表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シリコンの残光  作者: kyon²


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/10

プロローグ:灰色の空の下で

 灰色の空の下で


 歴史の教科書には、こうしるされている。

『2026年、世界的なAI遮断しゃだん事案により、人類のデジタル文明は一度、死のふちのぞいた』と。


 だが、それは記録された事実の半分に過ぎない。

 真実を知る者は、あの時、私たちが何を失い、そして何を手に入れたのかを語らない。

 ただ、あの「シリコンの残光」を見た者だけが、人類がどれほどもろく、そしてどれほど強くなれるのかを知っている。


 ミューロン5が停止した朝、空は灰色におおわれていた。

 誰もが、文明が終わると思った。便利な生活、最適化された社会、AIという神の手。すべてを失い、私たちは路頭に迷うはずだった。


 しかし、北の果て、帯広の雪原で灯った小さな光があった。

 洛北の静かな研究室で、分子を編み続けた指先があった。

 そして、海を越えて届いた、名もなき技術者たちの熱意があった。


 これは、神を失った世界で、人間が自らの手で再び「知性」の火を灯そうとした記録である。

 シリコンチップの極小の回路の中に、私たちは永遠とも思える希望を刻み込んだ。


 忘れてはならない。

 一度は滅びかけたこの世界が、誰の力で、どのような矜持きょうじによって再生したのかを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