~未改稿~
光太郎と久島達が警備陣に包囲されたとき、首相の日向誠は執務室で須賀官房長官から内外の状況について報告を受けていた。
「そうか、中国は相変わらず厄介だな。」
「ええ、中国の内戦はおそらく歴史的に見ても三國志以来の世界最大規模です。」
日向が顔をしかめて、
「我が国とて他人事ではないのだがな。」
「在留邦人の保護は手付かず、生物化学兵器・核ミサイルがいつ使われるかわからん状況なんだろう?」
と言って須賀を嗜める。
「申し訳ございませんでした。軽率な発言でした。総理の仰るとおり、各地方政府との交渉は難航しております。加えて、介入要請を受けました。」
「大量破壊兵器は今のところ使用されていませんが、状況が不利になれば力ずくで基地を占拠して使用するのは間違いないでしょう。」
「介入は論外だ。火中の栗を誰が拾うものか。」
日向は吐き捨てるように答えるとセブンスターに火を着けた。
この異常事態が始まった日から禁煙の誓いは破られていた。
煮詰まった思考をタバコで煙に巻いていると秘書官が須賀を呼びに来た。
「官房長官、表に奇妙な不審者複数を確認しました。如何されますか?」
「奇妙とはなんだ?また反戦活動家や反原発活動家か?」
「それが、鳥から人に変わった者達だと。」
「またか。」この異常事態から何度、常識外の出来事が有ったことか。須賀は免疫が付いてきたようだ。
「私が直接見てこよう。」
「総理、改めて報告を行いますので総理は万が一に備えて地下の危機管理センターに移動してください。」
日向に断りを入れて須賀は執務室を出た。
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