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植人  作者: NAO
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心に来るものとは

【東京都千代田区永田町 首相官邸 衛星通信用会議室】


 光太郎は早朝から夏乃や久島兄弟に叩き起こされて、首相官邸に連行されていた。


「一体どうされたのですか?師匠」


 夏乃が鉢植えに突き刺してくれた冷やし飴をちゅうちゅうと根本から吸い上げながら、鉢植え光太郎(スマホ装備)が尋ねる。


「この前おぬしが言った思念波を抑える作戦絡みじゃ」

一郎が答える。


 光太郎は、ああ、そんなこと言ったかな?程度でぼんやりとしか覚えていない。


 チクシュループ婆の鼻水を振り乱しながら懺悔した姿しか印象に「うぐっ、変なもの思いだしちゃったよーっ!」と嘆く光太郎。


「ヘルプだ!ミスター・コウタロウ!」

画面に写ったシャープ司令官の表情は切迫していた。


「ハリウッドの監督や脚本家を総動員しても''訪問者''の心を揺さぶるようなシナリオが出来ないんだ!どうしたらいい?」


 縋るような目付きでマッチョなGIに言われてもなーと思う光太郎。


「バリー、居ますか?」

光太郎が声を掛けると、


「おう!光太郎っち!おひさだぜっ!」

バリーがシャープ司令官の横からひょいと顔を出す。


「詰まるところ訪問者の皆さんのところでは、お芝居とか音楽を楽しまないのでしょうか?」

光太郎は質問した。


「う~ん、どうだろ。何万年も生きていると、なんかお芝居見てもネタバレみたいに思うし音楽も聴き飽きたから、無音が一番かなぁ」

考えるバリーが真面目に顎をさすりながら答える。


「師匠はどうなんです?」

一郎にも訊いてみた。


「儂は遠くから人間が日々せせこましく、賑やかに泣き笑いしながら人生を送っているのを視るのが好きじゃのぅ」


「んー。ヒューマンドラマ系ですか。なるほどなるほど」

光太郎が思案する。


「恋愛とかはどうなんです?」

「「興味ないっす(ないのぅ)」」

バリーも久島兄弟も即答だった。


 暫く光太郎は思案する。


「ではバリー師匠、後で参考資料と映像を送るのでググッと心に来たやつを教えてください」



 シャープ司令官との通話を終えた光太郎は、夏乃にお願いして日本の昼ドラマや、ホラー映画、異世界もののアニメゲームをバリー宛に送付した。


 数日後、米国のバリーからメッセージが届いた。


「昼ドラ怖い。勘弁して(涙)」


 (涙)なんて芸が細かい奴だなぁ、と光太郎は感心するのだった。

ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m


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