4・歌が好きな栗鼠と音楽鑑賞する猫
どっどくん どくん どどくん どくん
ドアノブを握りしめている私は息を殺していた。部屋が静かなせいか、私の大きな心臓の音が部屋全体に響いているような気がした。
今日はお婆ちゃんが帰ってから3日目の朝である。
昨日、おとといは最悪だった。ドアを開けたらオオカミくんがいたからだ。オオカミくんの事を考えると胸が苦しくなる。だから、私は会うのを避けているのだ。
診察だった日も合わせて3日連続で見かけ、結局オオカミくんに会いたくないという理由から、部屋から出れなかった。
2日ふて寝をして現在、部屋を出るのを試みる。
そーっとドアノブを回す。
ガチャリ
「!!(ビクッ)」
私は自分が出した音にびっくりした。
キ・・・・キキキ・・・・キ・・・
ドアをゆっくり開けても音が出る。私は知っていたが毎回この音にびっくりする。
頭が出るくらいドアを開け、私は頭を出しオオカミくんがいないか確認する。
(正面よし!右よし!左よし!)
ホッ!とため息をつき廊下に出る。数日ぶりの廊下に私は笑顔で万歳をする。
猫は気まぐれだ。廊下に出たが何も予定はない。私は何をしようか考えた。何も予定がないし部屋に戻るか。けど、せっかく出たんだし、何かしたい。廊下を宛もなく歩くか、今日は外に出てみるか・・・・・。外?・・・・あっ!
その時、私の中でひとつの考えが出た。
いつも庭で両手で顔を隠して泣いている女性が気になるから庭に行こうと思っていたことを忘れていた。よし!今度こそ、その泣いている女性に会いに行こう。私は外に行くための一歩を踏み出そうとした。
そのときであった、微かに歌声が聴こえる。とても子供っぽく、弱々しい歌声だ。
そういえば、診察室から帰ってきたときも歌声が聴こえていた。よく聴いてみたら前に聴いたときと声が同じだ。私は歌声がする方を見てみる。私の部屋の隣の隣の213号室から聴こえるようだ。
ペチ・・・ペチ・・・ペチ・・・・
私は外に出るという目的をすぐに忘れ、ゆっくりと213号室に近づきドアに耳を当てる。
「♪あなたはど~こにい~る~の~
わたしはこ~こにい~る~よ~
わたしはずぅ~っとまっている~
かわのむこうでまっている~♪」
とても不思議な歌詞で綺麗な歌声。声は女の子の高いソプラノだ。
私は興味を持ち、ノックも忘れてゆっくりとドアノブを回す。
ガチャリ
「!!(ビクッ)」
私はいつもみたいに自分が出した音にびっくりする。
「だ、誰?ミカミちゃん?宇美?」
その音にびっくりしたのか、歌うのを止めて大きな声で、多分彼女の知り合いだろう名前を出して訪ねた。
キ・・・キキキ・・・キキ・・・
私はドアを開け、申し訳なさそうに顔を出した。
「だれなの?」
目を見開いて驚く女の子。知らない人が顔を出したので無理もない。
その女の子は髪型はグレーアッシュの背中までのポニーテイルで先の方が外巻きに巻いてある。おでこを出しており、びっくりしているから赤い目を真ん丸にして私を見ている。
白いワンピースでリスの耳にリスの尻尾がある、年齢は7、8才くらい。
「わ、私は211号室に住んでいる猫のミケです。ごめんなさい。歌声が聴こえたので・・・」
私はびっくりさせた謝罪とともに自己紹介をした。
「そっか~。いきなりドアが開いたからびっくりして、友達かメイドさんが来たかと思ったぁ」
リスの女の子は安心したのか、ホッ!とため息をつき少し落ち着いてからニッコリと笑顔で言う。
「私はクルミだよ!よろしくね、ミケお姉ちゃん」
ドキューン!!
え、笑顔が可愛い。すごく可愛い。私はクルミちゃんに頬を赤くした(恋ではない)。
私には妹はいないが、クルミちゃんにはどうやら妹属性が付いているようだ!
妹属性万歳!!
リスちゃんの話はまだまだ続きます。




