シュタインハイム出陣
【ドイツ連邦共和国 フランクフルト郊外 NATO軍即応部隊 前線司令部】
ポーランドでロシア連合軍に惨敗したNATO軍はオーデル川の東側でようやく迎撃態勢を整えつつあった。
ベルリンから情報将校として派遣された''訪問者''シュタインハイムは、NATO軍即応部隊のルッツ司令官と作戦会議を行っていた。
「やはりロシア連合軍の進撃速度は異常です」
ルッツ将軍が、シュタインハイムに状況を説明した。
「米国がロシアの衛星を撃ち落とした筈なのに、敵の地対地ミサイルや火砲の照準は精密です。
加えて、進撃する敵戦車を迎撃した対戦車ミサイルが何らかの目に見えないシールドで無力化されてしまい、敵戦車が無傷のまま防衛線に突撃してくるので塹壕が無意味になっています」
シュタインハイムは司令部の回線を使って、ベルリンのレンドルフ首相に報告する。
「ロシアはポピガイ以外にも''訪問者''の能力を使う者を味方につけているのか?」
レンドルフ首相は驚きを隠せなかった。
「我々の能力を使用すると、人間の通常兵器では歯が立たないだろう」
シュタインハイムは考えを述べる。
「もしや、」
彼は呟き、
「敵は植人の能力を実用化し、軍事利用を可能にしたという事だろう」
重々しく言った。
彼は暫く考えた後で
「貴君達が対抗手段を見つけるまで、私が前線で対処しよう」
協力を申し出た。
「シュタインハイム殿、かたじけない」
ルッツが謝意を述べる。
「我々も急いで同盟国と対策を考えるので、少しの間だけ戦線の維持頼む」
モニターの向こうでレンドルフも頭を下げる。
「では、参る」
シュタインハイムは司令部を出ると、防衛線に展開するレオパルド2戦車や、英国のチャレンジャー戦車の間を抜けてオーデル川の川岸に向かった。
シュタインハイムが最前線に加わったその日、ロシア連合軍は初めてオーデル川岸で進撃を阻まれる。
植人の能力を封じ込め、強大な竜巻で次々と突撃してくる戦車を巻き込んで、空高く舞い上げて、敵陣の遥か後方に落下させる。
シュタインハイムにはロシア連合軍からT90戦車の125mm砲、多連装ロケット砲、ミル24戦闘ヘリからの対戦車ミサイルが撃ち込まれるが、彼は全く意に介さず、それらを跳ね返して戦車や、戦闘ヘリを蹂躙し続けるのだった。
ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m




