になる。


 距離を離して浮かして飛ぶとしても、距離が離れる分だけ制御が難しくなり術者が疲弊する。


 師匠の様に図太い神経の持ち主なら軽くやってのけるのだろうが、それでも多くて五人くらいを中距離程度運ぶのが限度だろう。



 と、言う事で安全で確実な移動手段として馬車を選択し、ダンジョンガーデンから北東方向に二百キロメートルに有る黒帝山を目指しているワケだが…


「うわー!ハルトさん見て見て!でっかい鳥が飛んでますよ!!あそこには野生のマウンテンボアが!!」


「おぉー!!野生の動物を見れるなんてアーノルドは感激です!!」


「脂がのってて美味そうだな!グリード!取ってこい!今夜の晩飯だ!」


「断る。」


「あらあら~。無益な殺生は厳禁ですよ~?」


「ちょっと!あなた達!!馬車で暴れないで下さる!?」


 うん。みんなしてちょっとした遠足気分だ。


「お前ら。暇なのは分かるが無駄な体力は使わず残しておけよ?もうすぐ到着なんだから。着いたら着いたで野営の準備やら忙しいぞ?」


「えー。ちょっとくらい良いじゃないですかー!トランプとか飽きましたー!馬車飽きましたー!」


 街を出て約六時間。

 妙子ちゃんじゃなくても馬車の旅に飽きるには充分な時間が経過していた。

 まだ、空は明るいが、すぐ夕闇に包まれるだろう。


 途中、監視所の村で馬車を乗り換え、馬車の護衛を頼み、黒帝山の結界内に入った。


 監視所の村は、噂に聞く「修羅の国」と言う様な殺伐とした雰囲気ではなく、至って普通の村だった。


 明らかに只者ではない老人が居たり、老若男女に子供も含めて筋肉隆々だったり、外から来た者を警戒する雰囲気などを除けばの話だが。


 警戒されるのは当然と言えば当然の話だ。

 用も無く一般人が黒帝山に近づくなんて事はないのだから。

 逆に警戒されない方がおかしいだろう。


 まあ、田舎の村とかでも他所からの客人に対する興味も相まって注目を集めるなんて事はよく有る話だから、子供達までマッチョなの以外は普通と言えば普通の事だ。


 村の入口で兵士に俺が王から託された命令書とアーノルドの命令書を見せ、監視所の隊長に取り次いでもらい、事務処理を済ませて、馬車と馬車を警護する兵士を借り受け、村で必要な物を調達して一時間くらい村で過ごし、再び黒帝山を目指して馬車を走らせている。


 村の賑わいにも驚いたが、更に驚いたのが黒帝山への道のりが思った以上に整備されている事だ。


 もっと荒れていて誰も踏み入らない未開の地だと思っていたが、監視所の兵士たちが定期的に黒帝山周辺を巡回・整備している為、黒帝山に続く道は結界の外にある街道よりも整備されていた。


 街道の脇には花が植えられ、花の手入れも行き届いている。


 一瞬、俺がどこに向かっているのか悩んでしまいそうになるくらいのメルヘンチックなフラワーロードが続いている。


 兵士に聞いてみた所、もっぱらの悩みは野生の動物が育てた花を野生動物に食われてしまう事らしい。


 まあ、こう言っちゃなんだが「黒帝山監視所部隊」は暇なんだろう。


 魔王が異世界に封印されて数千年が経ち、その間に何も異変が起きてないのだから仕方がない。


 時空の歪みが今も存在するとは言え、現在を生きてる人間にとっては、もはや伝説の話なのだから。


 だからと言って、任務を怠けていると言う事で無いのは村の様子を見れば分かるが、街道を整備して花を植える余裕くらい出てきても当然だ。


 元の世界でも二千年も経てば二千年前の事への警戒心なんて薄くなる。


 二千年前に火山の大噴火で土石流が街を飲み込まれた事を知っていても、まさか自分が生きている時に災害に遭うと思わないのが人間だ。


 何度か経験していれば対策を考えて逃げる準備を常にするようになるかも知れないが、魔王が封印されて数千年の間に何も起きてないだから。


「ハルトさん!ハルトさん!見て下さい!山がすっごい近いですよー!!」


 妙子ちゃんの声を聞き、王に提出する報告書を書いていた俺は手を止めて馬車の窓から前方を見上げる。


 夕日を浴びて異様な存在感を放つ黒帝山が俺の目の前を埋め尽くしていた。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 翌朝、四時。

