26・決闘?豚の勇者VS魔法少女同盟
次の日の13時50分、2階の廊下。
今、ここにいるのは私達、フェアリーマジカルとシシミだけだった。しかもシシミは13時30分に廊下に出ていた。
「おやおや!まだまだ来ないですねぇ」
シシミはソワソワしている。もちろん、私達、魔法少女も落ち着きがない。
「まだ時間もあるし、準備運動でもする?」
私はクルミちゃんとミカミちゃんに聞いてみた。
「ううん。しなくて大丈夫だよぉ~」
クルミちゃんは首を横に振る。ミカミちゃんも首を縦にコクコクと頷く。
「そっか・・・」
なぜだろう。クルミちゃんやミカミちゃんと上手く会話が出来ない。
私は少し気になりいろいろ考えたが、何をどうすればいいかなど分からなくて結局は頭の中でなにも考えられない。
そうしているうちに13時55分になった。するとエレベーターが開き、豚の勇者がやってきた。
これで、30分前行動のシシミ、10分前行動の私達3人、5分前行動の豚の勇者が2階の廊下に集合した。
「こ、この人が勇者様?」
ミカミちゃんもイメージしていた勇者と違うのか少しショックを受けているようだ。
「お前ら早いな!」
自分以外みんな集合していたのでエレベーターから降りた瞬間、豚の勇者は驚いていた。
「時間が早いけど、勝負しよう?」
私は豚の勇者に問いかける。
「おう!いいぜ!」
豚の勇者もやる気満々だ。
「よし!フェアリーレッド・・・・」
私が決めポーズをしようとした。その時、豚の勇者は凄いスピードで私の前まで来た。そして、剣を振りかざす。
(えっ?決めポーズまでは待ってくれないの!?や、やられる・・・・・)
私は諦めかけた瞬間。
「ちょっと待って~」
クルミちゃんがストップをかける。その言葉に豚の勇者は動きを止める。ナイス、クルミちゃん。
「私は戦いに来たんじゃないの~」
「「えっ?」」
クルミちゃんの意外な言葉に私も豚の勇者もキョトンとしてしまった。
「えっ?戦いに来たんじゃないって。クルミちゃん、どういうこと?」
私は訳がわからず、クルミちゃんに聞いた。
「ミケちゃん~、ごめんねぇ。実はぁ~私は話し合いに来たのぉ~」
まさかの状況に私は理解が出来ない。
「あの~。私達はぁ、乱闘が起こらないために見回りを始めたんだよねぇ~。それなのにぃ、私達見回りをする人達が乱闘をするのはおかしいよぉ~?」
クルミちゃんは私と豚の勇者にむかって言った。確かに、豚の勇者は分からないが、私達が見回りを始めたのは乱闘を阻止するためだった。つまり、私達がここで戦ったら、今までの見回りの理由と矛盾するのだ。
クルミちゃんの言葉で私は目が覚めた。私は何てことをしようとしたのだろうと恥ずかしくなってきた。
「そっか。そうだよね。ありがとう、クルミちゃん。私が間違っていたよ」
そう言って私はクルミちゃんの頭をなでる。
「あの・・・・。勇者さん。ごめんなさい。私達は戦わなくていいんだよ!だって理由は違うけど、平和のために見回りをする事は同じだから」
私はステッキを下ろし、豚の勇者に手を差しのべる。
「・・・・・・・・。お、おう!僕様もどうかしてたぜ!」
豚の勇者は少し戸惑ったが数秒考えた末、剣を収めて私と握手をする。
「あ、あの・・・・。勇者様、ててて、提案があるのだけど」
そう言ったのは意外にもミカミちゃんだった。
「わ、私達は午前中はみ、見回りが出来ないから、ご、午前中は勇者様で、ごごご、午後から私達が見回りをするというのはどうかな?」
ミカミちゃんは勇気を振り絞って豚の勇者に聞いてみた。
「なるほど!お前たちと交代交代で見回りか。・・・・・・。いいぜ!よし!じゃあ、お互いちゃんと異常があったか、ないかは報告すること!わかったな!?」
豚の勇者は私達を指差し言った。私達はコクコクと頷く。
「よし!じゃあ、僕様は帰る」
そう言うと豚の勇者はエレベーターに乗り帰っていく。
しばらく沈黙が続く。
「ごめんね、クルミちゃん、ミカミちゃん。私が間違っていたよ」
再び私は2人に謝る。2人は笑顔で許してくれた。
「いやぁ~。実に!実に面白くないですねぇ」
私達は存在を忘れていたシシミは、私達に聞こえないくらいの小さな声で言った。




