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植人  作者: NAO
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ヨーロッパの危機

【英国 ロンドン BBC放送 ニューススタジオ】


 黒人の男性アナウンサーがはっきりした口調でヨーロッパの危機を伝えていた。


「皆さんこんばんは……世界は再び審判の日を迎える事になるのでしょうか?

 ブリュッセルのヨーロッパ特派員によりますと、今朝ポーランド国境にロシアの3個戦車師団が展開しているのを確認しました。」


「リンドバーグ首相とドイツのレンドルフ首相は著しい軍事的挑発行為であるとロシア連邦を激しく非難しました」


「NATO軍報道官はバルト3国、ノルウェー、それにトルコ上空をロシアの戦略爆撃機が領空侵犯したと発表しました。

 またトルコ国防省は、ボスポラス海峡をロシア海軍の原子力潜水艦15隻と支援艦艇多数が通過してトルコ西部沖に展開している事を確認しました」


「トルコのエールド大統領は非常事態を宣言、予備役の召集を命じました。また、集団安全保障条項に基づくNATO軍の出動を要請しました。

 今入った情報によりますと、トルコ東部に在るインジルリク空軍基地がロシアの潜水艦から発射された弾道ミサイル攻撃を受けたとの事です」


 ダウニング街の首相官邸にいるケルトは状況の悪化に陰鬱な表情でリンドバーグ首相と情勢の分析をしていた。


「クレムリンでクーデターが有ったのは明らかです」

ケルトが言った。


「ドイツと日本からの報告がそれを示しています。我々の仲間になる筈だったタイガは、恐らくポピガイに抹殺されたものと思われます」


「大統領補佐官のマカロフが裏切るとはな」

リンドバーグは以前からMI6を通じて知ってはいたが、まさか本当に行動するとは予想外だった。


「野心旺盛なマカロフと強い種を望むポピガイが手を組むのは自然か」


「この後はどうなると思う?」

リンドバーグがケルトに訊いた。


「恐らく、通常兵器で大規模な侵攻をドイツ、トルコ、日本、中国東北部に行うでしょう。問題はーーーーーー」

ケルトは言葉を切る。


「戦場で我々の仲間も加わる可能性があるということです」

ケルトは懸念を強めていた。


 もしかすると、G8での顔合わせメンバー以外にも我々の仲間が目覚めているのかも知れない。


 何しろ十数億年前から、我々の仲間は地球に来訪しているのだから。


「通常兵器の戦場に我々の力が振るわれると、人間の兵器はひとたまりもなく蹂躙されてしまうでしょう」

ケルトは言った。


 BBC放送がヨーロッパの危機を報じた8時間後、ロシア軍の機甲師団が驚異的な速度で、ポーランドの首都ワルシャワを包囲した。


 地中海東方ではロシア軍自動車化狙撃師団が、アゼルバイジャン軍と共にトルコ東部国境を越えてボスポラス海峡へ向け侵攻を開始した。


 新たな戦争がヨーロッパ全土と、北東アジアで始まろうとしていた。

ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m

ではまた(^^)/

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