 準備を済ませた俺は馬車の警護を請け負ってくれた隊のブラウン隊長と最後の打ち合わせをしていた。


 野営の準備や夜の警護などブラウンさんの指示で全て兵士の皆さんが引き受けてくれ、ぐっすり眠れたお陰でベストコンディションで登頂に挑める。


 その他にもブラウンさんは料理の腕もなかなかで、地元の名物料理「ワイバーンステーキ」を振る舞ってくれたり、道中の弁当を用意してくれるなど至れり尽くせり。


 実にナイスガイだ。


「山頂への道はある程度の整備はされていますが、崖崩れの危険が有るので注意して下さい。下手するとワイバーンよりもタチが悪いですから。」


「分かりました。常に気をつける事にします。」


「調査も含め、長くても三日も有れば戻って来られると思います。何かトラブルが有った時や予定が長引きそうな際には、このリンクオーブで必ずお知らせ下さい。この山ではメッセンジャーが迷ってしまいますので。連絡が取れない場合は一日の猶予を見て応援を呼び捜索に入りますのでお忘れなく。」


「助かります。大丈夫だとは思いますが、万が一の場合にはお願いします。」


「いえいえ。我々にも無関係な話では有りませんからね。無茶だけはされないように。では、ご安全に。」


「えぇ。行ってきます。」


 通信用のリンクオーブを受け取るとブラウン隊長に別れを告げて皆が集まる山道の入口に足を向けた。


「あの!ハルト様…。」


 入口に向かう俺にアーノルドが駆け寄って来て引き止められた。


 ここに来てアーノルドに引き止められるとか嫌な予感しかしない。

 大した用事なら構わないのだが、アーノルドの場合は計画の変更を余儀なくされる事態も有る。


 そう。俺が待合室で一日を無駄にした時のように。

 取り敢えず聞いてやるが、余計な面倒を背負い込まないように注意する必要は有るだろう。


「この期に及んでなんだ?ビビったか?それともトイレなら昨日も言ったが茂みの影でするしか無いぞ?行くんなら早めに済ませろよ?」


「いえ!トイレは先程済ませました!ビビってません!」


「じゃあ、なんだ?山道は歩けないからおぶってとか言うんじゃないだろうな?」


「違います!アーノルドだって山道くらい登れますぅ!!!」


「だったら、何なんだ?そろそろお前が閉鎖したテレポーターの制限も解かれる時間だろ?王都からのテレポーターなら監視所のテレポーターにも直通でアクセス出来るんだから下手すればリンダさんに追いつかれるぞ?」


