60・6~12
この町には近くに小学校が2つある。
『山之樹小学校』と『神野里小学校』である。
私は神野里小学校に入学した。そこで私の後ろの席の女の子、初陽と仲良くなった。
この2つの学校はスポーツマンドリルというサッカークラブがある。
スポーツマンドリルは学校が終わり、放課後に小学校の運動場で行われているみたいだ。
私が通っている学校でも男子が数名、入部した。クラブの名前は『神野里ベントウヴェン』だ。
10歳になった。
私にとってとても悲しい出来事があった。それは、家族で可愛がっていた黒猫のミィちゃんが息を引き取ったのだ。
元々凄いお年寄りの猫であったから寿命といったら仕方ないが、私は凄く泣いた。
「ミィちゃん。安らかに眠ってね」
そういって私達は目に涙をいっぱい溜め、庭に小さなお墓を作った。
私が悲しんでいると、初陽はとても元気に励ましてくれたのであった。
そんな初陽も初恋を経験する。神野里ベントウヴェンのエースストライカーの茶髪でロングヘアーの正丸である。ちなみに私の初恋はまだない。
12歳になった。
小学校は近場に2校あるけど、その小学校の近場に中学校は1校しかないので、山之樹と神野里の生徒が一緒に通うことになる。
2校のサッカークラブの生徒は自然と中学校ではほとんどの生徒がサッカー部に所属するのだ。
その為、毎年10月の第3日曜日には神野里ベントウヴェンと山之樹バッハローンの交流試合が行われるのだ。
試合は私達が通っている神野里小学校で行われることになった。
「ねぇ、恵。私、正丸くんの応援に行きたいの!一緒に来て!」
初陽は手を合わせて頼んできた。
「うん!」
私は親友の恋は応援したい。だから、当日は一緒に行くことにした。
ー(幕間)ー
試合当日。
「「「うおおおおお!!神野里ベントウヴェン!!!ファァァァイトォォォ!!!」」」
私が通っている学校は、男子の応援団が多かった。
「「「キャー!山之樹バッハローン!頑張ってー!!」」」
バッハローンの応援はなぜか女子が多かった。
「いっけぇー!神野里ベントウヴェン!」
私の親友の初陽は男子に負けないくらいの声で応援をしている。
「神野里ベントウヴェン!ガンバレー!」
私は恥ずかしくなり、小さい声だが、応援をする。
「試合開始!」
ピーーーーー!
試合開始!のホイッスルが鳴り、なぜか向こうの選手の行動が一瞬遅れる。
私はその男子を見てみた。
ドクン!
私の心臓が高鳴る。そう、相手側のエースストライカーのフォローをしている男子。私はその男子に一目惚れをしたようだ。
「神野里ベントウヴェン!頑張れ!」
初陽は一生懸命応援をしているしている。
「神野里ベントウヴェン!ガンバレー!」
私も応援をする。
(山之樹バッハローン!ガンバレー!)
私は少しだけ心のなかで相手チームを応援した。
ー(幕間)ー
試合の結果、私の学校、神野里ベントウヴェンは負けてしまった。
「うおおおおお!!」
向こうのエースストライカーは嬉しさのあまり雄叫びをあげる。ほぼ互角の戦いの末、相手のエースストライカーの最後のシュートが勝利の決め手となった。
「どんまいだったね!」
初陽は悲しそうにしている正丸を励ましている。
私は横目で相手側を見てみた。相手のエースストライカーと私が気になる男子は女子に囲まれていた。
ちゃんと私が応援できたらなぁ、と思うと悲しくなる。
あの男子は彼女がいて、あの女子の中にいるのだろうか?そう思うと胸が苦しくなり、ため息しかでないのであった。




