第3次世界大戦の勃発
202X7月18日~21日の『審判の日』を第3次世界大戦と見るか、7月31日にロシアがヨーロッパとアジアを侵略した戦争をそう呼ぶかは後世の歴史家の間では意見が別れている。
前者は人間溶解現象に伴う世界的な混乱を切っ掛けとして、第5次中東戦争、印パ戦争、第2次朝鮮戦争という地域紛争が起きたに過ぎない。
後者は戦域がヨーロッパ、中東、東アジアに限定されているが、ロシアが自ら起こしたものであり、大戦の定義としては後者を支持する歴史家が多い。
もっとも、その様な感傷に浸る余裕は当時の人々には無かっただろうが。
(雷撃文庫 ケルト・W・ヘンジ著『実録 第3次世界大戦』前書きより)
【ポーランド共和国 シュチェチン NATO軍 北方方面合同軍 司令部】
「将軍、ロシア軍、小ロシア軍、ベラルーシ軍の連合機甲師団がグダニスクを制圧。ワルシャワも包囲されたとの事です!」
情報将校が司令官のイギリス軍小将に報告する。
「総司令部は何と言っておるか?」
細い体躯ながら引き締まった身体の、老練な小将が確認する。
「はっ!増援急行中、暫し待たれよ。との事であります!」
「馬鹿の1つ覚えもここまで酷いと話にならん」
小将は同様の指令をもう6時間前も受けたまま、司令部から部隊を動かす事も出来ていなかった。
「ノルウェーの早期警戒レーダーから緊急電!バレンツ海南部からミサイル探知!」
連絡将校が叫ぶ。
「数と目標は?」
「120基以上のミサイルを探知。目標は……当基地です」
次瞬間、小将の視界が真っ白な光に包まれて永遠に意識が断絶した。
7月31日午前11時57分、NATO北方方面合同軍司令部はロシア原潜のミサイル攻撃を受けて潰滅した。
ポーランド各地に展開していたNATO即応部隊は司令部潰滅により指揮命令系統が断絶しており、まともな応戦が出来ないままオーデル川のドイツ国境側に撤退した。
同日午後2時、ワルシャワのポーランド政府はロシア社会主義人民共和国連邦に無条件降伏した。
同日、ロシア軍はベラルーシ、小ロシア、アゼルバイジャン、アルメニアと連合を組み、ヨーロッパ東部ポーランド、地中海東部トルコ、中国東北部、日本国北海道に侵攻、各地の西側諸国軍事施設に通常弾頭を搭載した弾道ミサイルによるミサイル攻撃を行った。
第3次世界大戦の始まりであった。
ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
また明日(^^)/