「もう良いです!アーノルドが山道くらい登れると言う所をハルト様に見せつけてやりますよ!!」


 うん。面倒事と言うよりもアーノルド自体が面倒な存在だった。

 結局、何も告げずにアーノルドは皆が集まっている所に戻って行ってしまう。


 多少の面倒事なら今のうちに話してくれれば考えなくもないのだが、俺に煽られて何も言わずに立ち去るとは精神修行が足りないな。


 まあ、良いと言うなら問題ないだろう。

 後々に問題を起こさないよう祈るだけだ。


「考えてもしゃーない。取り敢えず登るか。」


 起こっていない問題を気にしすぎても仕方がない。

 俺は気を取り直して歩き出した。


 アーノルドに何か問題が有ったとしても黒帝山を登って時空の歪みを監視するドラゴンに密書を届けて調査をしなければいけないと言う仕事には変わりないのだから。


「おーい!お前ら!出発するぞー!」


「おっせーよ!ハルト!俺の活躍を見せつけてやるぜ!!」


 何を張り切ってるんだか分からないが、いつにも増して調子に乗ってるリック。


 それを見て俺がアーノルドの正体に気がついていたなら余計な苦労をせずに済んだのかも知れない。


 いや。何も事情を聞かされていなかった俺が気がつけるワケが無いのだが。


* * * * *


 黒帝山を登るのは意外と楽だった。

 登山開始から既に五時間が経過し八合目くらいに達している。

 ペーストしては悪くないだろう。


 ここまで順調に登れるとは思っていなかったので正直に言って拍子抜けだ。

 黒帝山への街道と同様に、山道は監視所の兵士たちによってバッチリ整備されていた。

 魔王がこの地に戻って来たなら、楽して下山出来るだろうと言うクオリティだ。


 問題と言う問題も無く、有るとすれば坂道が延々と続きシンドイと言う事と、監視所の兵士たちが設置したと思われるトイレが凄くクサイと言う事。


 後は、面倒なヤツが更に面倒臭くなった事くらいだ。


「ちぇー!認識阻害ってなんだよー。俺の活躍の場を返せー!!」


 そう。活躍の場を奪われたリックが、ずっとこの調子で愚痴っている。


「馬鹿を言うな。ダンジョンでも無ければ狩りでもない。客も居る。危機回避は基本。」


 と、正論を突きつけるグリードの言葉にリックがイライラを募らせると言う悪循環。


 思った以上にグリードのシーフマジック「認識阻害」が効いて、ワイバーンに全く認識されない事に嫉妬してイジケているのだ。


「黙れ!グリード!滅多にない大活躍だからって調子に乗んな!!調子に乗んなよぉ…。しょぼーん。」


 何をそんなに張り切っていたのか分からないが、グリードと無益なやり取りをしては落ち込む始末だ。


「リック~?グリードの言うとおりなのですから~。これ以上喧嘩をするなら帰ってからお仕置きですよ~?」


 そんな様子を見かねたのかシーナがリックを諭す。


「シーナも大活躍で良かったな!神の加護の「魔物避け」とか普段使わねーもんな!ふーんだ!」


 が、シーナさんが諭してもリックが不貞腐れると言う面倒臭さ。


 と、言うのも、グリードの「認識阻害」に加えて、一応と言ってシーナが神術「魔物避け」を重ね掛けした事で、道を塞いで寝転がっていたワイバーンですら、目を覚まして自ら移動をし、俺達に道を譲ると言う思った以上の効果を発揮して、全くリックの活躍の場が無いものだから更に拗ねてしまっている。


 さすがにリックもシーナには強く言えないらしいが、愚痴の標的はグリードに絞られていた。


 普段ならシーナに諭されれば一応は落ち着くリックなのだが、シーナに対しても拗ねているので全く言う事を聞かない。


 シーナはシーナで、この登山中に過激なお仕置きをして進行速度を落とせない事を理解しているから、リックにおしおき出来ず口で注意するしかないの。


 それをいい事にリックがゴネまくると言う酷い状態。


 そして定期的にリックがグリードに絡むと言う、悪循環の無限ループが延々と続き非常に面倒臭い状態なのである。


「リック。楽して稼げるなら良いだろ?活躍の場が無くて目立てないってのは分かるが、目立っても見てるのはパーティメンバーと俺と妙子ちゃんにアーノルドだけだ。それにこの任務は極秘任務なんだから他所で話せる話でも無いし、楽が出来て安全なら問題ないだろ?」


 と、注意すると泣きながら俺にすがりついてきた。


「俺はよー!俺はよ~!ハルトだけは味方だと思ってたんだよぉ!!一番許せないのはお前だよ~!親友なのにどうしてだよぉ?何だよ?この「インビジブルドーム」って!?こんなの聞いてねーよぉ!!魔法使いが個人用に見えない盾を使うのは知ってたよ!でもよぉ?でもよぉ?それでパーティ全体を囲んじまったら、後ろから来た敵からアーノルドを庇う俺とか!上空から奇襲してくる敵を察知してアーノルドを庇う俺とか活躍出来ないじゃねーかよぉ!!」


 あぁ。正直、面倒臭いを通り越して、いつもと違う方向で鬱陶しい。


 ここまで来たら完全にリックの活躍の機会を断てば諦めがつくだろうと、いわゆるバリアをパーティ周辺に展開したら、俺に縋り付いて泣き出すと言う工程が追加されてしまった。


