表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫はふて寝する  作者: 山神ゆうき
ミケのその後の生活
66/83

57・泣き出す人達と真実の猫

緋美(あけみ)ちゃんはいきなり泣き出していた。

私と初陽(はつひ)は心配そうに見守る。


「ごめんなさい。私のせいで・・・・グスン。ケーちゃんは・・・。」


私は緋美ちゃんの言っている意味がわからずにキョトンとしていた。


「緋美ちゃんのせいじゃないよ。」


初陽は緋美ちゃんを慰めようとする。


「だって・・・だって・・・。」


それでも泣き止まない緋美ちゃん。


「なんで泣いているか知らないけど、泣き止んでほしいな。」


私はとりあえず泣き止んでほしいことを伝えたのだが、緋美ちゃんには届いてないようだ。


「ほら、泣き止みな。加雅美(かがみ)だって凄く反省しているんだから!」


初陽がそう言うと、緋美ちゃんは1回頷き落ち着いた。私は"加雅美"という言葉が何故だか好きではなかった。


何だかんだで緋美ちゃんも落ち着いたみたいでよかった。

私と初陽は胸を撫で下ろした。


「ご、ごめんなさい。私、少し取り乱したりして・・・。」


まだ、涙目でグスン!グスン!いいながら緋美ちゃんは言う。


「まぁ、落ち着いた感じでよかったよ。」


私は笑顔で言った。




ー(幕間)ー




結局、緋美ちゃんが泣いてしまい場の雰囲気が気不味い空気が流れてしまい、緋美ちゃんと初陽は帰っていった。

けど、これは緋美ちゃんのせいではない。色々と事情があるのだと思う。


今は夕方である。私は一人テーブルに置いてあるフィギュアを眺めていた。


『「今日も屋敷の見回りを頑張るぞー!」

私は右手拳を天井に掲げ、廊下を歩いていく。

「おお~!」

クルミちゃんも元気に右手拳を天井に掲げ私の後ろをついていく。

「ふ、二人とも待ってください。」

出遅れたミカミちゃんはさらにその後ろをついていく。』


私は"魔法少女同盟(まほうしょうじょごっこ)"を思い出していた。


しばらくしてから私はベッドから下り、少し離れた場所にある本棚を目指して歩き出した。


私が数歩歩いた時であった。


ガチャ!・・・・・ギギィ・・・・。


ノックもなくドアが開き、オオカミくんが入ってきた。


今日は1日でたくさんの人に出会う日だなと私は思う。

私は怯えながらオオカミくんの顔を見る。よく見るとうっすら涙が出ているような気がする。

涙を浮かべている人を今日はよく見るなと私は思った。っといってもリンさん、緋美ちゃん、オオカミくんの三人だけどね。


「ごめん。」


オオカミくんは一言そう言った。この言葉も今日はよく聞く。

占いがあれば、『今日の運勢。猫の人は今日はたくさんの人と出会うでしょう!その中には数人、涙目で"ごめん"と言う人がいるでしょう。』とか、なりそうだなと私は思う。ラッキーアイテムはなんだろうか。南京錠?泣きボクロ?フィギュア?


「俺は・・・・俺はあのとき・・・嘘をついて・・・・・。」


オオカミくんは会話を続ける。


「本当は俺は・・・・・お前の事が・・・・・。」


ここで少し間が空く。


「好きなんだ!」


オオカミくんは大きな声で言った。この後の台詞も声が大きかった。


「だから目を覚ましてくれ!恵聖(けいと)!!」


私はその言葉で目を大きく見開く。


「私は・・・・・・・・。」


私は驚いている。


「私は・・・・・・・・。」


私は数歩後退りをした。


「その言葉をずっと待っていた。」


この台詞は私が言ったものではない。私の後ろから声が聞こえた。

私はゆっくりと振り返る。

するとそこには、目に涙を浮かべている黒髪の女性が笑顔で立っていた。この女性の姿は知っている。庭でずっと泣いていた女性そのものであった。顔は分からないが、服装といい髪型といい、私が窓から庭を眺めていた時に泣いていた女性だった。


私は真実を知った。いや、思い出した。オオカミくんは大神(おおかみ) (きょう)という人物で私が好きになった人である。

そして、私の後ろにいる女性の名は近津(ちこうづ) 恵聖(けいと)といい、これが本当の私なのである。

ご愛読ありがとうございます。

次の章『近津恵聖』は猫はふて寝するの外伝の『狼は嘘をつく』の『大神京』の章と連動します。外伝の方もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