第45話 ひと肌脱ぎます!③
俺は国枝食品の新製品「ミルクたっぷりぷりん」のキャンペーンガールをする事になった。
新発売のお披露目会場は大手百貨店、北武デパートの催事場だ。
さらに…曽根崎を騙してガルガトル人を狙う、魔導師エドガーもその場に来るという。
そして、俺は北武デパートの催事場控え室の鏡の前にいた。
「すごい格好だな…」
ミルクをイメージした白いノースリーブのトップスに、牛柄のミニスカート。ヘソ出しは25歳にはキツい…のか?分からない。
これが他人だったら男としては嬉しい格好なんだが…自分なので恥ずかしいだけだった。
あまりに恥ずかしいのでスカートの下に短パンを履いた。高校生の時は女子のパンチラを阻む悪魔にしか見えなかったが、今となっては羞恥心から俺を守る天使だ。
「いやぁ、東雲さん!よーくお似合いだぁ、いやぁ!スタイルも良くて!うちの女子社員がその、コミケ?でそういう格好をしてるらしくて、自分用に作ったみたいなんですけどね!いやぁ、サイズもぴったり…か、な…?」
そう。これは元々、国枝食品のコスプレ好きの女子社員が自分で着るために作ったものだそうだ。彼女の身長は150cm、俺は157cmある。スカートが短過ぎる。そして…
「その…いやぁ、私が言うとセクハラなので控えますが、苦しくはないでしょうか…?」林田は俺の胸を見ながら言った。もうセクハラだろそれ。
衣装を着る予定の社員に比べ、胸は俺の方が圧倒的に大きいらしく…パッツンパッツン状態だ。
「ミルクぷりんだから巨乳の女に売らせてます」という下衆なイメージになりかねないが、良いのだろうか。
「まぁ、多少苦しいんですけど…それ以外は大丈夫です」
実は、背中のジッパーを閉じるのに手伝いが必要だったぐらいキツい。
「いやぁ、よかった!我が社の新製品は東雲さんのおかげで成功したも同然ですよ!こんな美女に売られたら私なら10個買いますね!」
…それがセクハラではなかろうか。
「はぁ…」
「じゃあ張り切ってお願いしますね!」
「はい」
もう、こうなりゃヤケだ。
ーーーーー
「国枝食品のミルクたっぷりぷりんはいかがですかぁ?」
「一つください」
「お姉さんいつもこれ売ってるの?」
「ID教えて」
「我が社でも売り子を」
女性向けスイーツなのに男しか寄ってこない。いいのかこれ。というか俺、めちゃくちゃモテるな。
確かに自分では顔も裸も見慣れてしまったが、しのぶはスタイルも抜群で童顔美女だ。グラビアアイドルだと思われているかもしれない。
「下さい!」
「あ、はーい…ってお前!」
栗田だった。
「栗田…くん?何してんの?」
「しのぶさんに迷惑かけたんで、俺も手伝いに来ました!サクラやります!」栗田は俺の乳と太ももに話しかけている。女は男の視線に気付きやすいらしいが、栗田はあからさまだった。
「この格好を見に来ただけだろ!仕事しろ!」俺は小声で栗田を叱りつけた。
「いや、だって…マジでいいっスよしのぶさん!なんならその格好で出社して…」
俺の拳骨が栗田の脳天に直撃。
「アホか!いいから仕事しろ!…あっ…」
しまった。つい大声で…
催事場がザワつく。やってしまった…ど、どうしよう…
「俺も叱ってください!」
「股間にキックお願いします!」
「プリン買うから投げつけてください!」
「へ?」
俺に男が殺到する。
「10個買う!」
「いや俺は20個だ!」
「ワシゃ50個買う!」
なんだなんだなんだ!?
「ちょ、ちょっと!」
「はいはいどうぞご購入ください!購入いただいたら売り子さんと握手まではオーケーでございますよ!」林田が男たちを煽った。
男たちはこぞってプリンを買いまくる。
「あ、握手はいらないのでビンタしてください!」
「えぇ…?」