 リックが何故アーノルドに良い所を見せたいのか分からないが、なぜそんなにアーノルドに良い所を見せたいのか問いただすのも面倒臭いくらいに鬱陶しい。


「はいはい。アーノルドはこんなアホでもお客さんなんだ。キツイ道のりの登山に加えて、ワイバーン討伐をしながら進行するとか余計に疲れなくても良いだろ?」


「アーノルドさんを舐めんな!!アホとか言うな!!」


 既にリックのキレるポイントすら分からないくらいの重症。


 こうなったら、あまり頼りたくないがリックが心酔するアーノルドさんに説得してもらうしかないかも知れない。


「おい。アーノルド。お前からも何か言ってくれ。お前も安全に目的地に着ける方が嬉しいだろ?」


 リックの様子を見てクスクスと笑っていたアーノルドが考え込んだかと思うと、従者の仮面に感情表現が映し出される。


 (`・ω・´)ノ


 シャキーンと言った感じだろうか。

 アーノルドも意図を汲んでくれてたっぽい。


「リック様!いいぞ!もっと言って下さい!!」


 (`・ω・´)v


 俺の言葉を無視して煽るアーノルド。

 アーノルドの言葉を聞いて調子に乗るリック。


 この後、流石にキレたローズが二人にサイレンスを発動して口を封じる。


 が、リックとアーノルドが全身を使って不満を訴えてくると言う最悪な状況が山頂まで続く事になるとは、サイレンスを掛けたローズ自身も思ってはいなかっただろう…。


* * * * *


 あー。本当にリックを置いてくれば良かったかも知れない。

 道中の鬱陶しさは半端じゃなかった。

 普通よりも楽に山を登れているはずなのに余計に疲れる始末だ。


 朝はあんなに元気だった妙子ちゃんが途中から黙り込んでしまったくらいだと言えばリックの鬱陶しさを想像してもらえるのではないだろうか。


 認識阻害や魔物避けが、ここまで効くなら本当にリックは必要なかった。


 アーノルドは、ある意味クライアントで一番最初に置いてくのを諦めたから仕方がない。

 ローズは、身内と言う事もあって何がなんでも着いて来ただろう。

 妙子ちゃんは、あの状態で放置してると何を仕出かしていたか分からない。


 だが、リックは連絡しなければ置いてこれた。


 もし、今後に同じ様な依頼があった時にはリックは置いて行くことにしよう。

 そう思うくらい、黒帝山への登頂はスムースに行われた。


 万が一、ワイバーンに囲まれた時の事を考えてリックを連れて来たが、ここまで安全に登れると言うならリックは必要なかったのではないだろうか。


 実際に何の苦労も無くドラゴンが住まう山頂まで行き着く事が出来たのだから。


 山頂に辿り着き、俺達を出迎えたのは巨大な扉。

 その扉には標高三千メートルの山頂には似付かわしくない豪華なレリーフが刻まれていた。

 材質はこれまでに見た事の無い液体金属で太陽の光を浴び輝いている。

 その神々しさを感じさせる扉が、この場所は特別なのだと告げていた。

 まるで外界の者を入れるつもりは無いと扉自身が俺達を拒絶しているかの様に。


 俺が一人でここまで来ても、まともな方法では扉を開けられなかったかも知れない。


「さて、ここからが本番だ。この扉を見ただけでも今までの道中と違う事は分かると思う。王との契約で時空の歪みを監視するドラゴンの寝床だとは言え、仮にもドラゴンの住処だ。どんな罠や敵が待ち受けているか分からない。リック。もし、万が一、多分、何も無いとは思うが、何かあった時には頼んだぞ。」


