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猫はふて寝する  作者: 山神ゆうき
近津恵聖
69/83

60・6~12

この町には近くに小学校が2つある。

山之樹小学校(やまのきしょうがっこう)』と『神野里小学校(かみのさとしょうがっこう)』である。

私は神野里小学校に入学した。そこで私の後ろの席の女の子、初陽(はつひ)と仲良くなった。


この2つの学校はスポーツマンドリルというサッカークラブがある。

スポーツマンドリルは学校が終わり、放課後に小学校の運動場で行われているみたいだ。

私が通っている学校でも男子が数名、入部した。クラブの名前は『神野里ベントウヴェン』だ。


10歳になった。

私にとってとても悲しい出来事があった。それは、家族で可愛がっていた黒猫のミィちゃんが息を引き取ったのだ。

元々凄いお年寄りの猫であったから寿命といったら仕方ないが、私は凄く泣いた。


「ミィちゃん。安らかに眠ってね」


そういって私達は目に涙をいっぱい溜め、庭に小さなお墓を作った。

私が悲しんでいると、初陽はとても元気に励ましてくれたのであった。


そんな初陽も初恋を経験する。神野里ベントウヴェンのエースストライカーの茶髪でロングヘアーの正丸(まさまる)である。ちなみに私の初恋はまだない。


12歳になった。

小学校は近場に2校あるけど、その小学校の近場に中学校は1校しかないので、山之樹と神野里の生徒が一緒に通うことになる。

2校のサッカークラブの生徒は自然と中学校ではほとんどの生徒がサッカー部に所属するのだ。

その為、毎年10月の第3日曜日には神野里ベントウヴェンと山之樹バッハローンの交流試合が行われるのだ。


試合は私達が通っている神野里小学校で行われることになった。


「ねぇ、(けい)。私、正丸くんの応援に行きたいの!一緒に来て!」


初陽は手を合わせて頼んできた。


「うん!」


私は親友の恋は応援したい。だから、当日は一緒に行くことにした。




ー(幕間)ー




試合当日。


「「「うおおおおお!!神野里ベントウヴェン!!!ファァァァイトォォォ!!!」」」


私が通っている学校は、男子の応援団が多かった。


「「「キャー!山之樹バッハローン!頑張ってー!!」」」


バッハローンの応援はなぜか女子が多かった。



「いっけぇー!神野里ベントウヴェン!」


私の親友の初陽は男子に負けないくらいの声で応援をしている。


「神野里ベントウヴェン!ガンバレー!」


私は恥ずかしくなり、小さい声だが、応援をする。


「試合開始!」


ピーーーーー!


試合開始!のホイッスルが鳴り、なぜか向こうの選手の行動が一瞬遅れる。


私はその男子を見てみた。


ドクン!


私の心臓が高鳴る。そう、相手側のエースストライカーのフォローをしている男子。私はその男子に一目惚れをしたようだ。


「神野里ベントウヴェン!頑張れ!」


初陽は一生懸命応援をしているしている。


「神野里ベントウヴェン!ガンバレー!」


私も応援をする。


(山之樹バッハローン!ガンバレー!)


私は少しだけ心のなかで相手チームを応援した。




ー(幕間)ー





試合の結果、私の学校、神野里ベントウヴェンは負けてしまった。


「うおおおおお!!」


向こうのエースストライカーは嬉しさのあまり雄叫びをあげる。ほぼ互角の戦いの末、相手のエースストライカーの最後のシュートが勝利の決め手となった。


「どんまいだったね!」


初陽は悲しそうにしている正丸を励ましている。


私は横目で相手側を見てみた。相手のエースストライカーと私が気になる男子は女子に囲まれていた。

ちゃんと私が応援できたらなぁ、と思うと悲しくなる。


あの男子は彼女がいて、あの女子の中にいるのだろうか?そう思うと胸が苦しくなり、ため息しかでないのであった。

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