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乳がんとともに  作者: 蒼井 つばさ


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2/2

MRIと身体の変化。衝撃の電話。

つわりは私にも人並みにあった。一般的によく聞く通り、まずは匂いがダメになり、更に所謂食べづわりのような症状などもあった。お腹がすくと気分が悪くなり、満腹になっても気分が悪い。私の場合は結構長引いていたタイプで、安定期を迎え、一般的にはつわりも落ち着くと言われる時期になっても、気分は悪い、身体はだるい、常に眠い。そんな日々だった。風呂上がりに嘔吐したこともあった。それでも時折感じる胎動を、愛おしく思っていた。

そんな中、再調整をしてもらったMRIも無事に終え、結果を聞きにいく少し前。少しずつ身体には異変が起き始めていた。


激しい腰痛に悩まされ始めたのだ。


腰痛なんて妊婦にはよくあることで、別段気にしすぎることもなく腰痛を和げるストレッチを調べたりしながら、夫に言われてカイロを腰に貼りつつ、一日の大半をベッドで過ごすようになった。それでも一向によくならず、むしろ腰痛を感じ始めた2、3日後には激痛で起き上がるのにも苦労するまでになった。トイレに行ったり、食事をするためにダイニングへ向かうのも床を這っていく。そんな状態で皮膚科の診察に行くにも行けず、病院に予約の延期をお願いしたのだ。3回目の延期のお願いをした日、皮膚科の主治医から直接電話がかかってきた。


「ちょっと怪しいものが写ってるから、無理してでもきてほしい。」


『…は?』

と、一瞬頭は真っ白になったが、この時はすぐに冷静さを取り戻し、それでも動ける状態ではないことを説明した上で、数日後に妊婦健診が控えているから、そのときは必ず行くと約束をしたのだった。

この時も不安は覚えつつも、

『いや、まさかね。』

と思っていた。悪性だとしてもMRIを撮った部位は腰部骨盤部。まさか乳がんだなんて思いもせず、夫の認識も同じで、ふたりして骨肉腫を疑って心配していたのだ。


外は桜の季節。

この年の桜は見ることもなく、夫が義母から借りて来てくれた車椅子を押してくれ、なんとか大学病院へ妊婦検診に向かうことができた。その頃には、車椅子の肘置きに体重を預けてやっと座れるくらいの状態で、当然尿検査なんてできる状態でもなく、そのまま産科外来へ向かい助産師に事情を話すと、担当医のところへ相談に行ったようだった。おそらく皮膚科の担当医から話は通っていたのだろう。そのまま産科病棟への入院が決まった。


この日から、約3ヶ月半にわたる入院生活の始まりである。

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