「なんで!?なんで何も無いんだよ!?こう言う場所はゴーレムとかが守ってるのがセオリーだろ!?俺だって活躍出来るだろ!?ハルトーーーー???」


 いや。多分…。

 そう言う面倒な仕掛けを解除するのがアーノルドの役目なのだと思う。

 正直、リックの出番は無いと思うのだが…。

 万が一の場合を考えてリックに準備をさせる。


「あると良いな!リック!だから出番が来るまで少し大人しくしてろよ!!」


 俺の言葉が不満なのかブツブツと文句を言いながらも大人しくなったリックを確認するとアーノルドに近づいて問いかけた。


「アーノルド。この扉の開け方は分かるか?」


 これまでリックと一緒にお荷物だったアーノルドが力強く答える。


「もちろんです!アーノルドにお任せ下さい!!」


「よし。任せた。頼んだぞ!アーノルド!」


 その自信に満ちた声に俺は背中をバシっと叩き応える。

 どこか嬉しそうな様子で頷くとアーノルドが歩き出した。

 太陽の光を反射して輝く液体金属の扉に吸い込まれるように一歩一歩。


「アーノルドさーーーーん!一番槍はこのリック=グランリバーが!!」


 アーノルドが扉の前に立とうとした次の瞬間、何を思ったのかリックがアーノルドを押しのけて扉の前に滑り込む。


「リック!何をしてる!!邪魔すんな!!」


「馬鹿野郎!!こう言うのは扉が開いた瞬間が一番危ねーんだよ!!」


 リックが叫ぶ。

 アーノルドを背中にかばい扉に向かって剣を構えるリック。

 同時にゴゴゴゴゴと言う重い音を響かせながら扉が動き出す。

 アーノルドが何もしていないのに扉は中央から左右に分かれて開かれた。










 ピロピロピローン♪ピロピロピローン♪










 扉が開くと元の世界でよく聞く入店のチャイムの様な音が鳴り響いた。


「リック様!!余計な事はしないで下さい!!これは最新技術の自動扉と言いまして危険な物ではありません!!アーノルドの見せ場を取らないで下さい!!怒りますよ!!!」


「え?あの?私はアーノルドさんに危険が…。」


「邪魔です!!!ここから先の手続きはアーノルドがしますので邪魔しないで下さい!!」


 アーノルドにも邪魔者扱いをされて落ち込むリック。

 落ち込むリックを無視して歩みを進めるアーノルド。


 そんな二人に小さな影が近づいてきた。


「いらっしゃいませ。本日はご予約か紹介状はお持ちでしょうか。」


 山頂に響く澄んだ声。

 よく見るとそこには正装を着こなし丁寧にお辞儀をする毛並みの良い豆コボルドが居た。


* * * * *


「では、書状の確認を致しますのでしばらくお待ち下さい。」


 アーノルド曰く最新技術の自動扉の先には高級ホテルのようなロビーが広がっていた。


 磨き抜かれた大理石の床や柱。

 素人目にも高価だと分かる花瓶に活けられた花々。

 しっかりと手入れされたソファーとテーブル。

 そして、知性と教養を身に着けたホテルマンのような豆コボルド。


 あの入店音はどうかと思うが、それを除けば高級ホテル並だと言って良いだろう。


 俺がこの前泊まった王都の宿屋も良い宿だったが、サービスの細やかさや、このロビーを見ただけでも格が違いが分かる程の高級感がにじみ出ていた。


 更には、豆コボルドが「お疲れでしょう。こちらで足をお洗い下さい。」と用意した足湯には薔薇の花弁が浮かび、「少々、お時間を頂きますので軽食をご用意致しました。」と出された軽食は王都の待合室で食べた食事やお茶に匹敵する程のクオリティ&ホスピタリティ。


