28・豪華な蛇と不豪華な猫
私はシシミの情報で豚の勇者が310号室に入っていったという情報を聞き、シシミと一緒に310号室に行った。そこには執事がおり、住人は『お嬢様』だと言う。私とシシミは豚の勇者は実は女性だと勘違いしたが、豚の勇者は男性であった。そして部屋にはもう一人、知らない女性がいた。
「っという前回のあらすじが入っていそうですね」
執事の羊は一礼をして言う。
「前回のあらすじってなによ!?」
私はするどいツッコミを羊に入れる。綺麗にボケとツッコミが出来たが、私と羊は初対面である。
「ってこの女性は誰なの?」
私は金髪を後ろで輪っかを作った一つ結びで左右の耳の前にたてロールが一本ずつの髪形で、黄色と黒のドレスを着ており、目はオッドアイで右目が青で左目が赤である13才の女の子に指を指して言う。
「このお方は・・・・」
という風に羊は丁寧に彼女の事を説明しようとしたのだが。
「はい!はい!はーい!この方は310号室の住人のミジャなのでーす!実は!実は!世界的に有名なお金持ちの方の娘なのでーす!」
とシシミが答えた。
「えっ?シシミ。何で知っているの?」
私は訳がわからず、シシミに聞いた。
「実は!実は!前に勇者様と魔法少女の戦いを楽しみにしていたのだけど、話し合いで解決してしまったのでー!とても面白くなかったの!私の調べでは~!ここに勇者様が通っていること知ったので!知ったので!!演技をして、ミケミケとミジャを会わせたら面白いことになーるーと、思ったのです。」
な、なんと!シシミの陰謀だったとは。
「えっ?えっ?これはどういうことなのじゃ?どういうことなのじゃ?」
ミジャはなにがなんだか分からないようだ。
「えっと、ミジャさん、ごめんなさい。実はそこにいる豚の勇者に用事があって来たの」
私は部屋の住人のミジャに謝罪する。
「なるほど!ミケ様が用事があったのは勇者様のほうでしたか」
そう言ってクスッと羊は笑うのであった。
「おう!僕様のお客様だぜ!」
紅茶をすすりながら豚の勇者は言う。
「えっ?豚の勇者はなんでこんな変な物がたくさんある部屋にいるの?」
私は大声で豚の勇者に言う。
ピクッ!
その言葉に反応するミジャ。無理もない。310号室には蛇の彫刻や絵画がたくさん飾られているのだ。
「これはアートなのじゃ!すごく素晴らしいのじゃ!」
ミジャは目を閉じ自信満々に両手を広げて言う。ハッキリと言って私はアートは分からない。
「見よ!この絵画を!この蛇の曲がり具合が(略)・・・・・・」
とうとうアートの解説を始めるミジャ。私にはまるで『英語が分からない人』と『英語がペラペラの人』が話している感覚だ。嬉しそうに話しているミジャに「分からないから、説明しなくていい。」とも言えず、「うん」「へぇ~」「そうなんだ」の3つしか答えることができなかった。
ミジャのアートの説明は一時間かかった。ね、眠い・・・・。
「どうじゃ?分かったか?」
ミジャは満面の笑みで聞いてきた。
「ううん。全然分からなかった」
私は眠さのあまり「分かった」と嘘をつくつもりが、正直に答えてしまった。
グスン!
「この猫は酷いのじゃ!」
ミジャは涙目で私を指差して言う。




