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第40話 取引先の正体を探れ!①

 挿絵(By みてみん)

マジのガチでマジ

天衣社総務課長、毒島佑(ぶすじまたすく)

彼は等々力と知り合いだという。しかし、天衣社の社員である坂巻の話だと「相当ヤバいやつ」との事だ。


その〝ヤバさ〟は坂巻いわく、「得体の知れなさ」という事だそうだ。


「どういう事?」


「マジでヤバいから。ガチで。超ヤバいの」坂巻は心底嫌そうな顔をした。


「情報量ゼロなんだけど」

「いえ、表情からヤバさが伝わるわ!」喜多嶋がなぜかフォローする。


「いや、そういう事じゃなくて。なにがヤバいんだよ」


「マジヤバいんだって。えーとね…そう!本社行った時さぁ、あいつ…いつのまにかアタシの後ろに立ってて『違う…』とか呟いてんの!キモいから!ヤバい!」


「違う、って?」


「知らねーし!キモくない!?」


「キモいけども…なんだろうな、それ」


「わかんない。そういや、なにが違ったのかな?」


「俺に聞かれても…なんだろう?」


「もしかして、その人も異世界人で誰かを探してるのかも。転移者の心愛ちゃんに近付いて、魂でも見てたんじゃなーい?」喜多嶋が唐揚げを食べながら言った。


「そういえばさっきはうやむやになったけど、ミクさんって魂が見えるんですか?」


「私?そうね。色と形が見えるの。前世ではもっと色んな情報を読み取れたけどねー。今じゃ異世界人かどうかと、その魂の強さしか見えないわ」


「なるほど…それで心愛を転移者と見抜いたんですね」


「ミク姐さんかっけー!ねぇ、アタシの魂ってどんなんっスか?」

なんだその呼び方。


「心愛ちゃんはねぇ…かなり強い魂を持ってる。あと3回は生まれ変わるわね。いつか、コルネリアに会えるかも」


「そっか。まぁ、お互い覚えてなさそっすね」


「まぁね」


「えっと、それはいいんだけど毒島の他の情報は…」

営業に行って魂取られたらどうするんだ。


「えー?あとは…あ。あいつさぁ!マジあり得ない話があんの!」


「今度はなんだよ…」


「毒島が出張で北海道に行ってた時ね、総務のヤツらがアイツの悪口言ってたのよ。そしたら本人から電話が来て。そこまでは良かったんだけど、悪口言うたびに電話してきたんだって!ヤバくない?」


「…」喜多嶋が考え込み始めた。


「盗聴器を仕掛けてたとかじゃないのか?」


「いやいや!総務のやつらもそれを疑ってさ、めちゃくちゃ探したらしいんだけど見つからなかったんだって。ね、ヤバくない?」


遠耳の外法(とおみみのげほう)かも…」

喜多嶋は眉間にしわを寄せている。


「トオミミ?」


「うん。私の前世の世界で使われた魔法みたいなもんよ。外法は魂を削って使うから、モノによっちゃこの世界で使えるのよね…」

喜多嶋は渋い顔をしている。


「はぁ!?それじゃ、この世界じゃ魔法を使えないってほとんどウソじゃん!」ナターリャのやつ、適当な事を言いやがって!


「いやぁ、それがそうでもなくってね。この世界は魂の消耗が激しくて、危ない外法は全部、この世界では命と引き換えになるわ。使える外法は大抵、機械で代用が効く様なつまんないやつよ。遠耳の外法もそう」


「うーん…じゃ、ミクさんはその毒島が遠耳の外法ってのを使ってるかも知れないと」


「ヤベェ…あいつマジキモいわ…」


「うーん、でもこの世界で遠耳の外法なんか使ったら、寿命が3年は縮むわよ。考えにくいのよね」


いや、考え得る事が一つある。


「あのさ、ミクさん…その外法ってのは…他人の魂を削って使う事はできるのかな…?」


「…できるけど、同じ性質の魂と同調する必要があるわ。例えば前世と今世が同じ世界の魂とか…」


「じゃあ、心当たりがある」


そう。隣人の曽根崎を騙していた相手。

転生したガルガトル人の魂を狙っていた魔導師…

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