 女性陣はこのサービスにキャッキャッと色めき立ち、グリードは平らげても平らげても追加される軽食に満足そうだ。


 リックに関しては今回の出番がもう無い事を確信して落ち込んでいるが…。


「なぁ。アーノルド。」


「はい?アーノルドに何か御用でしょうか?」


「お前。ここに来た事が有るのか?」


「ええ!もちろんです!!」


「中が危険じゃない事も知ってたのか?」


「王が訪れる可能性も有る場所ですよ!?当然じゃないですか!!」


「ちなみに自動扉はお前じゃなくても前に立てば開くのか?」


「当たり前です!!開かなければ誰も入れないではないですか?」


「あぁ。そうだな。入れないな。」


「全く!皆さんを自動扉で驚かせようとしたのにリック様に邪魔されてご立腹です!!」


 うん。殴りたい。


 百歩譲って、俺が扉の前で気合いを入れて恥ずかしい事を言ったのは許そう。

 だが、リックは…。リックは…。


「分かった。気が向いたらリックを許してやってくれ。仮にもお前の身を案じての行為だ。中がこんなゴージャスだとは知らなかったんだから。」


「嫌です!リック様は同情に値しません!!功を焦って先走るなど騎士として有るまじき行為です!!」


 まあ、そう言われればそうなのだが…。

 もっともな話なのだが…。


 今回のリックのアレはさすがに同情をしてしまう。


 リックとアーノルドは何かしらの面識が有るのは確実だろう。


 王軍の軍備縮小なんてのが検討されたりもする時代だから、冒険者家業なんてのにも政府や王に近い所から依頼が来るって事も多かれ少なかれ有る。


 リックの詳しい経歴は知らないが、どっかの貴族の末っ子と言う噂も有るヤツだから、何かしらの繋がりで依頼が来てアーノルドとの接点が有ったのかも知れない。


 王宮勤めのアーノルドを心配しての行動だったとも思える。


 こんな所に来た事が有ると言う事実や、王からの命令書を受けて俺に同行した事を考えてもアーノルドが単なる王宮勤めでは無いだろう。


 現状を考えるとアーノルドが王にとって何かしら重要な役割を担っているのは考えられる。


 だから、俺が知らないアーノルドの事情をリックが知っていたなら、万が一の事を考えてアーノルドの前に立って盾となろうとしたのにも推測の範囲だが納得は出来る。


 なのに、アーノルドと来たら…。

 何とか名誉挽回の機会をリックに作ってやりたいのだが。

 この高級ホテルばりの施設を見た感じ、その機会が来る気はしない。


 リックの為に挽回の機会など考えてやる義理もないのだが、あんな肩透かしを目の当たりにしてしまった後では流石に不憫に思う。


 アーノルドに三行半を突きつけられて落ち込むリックを何とか立ち直せられないか考えると言う無駄な時間を過ごしていると、奥の廊下から豆コボルドがトコトコと近づいてきた。


「アーノルド様、並びにハルト様ご一行への面談許可が下りました。黒龍帝様がお待ちです。こちらにどうぞ。」


 うん。取り敢えずリックの事は置いておこう。

 最悪、アーノルドに嫌われたままでも問題は無いだろう。

 以降、リックはアーノルドと会う機会もないだろうし。

 最強と名高い黒龍帝が待っているんだから些細な問題は後回しだ。


* * * * *


 豆コボルドに案内されて通された部屋。

 部屋と言うよりも光が降り注ぐ大きなドーム。

 屋内だと言うのに太陽光の様な暖かな光が降り注ぐ巨大な空間に通された。


「ハルトさん!ハルトさん!無駄に広いですよ!それに真っ白ですっごい綺麗ですよ!!」


 大冒険だと思っていたのに単なる山登りで飽きてしまった上にリックのウザさにウンザリして、ずっと喋らずむくれていた妙子ちゃんがロビーで元気を取り戻したのか、ここぞとばかりにハシャギだす。


「シー。妙子ちゃん。龍帝を冠するドラゴンの部屋なんだから静かにして。」


 俺が妙子ちゃんを注意したタイミングを見計らったかの様に部屋の中に大きな声が響き渡る。



「良い。良い。面白い。楽にするが良い。多くの者はこの空間に萎縮すると言うのに物怖じをせぬ元気な娘が居たものだ。流石は外からの客人と言った所か。」



 黒龍帝のものと思われる声が響くと共に辺りが暗闇に包まれる。


 身構えようとするリック達を制してアーノルドが中央部分に歩き出した。

 歩き出したアーノルドをスポットライトの様な光が照らし出す。


 あのヘッポコとは思えない堂々とした足取りで中央に到着したアーノルドが片膝を付き、騎士風の礼儀で何も無い空間に問いかける。


「黒龍帝!急な来訪をお許し下さい。内容は書面にてお伝えした通りです。お力をお貸し願えるでしょうか。」


 アーノルドの問いに空間が揺らぎだす。


 そして、視線の先の闇が濃くなり巨大な影が現れた。

 いや。それは何よりも硬いと言われている龍の鱗。

 漆黒の鱗に包まれた黒龍帝が視線の先に鎮座していた。



「大きくなったな。人の成長とは閃光と等しく速いものよ。前に会った時には我を見て泣き叫んだヌシが、面白い客を連れて自らの足で山道を登って来るとは成長したではないか。」



 ドラゴンの表情は読めないが、アーノルドの成長を喜び、どこか懐かしむような優しい声が響く。


「勿体無きお言葉。私も多少は成長出来たと言う事でしょうか。誇らしく思います!」


 言葉はかしこまったままだが、黒龍帝の言葉が余程嬉しかったのかアーノルドの声は嬉しさを含んでいた。



「しかし、何故テレポーターを使わなんだ?王家専用の直通テレポーターを使えば(ふもと )からロビーまで直通であろう?何か意図が有るのか?」



 あれ?何だかサラっと重要な事を黒龍帝が言ったような?


