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植人  作者: NAO
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老人

【地球と月の中間地点にある宇宙空間】


『月の番人』として意識を取り戻して数万年、そこに漂っていた存在は久しぶりに振るったその力を止めた。


 後は地球に"着地している"同胞の仕事だ。

 過度な介入は意味がない。

 同朋に次の段階を任せよう。


 地球から観測されているなら、直径500mの小惑星に過ぎないその存在は、ただそこで漂い続けながら、人類と新たな種の行方を傍観するつもりでいた。



【ロシア連邦 クラスノヤルスク地方ツングースカ】


 鬱蒼とした原生林から一人の老いた猟師が村に向かう獣道を歩いていた。


 百年と少し前にこのタイガの上空に来たときは力の制御に手こずって周辺の林を少し「なぎ倒して」しまったが、5年前に隣の大陸で派手に着地して大穴をあけた奴よりはましな筈だ。

 奴が着地した花火は遥か彼方の惑星からも見えて仲間と大笑いして惑星地表に地球へ向けて笑い顔を作った程、盛り上がった。


 あの時以降、森に入る原住民を観察して人間について学んだつもりだ。


 ”今度こそ”失敗せず人間に新しい世界を見せて力を与え、我々に近づいて欲しいのだ。


 老人はしっかりとした足取りで寒村へ向かう。


 隣の大陸の奴も動き始めただろう。もしかしたらどこかで会えるかもしれんな。老人のキュッと引いた真一文字の口元が僅かに緩む。


 その顔はとある赤い惑星で観測された人面型構造物に似ているかも知れない。

ここまで読んで頂き、ありがとうございましたm(__)m

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