58・0~3
こんにちは。
この話から狼は嘘をつくの『大神京』と同時に投稿します。
それは寒い冬であった。子供達がサンタから貰ったプレゼントを開け、喜び、数日後のお年玉を貰う日の間の夜に私は近津家に生まれた。
私の名は『恵まれた聖なる子』という意味で『恵聖』と名付けられた。
私の誕生で家族はみんな喜んだ。数歳離れたスポーツ刈りのお兄ちゃんは嬉しさのあまりはしゃいで父親から「うるさい!」と怒られる。
祖父や祖母もとても喜び、祖母は帰ってからもペットである黒猫にも報告していたのだ。
「ミィちゃん~。女の子が産まれたよぉ。」
「みみゃあ~。」
ミィちゃんは意味が分かってか分からずか、とりあえず鳴いたのであった。
そして、私が1歳の時に祖母は他界した。私はすごく小さかったので祖母の記憶はなかった。祖母が飼っていた年寄り黒猫のミィちゃんは家族で面倒を見ることになったのであった。
私は2歳になり、高熱で倒れた。医者が言うには私は体が弱いみたいだ。
運ばれた病院は『國矢部小児緊急センター』。
ここにいる國矢部先生は面倒臭がりだが凄腕の名医なのだ。
私はこの病院で数日入院することになった。
3歳になり、幼稚園に通う時になったのだが、ここの病院には検査で通わなければいけなかった。
病院ですれ違った親子の話し声が聞こえる。
「ママ~!わたし、おおきくなったら、かんごしになる~。」
「フフフ。宇美ちゃんは優しいからきっといい看護師になれるわよ。」
「ほんとぉ?」
私と同じ3歳くらいの青髪を左右でお下げにしており、ピンクのリボンを小さく揺らしながら女の子は嬉しそうに笑っている。しかし、この歳の子供はただ憧れだけで将来の夢を語る。
私はこの宇美という子は看護師にならないだろうと思った。
私と母が待合室から診察室に行く時にいろんな看護師や患者の話が聞こえてきた。
「ねぇ、あの宇美ちゃん知ってる?」
「うん。あの元気な子でしょ?」
「そうそう。あの子、外国に引っ越しするんだって。」
「ええっ!?うそぉ?」
そんな話や。
「おい!雲木ぃ!お前なんで頭に猫耳つけてんだよ?」
「うるさいわね、引田。ここは小児だからこれがウケるのよ!あんたなんか木刀を持ってるじゃない!」
「これは、オレの愛刀だ!」
「こら!そこの研修生2人!うるさいわよ!」
「「ごめんなさい。」」
など聞こえる。とりあえず私はしばらく病院通いが続きそうだ。




