49杯目 新生パーティーの目標は
ゴロンニャ、リンコ、グリンナ、テトテト、ズィ姫の5人で活動を再開したパーティー『乾きの杯』なんだけど、数日が過ぎてもまだ統合首都にいるんだよね。
もちろん毎日飲んでるし、今日もまた飲み始めたよ。
「昼間はずっとゴロゴロしていたのにゃ」
「拙者は街をぶらぶらしてきたでござる」
「テトは王宮に仕えてるみんなに挨拶してたんだよね」
「ワタクシはダンスの練習をしていましたわ」
みんなパーティー活動とまったく関係ないことをやってたみたいだね。
せっかく再開したのに、のんびりしてるよね。
「それももうおしまいよ。今日はこれからの活動について話すわ」
さすがにずっとこのままってわけではないんだね。
のんびりしてたのもグリンナがいろいろと頑張ってたからなんだ。
せっかく統合首都にいるから、いろいろと情報収集してたんだって。
それとティーナやグィ王と何度も会ってたみたい。
本格的な話が始まる前に、メインのつまみを持ってきちゃおう。
今日の料理はキノコ炒め。味付けは麺つゆとバター。これが絶妙な味なんだ。
エノキ、しめじ、エリンギ、マイタケを食べやすいサイズに切ったらバターで炒めるよ。
火が通ったら麺つゆを入れるんだけど、その麺つゆには少し顆粒の出汁を入れて混ぜておいたよ。
出汁を足すことで麺つゆだけよりも味が良くなるんだ。
麺つゆは味付けとして使うからそんなに多く入れないよ。全体にからめて水気が少し飛んだら完成。
「ついつい次も食べたくなっちゃう味なのにゃ」
「お酒を口にするペースも上がってしまいそうでござるな」
「キノコのシャクシャク感がクセになるわね」
「悪魔的には美味しすぎるよね」
「まるで山をそのまま食べているような料理ですわ」
今日も満足してもらえてるみたい。良かったよ。
ズィ姫も普通に食べてくれるね。これなら変に考えなくて今まで通りの料理を出せば大丈夫かな。
あ、なんだか真面目な話が始まりそう。
「これからの活動についてなんだけど。ワタシたちの当面の目標はタクノミの家に住むことよね」
え?そうなの?
異世界で何かやるとかそういうことじゃなくて?
たしかに将来的にはここに住むって話だったし準備を進めてはいるけど、乾きの杯の目標として掲げるものなの?
「とっても大切なことなのにゃ」
「それ以外には何も必要ないでござるよ」
「悪魔的にも納得なんだよね」
「その通りだと思いますわ」
みんなも同じ意見なんだね。
「ここに住むのはとんでもないメリットなのよ。乾きの杯としての能力が何倍にも上がるわ」
そんなに重要なことだったんだね。
「何も荷物を持たずにダンジョンに入れて、安心して眠れて食事まで取れるのよ。いまだに信じられないような話よ」
そう言われてみたらそうか。ちょっと楽になるよね。
「ちょっとどころじゃないわよ。まあ良いわ。とにかく少しずつタクノミの家に居られる時間を長くすることが当面の目標よ」
そう。この家に24時間居られるのは自分だけ。ウーミは大浴場なら24時間居られる。
乾きの杯の5人は1日に3時間半しか居られないもんね。だから今はお風呂とお酒の時間に使ってるよね。
でもさ。滞在時間を長くするために何かできることってあるの?
「まずは今まで通りお酒を飲むことね」
え?そんなんで良いの?
「ワタシたちがここに多く居ることで、タクノミの家に馴染むらしいのよ」
そうなんだ。そういうもんなんだね。
「それなら得意なのにゃー」
「拙者も得意でござる」
「テトも得意だよね」
「ワタクシは日が浅いですけど上手くやっていけると思いますわ」
みんないつも楽しそうに飲んでるもんね。
それで良いんだったら、これまで通り自分はお酒と料理を用意しましょう。
「それとこれは昼間の活動なんだけど、ワタシたちの世界をいろいろと旅しようと思うのよ」
何か用事があるって感じじゃないのかな。
「いろいろな場所へ行くことで、ワタシたちの世界とタクノミの家が馴染みやすくなるらしいのよ」
なるほどねえ。サクラミも良くバランスがどうこうって言ってるから、そういうものなんだろうね。
「ティーナから仕事をお願いされることもあると思うけど、それ以外はいろいろなところへ行ってみましょう」
「タクちゃんにゴロンニャたちの世界を知ってもらうのにゃ」
「拙者たちが守るから安心してほしいでござる」
「悪魔的には一緒に回れるのが楽しみだよね」
「ワ・・・ワタクシも頑張りますわ」
これまでもいくつかの街に行ったけど、これからもっと異世界を知ることができるんだね。楽しみだな。
じゃあ当面は宅飲みを楽しみつつ異世界のあちこちに行ってみるってことで良いんだね。
「最初の行先は決まっているわ。スナシーの街に戻るわよ」
あれ?いろいろ旅すると言ったけど、いきなり行ったことある街に戻るんだね。
「タクノミに冒険者になってもらうわ」
え?自分も戦ったりするの?
全く自信が無いんだけど。
「そういうわけじゃないわ。これからいろんな場所へ行くなら冒険者になって身分証を持ってるほうが楽だからよ」
そっか。異世界だと自分はただの怪しい人だもんね。
身分証さえあれば、普通に異世界にいても怪しくなくなるか。
「それならティーナに発行してもらえば良かったのにゃ。ギルドさんって偉い人なんだからそれくらいやってもらえるはずなのにゃ」
「ワタシもそう思ってたんだけどね。ティーナに言われたのよ。それくらい簡単だけど特別に作ったら目立つって。たしかにティーナに認められたなんて話が広まったら面倒なことになるわ」
じゃあまずはスナシーの街に行くってことなんだね。
最初の活動が自分の身分証を発行するためって、なんか迷惑をかけちゃって申し訳ないね。
「最高のスタートなのにゃ」
「これ以上無い仕事でござる」
「乾きの杯の始まりにふさわしいわ」
「悪魔的には完璧だよね」
「すべてに優先されて当たり前ですわ」
あれ?そんなに前向きになってくれるんだ。みんな優しいね。
こんな感じで乾きの杯の活動は始まったんだ。
評価、ブックマーク、感想、レビューなんでもすべて嬉しいです。
めちゃめちゃめちゃめちゃ嬉しいです。
読んでいただけるだけでうれしょんするほど喜びますが、反応していただけるのは最大のご褒美です。