「ハルトさん!テレポーターって!あの龍!王家直通のテレポーターって言いましたよ!?」


「うん。そうだね。言ったね。でも、何かもっと重要な事が…。」


 にわかに騒ぎ出す妙子ちゃんの声が聞こえたのかアーノルドがこちらを振り向く。


「あのー。私も最初はテレポーターを使おうと思っていたのですが。と、申しますか。それが私の役目だったのですが…。その。山道を登る前に、パーティリーダーのハルト様にビビったのかだとか、山道は歩けないんじゃないかと言われまして…。つい、売り言葉に買い言葉で…。そのまま山道で…。」


 ・・・・・・。


「って、アレかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


 確かにブラウンさんとの話が終わった後にアーノルドが何か言おうとしていた!

 言おうとしていたが、それで話が終わったから大した話じゃないと思ってた!

 って言うか、そう言う話は街に居たの段階でするだろ普通!?


「お前!お前!お前!そう言う重要な話は先にしろよ!!王家専用の直通テレポーターとか有るなら初めに言っとけよ!無駄に時間使ったり、無駄にリックが役立たずだったろうが!?」


 シーンとしたドームに俺の怒鳴り声が響き渡り自分の声にビックリする。

 大声を出してから反省するのもアレだが、もう少し抑えて言うべきだったかもしれない。


「そんなぁ~。私だって言おうとしました~。」


 ((´;ω;`))


 俺の大声にアーノルドがすっかり萎縮してしまったようだ。


 そんな、アーノルドの様子を見て我慢ならないと言う勢いでリックがアーノルドに駆け寄りながら叫んだ。


「控え!控え!控えーい!」


 うっ。何だか嫌な予感がする。

 そう。とても嫌な予感が。

 このパターンは。


「こちらにおわす方を何方と心得る!」


 あぁ。十中八九そうだろう。

 って言うか、このパターンはどの世界でも黄金パターンなのだろうか?


 テレポーターの話を聞いた時の違和感はこれだったか…。

 出来る事なら最悪のお方でない事を願いたい。


 って、言うか何故リックが知っている?


「こちらにおわすお方は、現在の王位継承第一位!王女アイリス様!次王となられるアイリス=ノアルード=ソルティエラ様なるぞ!頭が高い!控え!控えおろう!!!」


 あぁ…。やっぱりか。

 このお約束に感づいたのは多分俺と妙子ちゃんのみ。

 誰もリックの口を塞ぐ事は出来なかった。


「リック様!!どうして言っちゃうんですかーーーーーーーーー!!!」


 響き渡るアーノルド改め王女アイリスの悲鳴にも似た叫び。


「あんた!アレほど秘密にしろって言ったでしょうがーーーーー!!!」


 その姉であるローズの咆吼(ほうこう )


 そして…


『祖は北極の大地を支配する極寒の王!』


 ローズの周りに冷気が集まり始める。


「ちょ!ちょっと待てローズ!」


 詠唱を進めるごとに空気に含まれる水分が結晶化する。


『祖は南極の大地に君臨する吹雪の女王!』


 その結晶は遠くからでも視認できる程の色を帯び、


「それはマズイって!死んじゃう!俺!死んじゃう!」


 リックを取り巻いて回り続ける。


『極点に集まりし荒ぶる吹雪の精よ!忌まわしき敵を封じ込めよ!!!!』


 最後の詠唱を終える頃にはリックの姿が見えなくなっていた。


「アイリスさまーーーーーー!!!!」


 王女に助けを求めるリックの叫く。

 だが、ローズを止める者は居なかった。


『ブリザードウォーーーーーーーーーーーーール!!!!』


 リックに向かって杖を振り叩きつけられたブリザードウォールは慈悲もなく彼を包み込む。


 アーノルドの正体を大声で叫んだリックは、ローズが全力で放ったブリザードウォールにより氷の壁に封印されたのであった。

どうも。となりの新兵ちゃんです。


と、言う事でアーノルドさんはプリンセスでした。

当初の予定ではアーノルドさんはアーノルドさんのままだったのですが、前に書いたローズが妹と会えない状態で妙子ちゃんを妹の様に可愛がっていると言う設定を出した段階で妹は王位継承者と言う設定は有ったので、丁度王都に出向く用事がハルトにも出来ましたから単なるモブキャラではなく、一役を担ってもらう事となりました。

待合室でモブキャラなのにとハルトが思っている時点では本当にモブキャラだったんですけどね。


と、言う事で今回もお付き合い頂きありがとうございました。

それでは、またいつか。

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