歴史は繰り返されるのか その2
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一方
キワザス側で向かい打つ予定の冒険者達
なかなか、魔物が向かってこないため、ある冒険者パーティが先行して様子を見に来ていた。
昔、初心者講習でお世話になった「ナイトウォーカー」だ。
Aランク冒険者ということもあり、先陣を切ってのバトルとなる予定であった。
どんどん前に進むと見慣れない塔が立っていることに気づく。
よくは見えないがその塔から火の玉が無数に放たれているのに驚いていた。
「あんな数のファイヤーボールか、うちらより有名な冒険者パーティでも来ていたのか。」
サウザンドは、驚きを隠せないでいた。自分でもあの量は難しい。
「ギルドは何も言ってませんでしたね。」
ヒリギさんも驚きながらパーティ内で情報をすり合わせる。
「まーいいじゃないか、うちらの仕事が減って」
ナイトは、少し楽観的。
マキ達は、魔法を打ちまくり魔物を倒してはいるが、魔物は減る様子があまりない。
ダンジョンから、まだまだ出てきているようだ。
マキは、ある作戦のためクウィと連携を取る。
「クウィ!お願い。」
「クウィ~(やれやれ)」
クウィは、魔物の方に飛んで行く。
マキが倒して魔物が魔石になったものをクウィの世界に格納していく。
(本来は、収納魔法ではないが、多少は物を運んだりできるようになっていた。)
空には火の玉があり、クウィには少し危険だが、ファイヤーボールはマキの魔力でできたもの。
ある意味食料でもあるので、致命傷になるわけではない。
それにクウィも成体になったらドラゴンと戦うことになる、多少の炎など、涼しい顔で受け流せるほどだ。
クウィは、高速に移動し、マキの方へ戻ると大量の魔石をクウィの世界から取り出す。
そして、マキはその魔石を使いクウィに魔力を還元するのとマキとユキで魔法を放ち魔物を倒すを繰り返す。
「なんかクウィ飛行速度が前より速くなってない?あんなに素早かったっけ…?」
ユキは、少しびっくりした様子。
「念話も覚えたし、クウィも成長しているのよ」
マキは、自慢げにユキへ話す。(親目線)
「ユキも従魔ほしい~~!」
一時間が過ぎた頃、森の縫い目ダンジョンの方へ続く道は、地形も変わり辺りにある木も燃えてしまっていた。
町と森の境目にあるから森の縫い目ダンジョンと呼ばれていたが、ファイヤーボールを連発しすぎて、美しい木々が炭になっていた。
「少しやり過ぎたか…」
マキは、少し反省。どうやら、魔法を切り替えるようだった。
「そうだね。怒られちゃうね。クスクス」
ユキは楽しそう。
そうすると、マキは別の魔法を使う。
「クラウドレイン」
雲を発生させ雨を降らせる。雨を降らせるだけで、魔物にダメージはない。
辺り一帯、水で湿らせ、魔物もまた濡れる。
示し合わせていたかのように、続けて、ユキが
「サンダーボルト&サンダーストーム」
少しの魔力で魔物を濡らし、そして、雷で感電させダメージを与える。二人の連携魔法。
ファイヤーボールよりかは、ダメージが少ないし、ダメージを受ける時間差も発生してしまうため、思ったほどの威力は出なかった。
そんな間に、大型の魔物。多分あれば、オーガだろう
体長10mもあろうか、大きなオーガが迫ってくる。
雷の魔法で少し痺れてはいるもののその体格からか、ものともしない様子だった。
他のゴブリンやホブゴブリン、オークなどとは体力の数値も違う。
だが、オーガはダンジョンにはいない魔物だった。
「あのオーガ、ダンジョンにはいなかったはずだけど、どこからきたんだろう?」
ユキは不思議そうにマキに話しかけてくる。
オーガは突進してきているので、そこまで余裕はない。
「たぶん隣接する迷いの森辺りの魔物だと思うわ」
オーガは、ゴブリンやオークを好んで食べる魔物。
ダンジョンからかなりの数の魔物(ゴブリン、オーク)が飛び出してきたので、きっと餌をとるために追いかけてきたのだと思われた。
思いのほかオーガは素早くこちらに近づいてくる。
「マキちゃん。初心者講習のリベンジね」(正確にはリベンジじゃありません。一度倒しています。)
ユキは、杖を構え臨戦態勢を取る。
「リベンジなのかな。あの時は倒しているよね。ユキちゃんしっかりしてよ」
マキは、首をかしげユキの緊張感の無さを注意したい感じで言っている。
「細かい事気にしない。くすくす」
ユキは楽しそう。
初心者講習では、付き添いのナイトの助言もあり苦戦しつつも倒す事ができていた。
2回目ということもあるし、2人はこれまでに苦労、経験も得ているので敵ではない。
「まーそうね。前も倒しているから大丈夫。」
ダンジョンから出てきた魔物ではないと思うけど、一応、あのダンジョンには、土属性の魔物もいたはずなので、マキは冷静にオーガを観察していた。
変わった様子もなく、たぶん普通のオーガということが分かった。
マキは、特大のファイヤーボールを作成し、オーガに落とす。
「特大のファイヤーボールを食らいなさい。」
マキは、両手をあげファイヤーボールを操作し、手を下すと同時にファイヤーボールも同じ動きをする。
頭上から大きなファイヤーボールを落とす。隕石のような、太陽のような大きさ。
以前とは比べものにならない威力。あたり一帯を吹く飛ばしオーガを焼き殺す。(おかげでクレータが出来上がる)
これまで冒険して来た経験を糧になんなく倒す事ができた。
「さすが、マキちゃん。成長してる!。」
戦場の真ん中にもかかわらず、ユキは緊張感がない。
油断は、禁物だった。
魔法の威力は大きかったためか、音などから一斉に魔物が向かってくることになってしまう。
その中に2体目のオーガが隠れてた。
そして、接近を許してしまい、土の塔に思いっきり体当たりされてしまう。(簡易的な土の塔、体当たりでかなり亀裂が入る)
「あぶない!ユキちゃん。」
激しく塔は揺れ、油断していたユキが塔から落ちてしまう。
「キャーーーー」
「あ!あぶない!」
塔から落ちたユキの正面には、見上げないとならないほど巨大なオーガがいる。
オーガは、落ちたことを見ていたのか、すぐにユキめがけて踏みつけようとする。
次回の投稿は、8月8日を予定しております。




