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50杯目 そうだ外食しに行こう

スナシーの街を目指しているんだけど、なかなか異世界の移動は時間がかかるね。

日本だと1日あればたいていの場所には行けちゃうのにね。


統合首都から魔王の馬車に乗って出発したけど、途中で降りて徒歩で移動してるみたい。

さすがに魔王の馬車をいつまでも借りるわけにはいかないし、護衛がたくさんいるからこれからの旅に連れていくわけにもいかないってさ。


そんなわけで、まだスナシーの街を目指して移動中なんだ。

もちろん夜はみんなと飲んでるし、昼間は安全で景色の良い場所があると自分を異世界に呼んでくれて見せてくれるんだよ。日本では見られない不思議な風景がいろいろとあるね。


とはいえ、異世界に行ったとしても1日1時間くらい。

現時点で自分が異世界にいられる1日3時間は全く使い切らない感じなんだよね。

だから昼間は日本で買い物する以外にもお店をぶらぶらと歩いたりしてるんだ。

そのうちみんなが住むようになるから、必要なものがいくらするのかチェックしたりね。


そうやってぶらぶらしてると、最近ずっと外食してないなって気が付いたよ。

夜にみんなのお酒と料理を用意するようになったから、飲むとき以外の食事は残り物とちょっとした物で済ませてたからね。みんなよく食べるからあまり残らないんだけどさ。

それに、神様ペイに入るのはみんなからのお金だから、自分が外食するのに使うのはちょっと違うかなって思ったりしてさ。


でもね


「タクちゃんが食べたいものを食べてくれば良いのにゃ」

「タクノミ殿は何も遠慮する必要がないでござる」

「そもそもこれだけのことをしてくれているのだから報酬が無いほうがおかしいのよ」


なんて言ってくれてさ。

自分はみんなにご馳走になってるつもりだったから予想外の答えだったよ。


それに


「悪魔的にはゆっくり食事するのも必要だよね」

「そうですわ。いつも用意するのは大変ですわ」


だってさ。みんな優しいよね。

とはいえ、お金の方にもちょっと問題があってさ。


乾きの杯のみんなから一人3000円ずつ、合計1万5000円が神様ペイに毎日入金されてるんだけどね。

みんなたくさん飲むからさ、酒代が1万円を楽に超えちゃってるんだ。

5人のお金で自分とウーミとサクラミの分も賄ってるってのもあるし。

だから毎日けっこうギリギリで、今後のためのお金とかもほとんど貯まらないんだよね。


でもこれも少し楽になってきたんだ。


『ぱんぱかぱーん。お家がレベルアップしましたよー」


ってサクラミからのお知らせがつい最近あってさ。

これからは一人4000円ずつ、合計2万円が毎日入金されるんだって。

これなら少しは余裕が出てくるかな。


しかも異世界側では向こうのお金で一人あたり1万円分を支払ってるんでしょ。お金持ちのパーティーだよね。

向こうのお金で1万円を日本円に変換すると4000円に減っちゃうってどんだけ酷い手数料なんだよって思うけど、最初は2万円が2000円だったことを考えるとだいぶマシになったね。


足りないならもっと払うってみんなは前から言ってくれてる。

でも仕組みとして今はこれが1日の金額の限界なんだってさ。


ということが重なって、今日はお昼に外食しようと思ってるんだ。

久しぶりだから何でも食べたいな。どれにしようかな。なるべく家では食べられないものが良いな。

って考えてたら、いつの間にかラーメン屋に入ってたよ。


うん。美味しい。

スープは醤油味。すっきりした味わいなんだけど、しっかりとした美味しさがあるよ。

これ本当にスープが美味しいな。調味料をたっぷり使うようなジャンキーな味付けをしてないんだ。

ちょっと具材を入れたら、みんなの本格的なつまみになるかもしれないね。


麺も自分好みだよ。細くて少し固めのしっかりした麺。家で作るラーメンだとこういうしっかりした麺は食べられないよね。

タレと和えたらみんなも喜んで食べるかな。


何よりもこのチャーシューが美味しいこと美味しいこと。

箸でつかんだら崩れ落ちそうなくらいほろほろとやわらかくて、それでいてとってもジューシーなんだ。口の中に旨味があふれまくってるよ。

これはもうこのままつまみになるよね。みんなも大好きだろうな。


これはラーメンというかちゃんとした料理って感じがする丁寧さだよ。

つまみとしてじゃなくて、食事としてみんなにも食べてもらいたいな。


ラーメンだとお酒のつまみにはならないからねえ。

というか、お店のラーメンは持ち帰ることができないだろうし、もしできたとしても夜にはのびのびになっちゃうよね。


あれ?チャーシューは持って帰ることができるみたい。

100グラムあたり350円か。スーパーの安めの牛肉と同じくらいの値段だ。

ちょっと値段はしちゃうけど、こんなに美味しいんだからみんなにも食べてもらわなきゃ申し訳ないね。よし頼もう。


「すみません。持ち帰り用のチャーシューを2キロいただけますか?」

「へい。チャーシュー2キロ・・・・・・2キロ?」


8人いるとね。多めに買っちゃうよね。お店の人もこの量は驚くよね。

他にもつまみは用意するから、今日と明日の2日に分けて食べることにしよう。

1日の金額が増えたから少し気が大きくなっちゃった。


夜。

カットしたチャーシューを軽くレンチンして2枚ずつ用意したよ。

本格的にレンチンしちゃうと火が通りすぎて硬くなっちゃうからね。まずはお店で買った本来の味を楽しむために軽めのレンチンで。


「にゃんにゃのにゃー!美味しすぎるお肉なのにゃー!!!」

「食べたかと思ったら口の中で崩れ落ちていくでござるよ」

「肉の味がこれでもかってくらい感じるわ」

「悪魔的に旨味が爆発してるよね」

「このような味付けでこのようなジューシーなお肉は口にしたことがありませんわ」


やっぱり美味しいよね。そうだよね。結構なお値段を出して良かったよ。ラーメン屋さんグッジョブ。

最初に2枚しか出さなかったのは、他の食べ方もしようと思って。


まずは鍋に醤油ラーメンのスープを入れて沸騰するまで温めるよ。

スーパーで売ってる小袋のラーメンスープの素を使ったんだ。本来はお湯を入れて混ぜるだけで良いやつ。

チャーシューは8人分だけどスープは2人前の量にしているよ。そんなにいらないからね。


沸騰したら火を止めて、さっきと同じようにカットしたチャーシューをスープの中に入れちゃうよ。

火を止めたのは肉を煮ないようにするため。火を通しちゃったら硬くなるからさ。

レンチンだと水分が飛ぶけど、この方法で温めるとしっとりが保てるでしょ。ラーメンスープだから味も喧嘩しないで馴染むし。


温まったら肉だけを皿に取り出すよ。

スープは再び沸騰するまで加熱してから火を止める。今度は味付け玉子をスープに投入して同じように温めるよ。

普段からちょくちょく味付け玉子は作ってるんだけどさ、せっかくだからチャーシューと一緒にね。


肉と一緒に玉子を盛り付けて、上からスープをかけたらラーメンスープで温めたチャーシューと味付け玉子のできあがり。


「あったかお肉で美味しいのにゃ」

「これはさらに肉が崩れ落ちていくでござるよ」

「スープと肉が合わさって、また別の味わいになっているわ」

「悪魔的に旨味が何度も何度も爆発してるよね」

「このようなスープも口にしたことがありませんわ」


ラーメン屋さんのスープと一緒に食べた味には敵わないけどさ。少しはラーメンっぽい雰囲気を楽しんでもらえたかな。温め方を変えるだけで別の美味しさがあるよね。


切ったときに出た端っこの不揃いなチャーシューも料理しちゃおう。

まずは味付け玉子をボールに入れて崩していくよ。そこにチャーシューの切れ端と刻んだネギをボールに入れるんだ。それでチャーシューのタレとマヨネーズを入れてまぜまぜ。それだけで完成。

切れ端は少ししょっぱいからマヨネーズとまぜまぜすればまろやかになるよ。


もう1品。端っこ・・・はもうないから、チャーシューをさいの目切りに。

それに刻んだネギ、ごま油、ラー油、さっきのラーメンスープをちょびっと入れて混ぜるだけ。


どっちもみんなに喜んでもらえたみたい。

お昼に食べたラーメンはそのままで美味しかったけど、自分が作るときはいろいろと味変しちゃった。

でも、お酒を飲んでるときはいろんな味があると良いよね。


それもたっぷり買ったからできること。

少ししかなかったら、もったいなくてそのまま食べるだけだよ。


「これだけ美味しいものを出してくれるなら、タクちゃんはもっとお外で食べてくると良いのにゃ」


ゴロンニャに同調して他の4人も大きくうなずいてるよ。

でもねえ。あんまりお金を使っちゃうのもね。


「タクちゃんは頑張ってるんだから気にする必要はないのにゃ」


みんなもうんうんうなずいてる。

でもねえ。あまりお金がなくなるとお酒の量を減らさないといけなくなるからなあ。


あれ?何も言ってくれないの?

みんなもさっきまでうなずいてたのはどうしたのさ。

何事も無かったかのように別の話題になっちゃったよ。

やっぱりみんなはお酒が第一みたいだね。


でもしばらくしてからまたこの話題に戻してくれて、いつでも外で食べて良いよって言ってくれたんだ。みんな優しいよね。

ただお酒を減らさないようにってめちゃめちゃ念を押されたけどさ。


みんなは自分の家から日本へ行くことができないけど、いつか一緒にお店で食べられたら良いな。

そうなったら食べるんじゃなくて飲みに行きたがるよね絶対に。



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